第三回リレー怪談 鬼灯の巫女 第十二話

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第三回リレー怪談 鬼灯の巫女 第十二話

「今の状況では東野さんの言う通り、御堂へ行くしかないみたいね」

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「俺も同じ意見です」

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七月と潮が即座に東野に同意を示し、渚と八月は決めかねている風に見える。

彼等には決定的に情報が欠如していた。

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二つの昔話とひとつの歌…怪異を見たというのは渚だけである。

渚の身体に付着していたフジツボは…

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昨夜の件で別の存在が渚に成り代わっていたということで一応の落着を見た。

それで、状況に流されるまま、

餌に釣られてまんまと禁忌と云われる島へおびき出されてしまったわけだったりする。

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東野はかなり焦っていた。

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何も知らぬまま溺れるよりも、今まで集められた情報が示す渦の中心へ…

八月と渚を東野はじっと見つめる。

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向けられた視線の強さに居たたまれなくなった為か、

双子の巫女がいる御堂へ向かう事を八月、渚の順で了承する。

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覚悟を決めた。

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五人は宿として臨時に借り受けた社殿を出て、奥にある瑞垣で囲まれた御堂へ向かう。

背後で人の声を聞いて東野達は足を止めた。

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木漏れ日の落ちる参道へ目をやると、双子の巫女がいたからである。

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いや、ひと目見ただけでは昨日会ったあの二人とは誰もが気付かなかった。

彼女達が、やたらと布地の少ないセパレートタイプの水着を身に纏っていたからだ。

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「さあ、真…遠慮は要りません。

 本気で懸かってきなさい!」

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「いきますわよ、お姉様!」

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対峙する二人。

18メートル程、格闘技であれば開き過ぎる間合い。

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肩の高さで伸ばされた右腕の先に、立てて握られたるは一本の金属バット…

お姉様と呼ばれた女は左手で軽く右肩を摘まむ動作から、

脇を締め、右手で弧を描くように後ろへ引いて両腕でバットを握り、打撃の構えに入る。

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呼吸にあわせて上下に揺れる…たわわに実った胸の双丘。

内股気味に開かれた脚にはビーチサンダル…

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一連のルーティンをこなすお姉様を睨みつける黒瞳、

右手にグローブを嵌めた真と呼ばれたツインテールの女が、

存在しないキャッチャーのサインに首を振る。

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呼吸にあわせて左右に揺れる…たわわに実った胸の双丘。

森閑とした参道に日本人離れしたプロポーションを持つふたつの美が咲き誇っていた。

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球種とコースが決まり、軽く頷く真…

ワインドアップから右肩を前にして半身となり、

身体を折り曲げながら、翼を広げた大鳳の如く左右の手が舞う…

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そこから、左腕が低空を飛ぶ燕の様に地を這い、

アンダースローで内角低めを狙って白球が放たれた。

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ヘルメットの下で眉が跳ね上がり、お姉様の目が鋭さを通り越して危険に輝く。

真の投球フォームからコースと球種を瞬間的に割り出したのだ。

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球速は140後半、ホームベースへ到達するまでの回転数は約2400…

内角低めストライクゾーンいっぱいに決まるストレート。

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「IFF照合、当該機にデータ無し…侵犯する白球(アンノウン)をバンディットと認定」

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うなりを上げてホームベース上空を通過せんとする白球へ向けて…

今、お姉様の迎撃体勢が完全に整った。

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「こちらトレボー。

 ウィザード、武器の無制限使用を許可する。

 人口密集地へ入る前に必ず落とせ」

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「ウィザード了解、敵機を撃墜する」

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彼女は誰と交信しているのだろうか…トレボーとは一体…ウィザードとは…

前方へ踏み出される美しい右脚、

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お姉様の白い手に握られた金属バットが白球めがけて今、振り抜かれる。

快音が周囲に響き渡った。

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インパクトの瞬間に軸足が左から右へスライドする見事な振り子打法…

宙を舞う白球は鳥居を軽々と越え、

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神社の敷地を囲む鎮守の森の彼方へ飛び去っていった。

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渾身のド●ームボールを完璧に捕らえられてガックリと肩を落とす真…

参道に置かれたベースをお姉様は表情ひとつ変えずに順にまわっていく。

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「なんでだぁあああああああああああああ!?」

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震える指で二人を差し、東野は絶叫した。

聞き咎めた水着姿の女達は動きを止め…同時に、はてと小首を傾げる。

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決戦の場に臨まんとする覚悟が、まさかの超展開で台無しにされてしまった。

七月と潮も緊張感を完全に破壊されてへなへなと崩れ落ち、地面に膝が着いている。

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表情ひとつ変えずにいられたのは八月と渚だけだった。

巫女達は五人の前までやって来ると深々と頭を下げる。

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と、同時に重力に引かれて水着からこぼれ落ちそうになる巨大なふたつの肉塊。

これはあざとすぎる演出だ。

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「あら、皆さんお早いですわね」

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「この時間にいらっしゃることはすでに私達は存じ上げていましたけど」

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絶対秘匿部位のみを最低限の布地で隠した、

限りなく全裸に近い水着姿の二人はまぎれもなく…

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昨日、社殿の前で会った双子の巫女だった。

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ヘルメットを脱ぎ捨て、乱れた長い黒髪を手櫛で梳かし

金属バットをどこぞの剣豪みたいに左肩へ担ぐのは姉の命(みこと)…

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グローブを着けた右手を腰に当て、

左手の指で三つ編みにした髪をいじるのは妹の真(まこと)。

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「な、なにをしていたんですか?」

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胸囲の格差社会に打ちひしがれつつ、七月はやっとのことで疑問を口にした。

未だ東野は二人に指を差したまま固まっており、

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潮は別の意味も含めて立ち上がることができなくなっている。

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三つの布地はバンド●イド(ガーゼ付き絆創膏)程度の面積しかなく、

それぞれが細い紐によって結ばれている。

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女体表面に施されたレイライン、結束して顕現する神秘のパワースポット…

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白い肌と布の狭間に出来た危うい空間へ、魅惑の隙間へ、ミリ単位の聖域へ、

3D(巨●)を愛する世界の同志達へその一部始終を伝える為、

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潮は自らを生きた記憶媒体と化し、

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10テラバイト…新聞200万年分とも云われる脳の記憶容量を、

全て双子巫女さんのあられもない水着動画で埋め尽くさんとするかのように、

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瞬きを忘れ、眼圧を最大に高めたエロに染め上げられた曇り無き眼(まなこ)で

ガン見するのであった。

これが若さか…

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「神様へ野球の試合を奉納しているのです。夏ですから」

「夏ですから」

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「さ、さっぱり分からん…」

「水着…でも、わざわざ水着で野球をしなくてもいいよね?」

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「水着は必須です。神職…神主がいないこの神社では私達だけが神へ奉仕し、

 お世話をさせていただくことができるのです。

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 ですから、神様に喜んでここへ留まっていただく為、楽しんでいただく為、

 私達、見目麗しき乙女が水着できゃははうふふと戯れる姿をご覧に入れているのです」

「です!」

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「そ、そうなんですか!?」

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「金庫に閉じ込められた宝石達を救い出し…

 無理矢理、花嫁にされようとしている女の子を緑の野に放してあげる。

 これ、みんな巫女の仕事なんです、うんうん」

「うんうん!」

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「そ、そんなことまで!?」

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どこぞの三代目みたいなセリフを吐いた命は

知っている限りのご質問にお答えしますと、五人を社殿へ戻る様に促した。

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長い髪と三つ編みの揺れるその後ろ姿は衣類を一切身に着けていないように見える。

剥き出しの臀部がふるふると揺れ、しゃなりしゃなりと二人は優雅に進み、

そのまま社殿へ上がろうとするところへ東野が待ったをかけた。

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「あの…その、巫女服に着替えていただけないでしょうか?」

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「このままではいけませんか?」

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「俺の使命感(やる気)が薄れますので…」

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「仕方ありませんね…

 真(まこと)、巫女萌えがなんだかクレーム付けているので着替えますわよ」

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「水着より巫女服がお気に入りとは東野様もたいがいな紳士ですね」

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「人に変な属性付けてんじゃねーよ!」

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命と真は東野達に社殿へ上がって待つように言うと、

再び巨乳を見せつける一礼をして社務所兼彼女達の住居へと去っていった。

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お茶を淹れてくるねと断り、八月と奥へ消える七月。

適当に腰を下ろす東野の隣に座った潮の向ける視線がやけに痛い。

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「正座したら間違いなくはみ出たのに…」

「何がだよ!?」

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社殿で待たされること20分、七月が淹れてくれた茶を五人で飲んでいると、

白衣緋袴の巫女装束に身を包んだ命と真が現れた。

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昨日、二人が身に着けていた清楚なものとはまるで別物…

漫画やアニメに登場するようなアレンジの加えられた間違いだらけの巫女服だ。

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それはまるでコスプレ…本職であるにも関わらずパチモノ臭が半端ではない。

そこにツッコミを入れても話は進まない。

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スルーこそ最適解。

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「お待たせしました。

 さあ、東野様がご希望された巫女装束に着替えて参りました。

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 好きなだけ劣情に駆られるまま、存分に私達を視姦なさって構いませんわよ」

「その獣欲で染められた目で私達の清楚かつ可憐な女体を凌辱し尽くしなさいませ。

 妄想内の私達は東野様の命ぜられるまま、人目を憚ることなく所かまわず、

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 発情した雌犬が如く、破廉恥極まる体勢でも、如何なる淫らな行為でも、

 喜悦に陰部を濡らし、狂ったように嬌声をあげ、痴態を晒し従い応えることでしょう」

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「……………」

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抑揚もない平坦な口調で読み上げるようにとんでもないことを言う双子の巫女。

こいつらはダメで残念な子だ。

必要なことだけ聞いて帰った方が良い。

二人が上座へ着くなり、命と真が口を開く暇も与えず、

東野は今まで温めてきた疑問をぶつけることにした。

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「まずは、この神社の縁起を教えてくれ。

 不漁が続いた為、双子の姉妹を犠牲にした儀式によって魚を戻し、

 殺された姉妹が怨霊となって祟りを為すことに先手を打って、

 御堂を築いたというのは本当か?」

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「概ね…正解です」

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「では、この神社の祭神は?」

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「天照皇大神あたりじゃないですか?

 明治のアレ(神社合祀)のお陰でぐっちゃぐちゃになりましたし」

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「いや、アレの所為で祭神がはっきりさせられたんじゃ…」

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明治初期の『神仏分離』と『廃仏毀釈』で神仏習合が廃され、

寺院の廃合、仏像仏具の破壊、僧侶の神職への転向が行われた。

さらに明治後期の『神社合祀』で、神社の統廃合が起こり日本の宗教界が一変した。

神社の数を減らしてひとつの神社に合祀させるというものだ。

祭神が定かではない神社には決定や勧請が行われた。

神田明神(現・神田神社)に祀られる神々の変遷などもその影響である。

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「じゃあ、海の神だけに綿津見大神」

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「テキトーすぎんだろ!!」

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「じゃあ、ダゴンで!」

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うん、無視だな。

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「では、地元に住む呪い婆の神託だか占いだかは知らんが、

 双子は徳の高い魂を持つ娘と、

 その魂に引かれて憑いてきた災いの娘というのは本当か?」

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「ハズレです。双子のどちらも単なる撒き餌です。

 魚達が戻ってくる為の漁場を作る…経験からきた、

 お婆ちゃんの知恵袋程度のものですよ。

 祠の建立と維持は村人達と罪悪感を分かち合い、己の身を護るための浅はかな猿知恵」

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確かに、シイラは死体憑きと言って、浮かぶ水死体の下を好む魚だ。

洪水等で海へ大量の人が流された翌年…過去に例を見ない豊漁だったとか、

アナゴがずるずると水死体の中から這い出してきたという話を聞いたことがある。

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「日本刀を殺した双子の片割れの血で鍛えたというのは?」

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「輸送手段が整備された現代と違って、多くの刀匠は鉄の産地に分布していました。

 良い玉鋼が手に入る場所です。その辺に転がっているものではありません。

 それから、刀を鍛えるのに血液を使う工程はどこになると思いますか?」

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日本刀の工程で…となれば、積み沸かしだろうか?

積み重ねた鋼をテコ台ごと水で濡らした和紙で包んでワラ灰をまぶし、

泥汁を満遍なくかけて火床へ入れる。

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和紙で包むのは積んだ鋼を崩さない為、泥汁をかけるのは芯まで沸かすため、

ワラ灰は鋼と空気を遮断して、鋼が燃えないようにする為に使う。

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玉鋼の段階では完全には精錬されておらず、

沸かしから鍛錬を経て精錬されていくこの工程を失敗すれば、

いくら鍛錬しても良い地鉄になることはない。

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焼き入れは確かに苦労して鍛え上げてきた地鉄に命を吹き込む行程だが、

ここで血液を使ってどうなるのか…だ。

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「それも嘘だというのか?」

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「刀は実在しますよ?血液で鍛えられたことは事実か分かりかねますが、

 この神社の御神体として鬼灯と共に奉られています」

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「鬼灯とはなんだ?」

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「私達のいる場所に付けられた地名で、神社の名前、

 そして、私達の姓になります。

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 私達の場合は地名姓となりますけどね。

 鬼灯の鬼は通俗的な角を生やし虎の腰巻を穿いて金棒を持った、

 通俗的な妖怪の事ではなく、中国的な考え…死者の魂を指します。

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 お盆に死者の霊を導く提灯の見立てですね。

 植物についてお尋ねであればググれカスです」

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「ご神体の鬼灯は?」

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「秘事ですが?」

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即答されてしまった。

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「厳田家とはなんだ?」

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「御神体のことは一時お預けということですか…

 網本から発し、後に士分を与えられて苗字帯刀を許され、厳田と私称しました」

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「士分を手に入れる間で何が起こったか…

 厳田は岩田に通じる地名性だと思っていたが…ここは鬼灯だからな。

 地形地物…海辺のこの町に岩はあっても田は…網本が付ける苗字とは思えん」

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「厳はきびしい、容赦がない、いかめしい、おごそかを意味しますが、

 隙が無く犯しがたいという意味もあります。

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 そして、田は…日本では水田を指しますが、

 広義では穀物を栽培するために区画された農地…

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 新たにものを生み出す元…

 外部からの干渉を嫌い、中では新たに何かを生み出す家…」

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「そして、あなた達二人を含め神社の後援者、後見人、主人…絶対的な君主か」

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「違いますよ?」

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「違うのですが?」

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「え?」「え?」「え?」

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東野、潮、七月が驚きの声をあげる。

それを見て命と真はしてやったりと、嬉しそうに目を細めた。

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「厳田の本家はその新たに何かを生み出す何かと手を結びました。

 戦後になって、分家は一定の距離を置いて静観の構えをとっています。

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 分家の刀自があなた達に歌を教えたそうですね。

 あれが本家への当てつけを意味していることはもうお分かりですね」

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「鬼灯一つ瓜二つの意は?」

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「瓜子姫の伝承はご存知かしら?

 瓜から産まれた瓜子姫は、おじいさんとおばあさんに大事に大事に育てられます。

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 美しい娘に育った瓜子姫は機織りが上手で、

 毎日、綺麗な声で歌を歌いながら機を織ります。

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 しかし、おじいさんとおばあさんが留守にしている間に天邪鬼にだまされて、

 瓜子姫は連れ去られてしまうのです。

 その後の話は地方によってそれぞれですが、

 瓜子姫は天邪鬼によって陰惨な手で殺されてしまいます。

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 葉巧みに柿の木に上らされ墜落死させられる…

 殺されるのみならず…剥いだ生皮を天邪鬼が被り、

 着物を身に着けて姫に成りすまし老夫婦に姫の肉を料理して食べさせる…

 天邪鬼も、ただでは済みません。

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 物語の最後ではだいたい、

 天邪鬼の血で辺りが真っ赤に染まる程の手段を用いて殺されます。

 桃太郎と対的な説話となりますが…どちらも植物から人間が生まれる話です。

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 桃も瓜も果肉の中に種を宿し…新たな生を産むもの=和魂(にぎみたま)です。

 神様が落とし…売僧が拾い、本家は瓜の子宮を手に入れました。

 ヘブライの伝承では『ガフの部屋』…魂の座と呼びます。

 この土地に厳密的な双子は存在しません。

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 片方の子供は全てこの瓜によって母親の中へ降ろされた存在なのです。

 本家も売僧もろくでもないことにこの瓜を使い、

 金銀財宝、地位と名誉を手に入れました。

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 憐れな肉を持った瓜の精…いえ、出来の悪い方ををミンチにして漁礁にするか、

 もしくは外国(とつくに)へ奴隷として売り払ったのです」

“湧いてくる 湧いてくる

厳田の船の行くとこにゃ

どこでも魚が湧いてくる“

“めでたやな めでたやな

可愛いややこを抱いて見りゃ

鬼灯一つに瓜二つ

“鬼が来る 鬼が来る

鬼が血刀振り回しゃ

わたしもあんたも首が飛ぶ“

“泣き別れ 泣き別れ

風来坊の言うことにゃ

鬼灯残して瓜食った“

“飛び上がる 飛び上がる

厳田のあるじが沙汰をすりゃ

墓の死人も飛び上がる“

“船が来た 船が来た

船の中身をあけて見りゃ

鯛か太刀魚シュモクザメ“

“睨みあい 睨みあい

高い御堂が睨みを利かしゃ

荒ぶる海も黙りこむ“

“ありがたや ありがたや

厳田のあるじの魂(たま)握りゃ

売僧(まいす)も毎日酒飲める“

“堪忍な 堪忍な

貢ぎ物さえ供えときゃ

あやかし厳田の守り神“

東野の脳裏にあの歌詞がが浮かび上がる。

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「今の本家はもっとえげつない事をしてますけど…

 あなた達の聞いた伝承の中にあったと思いますが、

 御堂はこことは別の場所に、もうひとつありますよ?」

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To be continued →next runner ロビンⓂ︎

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