「 世界一短い怪談って、どういうのだっけ?」
「 部屋に女がいる。
彼女は一人ぼっちだ。
ほかの人間は皆死んでしまったから。
・・・ ドアをノックする音が聞こえた。
こんなのだったかな。 でも、もっと短いのがあるよ。
幽霊の名所って言っても、こんなに見物客が多くちゃ、幽霊も出て来られねえな。
おい! ここには、俺たち2人しかいねえぞ!」
「 字数は、後の方が多いだろ。 あれ、今、着信音がしたな。」
「 迷惑メールだよ。 お付き合いしてください をスルーしたんだけど、近くの駅で待っています、近所の交差点で待ってます という具合で、しつこくて。」
「 すぐそばまで来てますってさ。 でも、あんたがここにいるのは、俺たち2人しか知らないよな。」
・・・ ドアをノックする音が聞こえた。
作者退会会員