今日は久しぶり休む事が出来た。
ここの所日曜日も仕事をしなければならない事が多く
まともな休日を取るのは本当に久しぶりだ。
今日は新宿へ買い物へ行き、久しぶりに服を買った。
買ったといってもユニクロだが。
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最寄駅に戻りここから自宅まで歩いて15分程度
そこそこいい運動になる距離だ。
ただ少し喉に乾きを覚えた。
「そういや近くにあれが売ってたな」
家に帰る道から少しだけ外れてしまうが、
少し歩いた所にある郵便局
その前に自動販売機が4台ほど列を成して並んでいる。
その中に俺のお気に入りのジュースが売っている。
【北海道夕張メロンミルク】というジュースだ。
俺はこれが大好きなのだが、これが中々売っていない。
たまにこれを飲むためだけに寄り道をするくらいには好きなジュースだ。
120円を払い自動販売機から取り出した。
空き缶は後で捨てるのが面倒だからその場で飲む事にした。
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そこでふと視界に何かが映った。
人だ。
恐らくホームレスだろう。
少々ボロボロの服をきて、風呂に入っていないのだろう。
肌は見るからに黒く、汚れていた。
彼は郵便局の前で座ってビールを飲んでいるようだ。
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『あぁいうホームレスの人ってどうやってお酒とか買ってるのかな』
などとどうでも良い事を考えながら自分もジュースを飲んでいた。
そして飲み終わり空き缶を捨て帰る前に何か食べて行こうかなと
考えた所で、
ホームレスの男性は横たわって寝ていた。
日曜日だけ昼からお酒飲んで道端で寝るんだもんな。
好きに生きてるっていうのかな。
なんて考えていた。
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なんだ・・・
視線を感じる・・
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良く見ると寝ているホームレスの男性が
寝ながらこちらを見ていた。
というより睨んでいる?
まずい、じろじろ見ていたのがばれたのか。
俺は急いでその場を離れた。
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少し小腹がすいている。
少し戻る形になるけど近くに、から揚げを食べ歩き用に
購入できる店があるので、そこへ向かった。
少し並んでいるが、10分程度で購入できた。
俺はそれを口に頬張りながら帰る事にした。
帰る途中またあの自動販売機の前を通る形になる。
まだあのホームレスの男性は寝ているのだろうか。
そう思いながらまたあの場所に近づいていくと
なにか少し騒々しくなっている。
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「大丈夫ですか!?」
「救急車は!?」
「今呼んだ!後は警察!!」
なんだ、事件か?
俺は人が集まっている所へ向かった。
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その人だかりの中心にはあのホームレスの男性がいた。
寝ている男性の近くに女性と男性がいる。
女性は近くに買い物袋を持っている主婦だろう。
男性は彼女の夫だろうか。
一生懸命ホームレスの男性に呼びかけている。
「何かあったんですか・・・?」
俺は思わず近くいた人に聞いてみた。
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「あぁーなんかあのおっさん、
倒れていて今意識がないらしいよ」
倒れている?
意識がない?
混乱している所に救急車が来た。
直ぐに倒れている男性の近く行き
脈拍などを確認している。
そのまま心臓マッサージと、人口呼吸が始まった。
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心臓が止まっているのか・・・
いつからだ・・?
もしかして俺が寝ていると思った時から・・・?
あの睨んでいる目はもしかして・・・
助けを求めていたのか・・・・
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あの男性はそのまま救急車へ乗って運ばれていった。
心臓が止まってから時間が立っているらしく
恐らく助からないんじゃないかと周りの人たちが言っていた。
「もっと早く発見出来れば良かったのに・・・」
そう言っている主婦の女性の言葉が俺に強く心に残った。
作者カル
これは私の実体験です。
ほんとうにそのまま見逃してしまいました。
なぜかその週に別に血まみれの男性を見つけたので、
そのときはすぐに救急車を呼びました。
人への関心を持つことは大切ですね