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番外編  ついに正体を見た

大長編64
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番外編  ついに正体を見た

やっと一連の騒動が落ち着くと思っていた

オハルちゃん一家と無縁仏達を供養しその晩に狐火として稲荷神社へ魂が昇っていた

しかし、私にはなにかこう引っかかるものを感じていた

妹のF子に自分の今の状態を話した

するとF子もまだなにか起きるのではないかと不安で特にS子になにかしら異変が起きそうだ、と言っていた

しかし、お盆休みも終わり来週には会社がある

みんなそれぞれの生活がある

何事も起きなければいいいいのだが、と思う・・・・

9月の最終日曜日にS君から電話があった

大至急、S君の家へ来てくれ、というものだ

あの日から何も起きていなかった

嫌な予感を抱きつつS君の家へ向かった

しかし、こんな夜中に・・・もう午後11時だぞ

おじさんやおばさんに迷惑がかかる

話の内容によっては早々に退散しよう

S君の家へ着いた

S子が出てきた

「おっちーーー、おっ!、おひさ、どうした?Fアニキ?もしかして私に会いに来たのかな?」

まさに能天気

「うわぁ!、お前が出てきたのか・・・それになんだその格好は・・・おまえ、出てくるなら洋服で出てこいよ、ネグリジェで出てきて・・・俺だったからいいけど他の男なら大変だぞ、Sに呼ばれたんだよ」

「え!、私に会いに来たんじゃないんだ、ふーーん、わたしのこのセクシーさ、いいでしょ?」

「おぇっ!おまえ・・・冗談はよしてくれ、上がるぞ」

「もうっ!アニキなら部屋にいるよ」

「そっか、あがるよ」

私は能天気S子の冗談に付き合っていられない

S君の部屋の前に立ちノックをした

「入るぞ、どうしたんだよ?」

「お!、きたか・・・ごめんな・・・こんな時間に呼び出して」

「いや・・いいんだよ、とその前にS子のあの格好どうにかしてくれ、びっくりした」

「あははは、見ちまったか・・・F、S子も女の子だよ、すこしはほめてやってくれ」

「おいおい・・・俺だからいいけど他の男なら気絶してるぞ!」

「あははは、それは言えてるよな・・・俺もはじめてあれを見て失神しそうになった」

「だろ・・・あれはちょっとな・・・」

「アニキたち、聞いたぞぉーー、せっかく、私が夜食もってきてやったのにさ、乙女の心をもてあそぶとはサイテーー!」

夜食を持ってきたS子が立っていた

「わぁっ!いつのまにいたんだよ、ノック位しろよ」

「ふん!乙女な私を泣かして・・・ノックはしたさ、アニキたち」

「あ、そうなの?聞こえなかった」

「俺も聞こえなかった」

「聞こえるはずはないよね、乙女の悪口を言ってたんだから」

「オトメ???・・・え!ギャハハハハ」

「アニキ!何かおかしいんだよ?」

「さて・・・Fよ、ちょっとな、S子もここにきてくれ」

「もうっ!ごまかそうとしてもダメだぞぉーーー」

「いやまじで、この写真を見てくれ」

「あ!これ供養した晩の狐火だ!きれいに撮れてるんじゃん、アニキ、すごいぞぉーー」

「ありがと!S子、さすが我が妹だ!、じゃない!!、危うく能天気S子の流れに乗りそうだった、危ない危ない、ここの狐火の数を数えてくれ」

「おっちーー、ひとつ・・・ふたつ・・・、え!21個あるぞぉーー」

「確かに21個、確か無縁仏の墓は20個、一つ多いよな」

「だろ、ここ毎日、俺、写真を一枚一枚確認して整理してるんだ、そしたら、この写真でなぜか手が止まった。それで、狐火の数を数えたんだよ、そしたら21あった、数を数えるのを間違えたんだろうと思い、もう1度数えたんだ、でも、21なんだよ」

「どういうことだ・・1個余分に天国へ上がったということか」

「そういうことになると思う、でもこの1個は誰なのかと言うことさ」

「いろいろ考えたけど・・お墓の中の骨はすべて1墓に1体しかなかったよな」

「そうだよ」

「でも・・・・どうもな・・胸騒ぎがしてならん」

「え!、どういうこと?」

「供養してすべて終わったのだと思っていた。でも日にちが過ぎるにつれなんかモヤモヤした気分になってきた、なにか忘れてないかとね」

「お!、おっちーーもだぞ、寝てるときに枕元に誰かが立ってる気配がするときがあるんだぞぉ、怖くて目が開けられなくって・・・でもあの感じ・・・マジで嫌な感じなんだぞぉ、それが毎晩なんだぞぉ」

「おい!S子!、何で今まで黙ってたんだよ、そんな大事なことをよ!」

「アニキ!!怒るなよ、言おう言おうとしてたけど気のせいかもしれないと思ったのさ」

「いや・・・前に、F子に俺の今の感じを話したらF子も嫌な予感がする、と言ったんだよ、それもS子を名指しをした、F子は人見知りが強くてその影響かもしれないが何かしら未来的に何か起きる予感を感じることがあるんだ、だから、S子のことも心配してたんだよ」

「お!、おっちーーーうれしいぞぉーー、Fアニキ、私のこと心配してたんだ、エヘヘヘ」

「エヘヘ、じゃないぞ、S子、こりゃ、もう1度お寺へ行かないとな」

「だな・・・でも・・・俺さぁ・・・明日から東京へ出張なんだよ、1週間ほど東京にいることになる。そのあとなら一緒に行けるけどな・・・・」

「え!、タイミングが悪いよな、あそこまで遠いから、交代で運転しないとヤバイ、かといってS子だけお寺に預けるというわけにもいかないしな、S子もバイトがあるし、困ったな」

「1週間後かぁ・・・・もしかしたら・・・場所を変えればいいのかも・・・S子を俺のところで預かるわ、F子も大喜びするはず」

「まぁ・・・でもおじさんやおばさんに迷惑をかけるし・・・」

「トンチンカン親父ならS子が来るとなれば赤飯だよ、もしかしたら松坂牛が出るかもな、おふくろは反対するわけがない」

「いまF子に電話するわ」

F子に電話をした。いきさつを話したら即OKが出た

S子に要るものだけをかばんに詰めるように言った

「おやじやおふくろには朝に説明しておくわ」

「頼む、とりあえず、S子を連れて行くわ」

「わぁーーい、久しぶりにF子ちゃんに会える、うれしいんだぞぉーー」

能天気すぎる

私はS子を乗せ急いで私の家へ帰った

「わぁーーい、Fアニキと2人きり、うれしいんだぞぉーー」

「おまえな・・・おまえ、非常にヤバイんだぞ」

「そうなの?でもいいや、アニキたちが守ってくれるから」

「・・・おまえ・・・他力本願だな・・」

「だよ・・・エヘヘヘ」

まぁ確かに両兄貴たちは両妹たちを守ってきたのは確かだ

だから妹たちは私たち兄貴の言うことは信用してるし言いつけもよく守ってくれた

家に着いた

F子が迎えてくれた

「わぁーーい、おひさ、F子ちゃん、元気にしてた?」

「もちろんよ、S子ちゃん、おひさ、さぁ早く上がって」

妹たちはさっさと妹の部屋へ入っていった

S君に無事に家に着いたことを電話で話した

「F、ありがとう、これで安心して東京へ行ける、なにかあったら電話してくれ」

「一度、S子の部屋を見た方がいいかもな、なにかしら変わったことが無いか教えてくれ」

と言い、電話を切った

30分後にS君から電話がかかってきた

「F、S子の部屋を見たけど見た目、変わってないと思う、変わったといえば女の子らしい部屋になったことだけだな、あはははは」

「あはははは、やっと女の子らしさが出てきたかな」

「だな・・とにかくS子を頼むぜ」

「任せておけ、安心して仕事してきてくれ」

妹たちのおしゃべりが良く聞こえてきた

この2人はよくしゃべる

まぁ・・・オアキちゃんオハルちゃん姉妹の生まれ変わりだから仕方ないか・・・

今頃・・天国でオハルちゃん一家は賑やかにしているのかな・・・

さて・・・少し眠気がしてきた

明日は会社がある

朝7時ごろに下の階でガヤガヤと騒がしい

目が完全に覚めた

下へ降りると

トンチンカン親父がS子を見て大喜びをしていた

「ついにS子ちゃん、お嫁に来たか」

「やだぁ、おじさん、気が早いんだぞぉーー」

なんちゅう会話だ

私は親父とおふくろに事情を話した

「そっか、なんでもいいや、S子ちゃんが来てくれればなんでもいいさ」と

全然理解していない、まさにトンチンカン親父

「S子ちゃんが来ると家が明るくなるからずーと家にいてくれると嬉しい」

とおふくろの言葉

まぁたしかにうちの家族はどちらかというとまじめな方に入る

まぁ一人トンチンカンがいるけど

ましてや妹はあんまししゃべらない

S子相手だとものすごくしゃべるのにな

「よっしゃーー、S子ちゃん、お嫁入りで今日は松坂牛でお祝いだーー」

「おい!、おやじ、誰も結婚はしてないぞ!」

「おっちーーー、おじさん、まじで今晩松坂牛なの?」

「そうだよ、S子ちゃん、お嫁入りのお祝いだ、ばんざーーい!!!」

「おっちーー、ばんざーーい」

「おいおい、勝手に何してるんだよ、おい」

あかん、会社へ行く時間だ、こいつらの相手をしてたら遅刻だ

私はあわててパンを片手に持ち車に乗った

月曜日は

なぜか忙しい

忙しい仕事を終え

帰ろうとしたときに

S子から電話がかかってきた

私はあわてて電話を取った

何かあったのではないかと思ったからだ

「おっちーー、アニキ、今日ね、おじさんと肉屋さんに行ってきたんだぞぉーー」

「はい?肉屋?」

「おっちーー、おじさんが松坂牛の肉を買ったぞぉーー、今晩は松坂牛の焼き肉だぞぉーーー」

「おーーい!!!、ちょいまち!・・・・うわぁーー、思い出した・・・いくらの肉を買ったんだよ?」

「一万円」

「ゲェーー」

トンチンカン親父、1万円の肉を買った、買ったのはいいけど後で私に請求というか回収しに来る

3か月前にS子が来たときに赤飯を買ってきた

その赤飯代を後日、親父が来て

「おい!、この前の赤飯代、よこせ!えーーと、5人分で5千円な」

「え!、5千円?どうみても1個300円だろ、1500円だろ?」

「はぁ~~何を言ってるんだ、お前親父にお使い代を出さん気かよ、全部合わせて5千円だ、今すぐよこせ」

「いやだよ、親子だろ、親が払うのは当然だろ」

「はぁ?だれが親だ?いつお前の親になったんだよ?証拠は?」

「いまさっき自分で「親父」と言ったじゃん」

「言ってねーよ、そんなことよりよこせよはやく」

もうガキとしか思えん

だれだ、こういう躾をした奴は

じい様から聞いた話では

親父、相当ヤンチャだったらしい

中学・高校の時は暴走族に入っていて警察沙汰を何回起こしたか

S君のおばさんもそういう話をしてたw

「F君、あなたのお父さん、私、高校の時に同じクラスたったんだけどね、

相当ヤンチャでみんなから恐れられていたのよ、でもね、不思議とクラス委員長の言うことは素直に聞いていたわね、そのクラス委員長があなたのお母さん。あなたのお母さん、成績優秀で男子のあこがれの的だったのよ、ある日ね、あなたのお父さんが後ろの席で不良グループとマージャンをしてたのよ、その日は先生が休みで自習をしてたの、それをいい機会だと思ってマージャンをしてたのね

もちろんクラス委員長だったあなたのお母さんが仕切ってたわ、

何回注意をしても無視

しまいには委員長切れて

「おんどりゃーー、何回言わせるんじゃーーー、○○(オヤジの名前)」

もうね、みんなびっくりしてたわ、あんな上品な人が「おんどりゃーー」だからね

お父さんもびっくりしてたわ

そして、おかあさん、お父さんの前に行ってピンタ3発くらわしたのよ、

「おんどりゃー、なめてんのかよ、○○(オヤジの名前)、調子こくんじぇーねーよ、殺すぞテメーよ」

と罵声を浴びせたのよ

もうおとうさん、びっくりして固まってたわね

「おめーよ、土下座するのか常識だろ」とお母さんに言われて

お父さん

土下座して謝ってたわ」

おやじ・・まさにガキそのもの

「それ以来、お父さん、お母さんの言うことは絶対になってた。

それがね・・・まさか・・・結婚するとはだれも思ってなかった

私も後で聞いて仰天したんだから」

たしかに・・おやじ・・・おふくろの前では大人しい

まぁ・・・親父の顔はまさにそういう顔をしてる

昔はリーゼント頭

今はソリの入った坊主頭

それが目前で「よこせや」といわれればビビるわな

というか親が子供を脅してお金を巻き上げるか、普通

家に帰った

もう焼き肉の準備をしていた

「おっちーーー、アニキ、おかえりだぞぉーー」

「うわぁ・・・マジかよぉ・・・」

「帰ってきたな、まってたぞ、結婚祝いだぁー、遠慮なく食べてくれ」

「おい!だれが結婚したんだよ、おやじ」

「おまえしかいねーだろ、俺が若かったら、S子ちゃんに猛アタックしてたぞ」

「おっちーーー、おじさん、まじぃ!!、おじさん格好いいから、S子、ほれてたかも」

「おいおい、冗談はやめてくれ」

「こいつは無視しろ、S子ちゃん、どんどん食べな」

勝手に野菜や肉を焼き始め食いだした

「おっちーー、おいしいぞぉーー、アニキも遠慮なく食べな」

いや、まて、この代金はすべて俺が払うんだよ

必ずおやじはあとで回収しに来る

「F子、遅いな・・・S子ちゃん、何か聞いてないか?」

「おじさん・・・何も聞いてないよ」

「そっかい・・・おい、F、おまえ、何か聞いてないか?」

「いや、聞いてないよ」

「なにーーおまえ、アニキだろ、F子に電話しろ」

おいおい、普通、親が電話するだろ

仕方なしにF子に電話した

「はい、あっ!アニキ、珍しいね、電話してくるなんて、ちょいまって、S子ちゃんに何かあったの?」

「いや、おやじが・・・あまりにも遅いから電話しろと言われて」

「あ!ごめんね、今ね、撮影中なの、もう少しで終わるから・・・あっそうだ!アニキ、私を迎えに来て、もうこんな時間だからね、パパにそう言っててね」

ガチャンと切れた

「今、仕事中だと」

「なにーーー、こんなに遅くまで」

おいおい、まだ午後7時じゃねーか

「仕事がおわったら、迎えに行くわ」

「あたりめーだ、アニキの仕事だ、行ってこい」

いや・・親の役割だろ

相変わらずおやじとS子は食べ続けてる

「おいおい、あんまし食うとF子の分が無くなるぞ」

「あ!そっか、あかんわ、S子ちゃんごめんな、娘の分を少し残しててほしいな」

「それとおふくろの分もな」

「うっ!忘れてた・・・」

台所からおふくろが来た

「S子ちゃん、おいしいかい?」

「おっちーーー、おばさん、おいしいんだぞぉーー」

「あれ、F子は?」

「まだ仕事中だよ」

「S子ちゃん、娘の分を残してておくれ」

「おっちーー、わかったぞぉーー」

電話が鳴った

ビビった

「アニキ!終わったよ、迎えに来て」

「F子から、迎えに行くわ、肉、俺の分も残してておくれ」

「おっちーー、アニキの分も残しておくんだぞぉーー」

「早く行けーー」とトンチンカン親父の怒声

私は妹の撮影スタジオまで向かった

妹が外で待ってた

「お!アニキ、早かったね」

「親父が早く行け、とうるさいんだよ」

「あははは、パパらしい、パパって格好いいよね」

「はぁ?~~トンチンカンだぞ、ソリ入れてるし」

「それがいいのよ、この前、道を歩いていたらスゥーと黒い車が私の横を通り抜けて私の前に止まったのよ、

その車の横を通ったときに車の中から私の名前を呼ぶの、怖かったから急いでその場から離れたの

そしたら車から降りてきた、サングラスしててソリが入ってて名前を呼びながら近づいてきた

私、怖いからその場で固まった

「F子、パパだよ」と言われてサングラスを外したらパパだった

「なんで、名前呼んだのに~~逃げたの~F子ちゃん」と言われて

「だって、怖かったから」と言ったら

「あ!ごめんな、F子、怖かったかい?」と聞かれて

「うん」と答えたらパパ土下座して謝ってくれた」

おいおい、俺と全然待遇が違うじゃないか

「私ね、こういう顔たちだから結構声をかけてくる人が多いの

でもね、私はそういう人が怖いから無視してるの

だからいつもの如く声をかけてくる人だなと思って無視して逃げたの

パパだった

そのあと、パパとデートしたよ」

はぁ・・・・

「パパと手をつないでパパのおなじみのあの店に入った

パパ、トイレへ行ったまま帰ってこなかった

そしたら知らない若い男の人が話しかけてきた

私、人見知りだから下を向いたまま

そしたら

「ねーちゃん、こっちから話しかけてるのに無視かよ」

私下を向いたまま

「ちっ、美人だと思って、おい、すこしは話せよ」

怖かったから下を向いたまま

「こりゃ、にいちゃん、わしの女に手を出すなや」

「はぁ?」とその若い男の人がパパの方に振り向いたら

その若い男の人、パパの顔を見て

「すんません」と言って逃げた」

だとおもう

あの顔が目前に迫ってきたら怖いわ

「「パパ、怖かったよ」と言ったら

「パパがついてるからな」と言ってくれた

パパ、かっこいい」

はぁ・・・・

S子といいF子といい

どこが格好いいんじゃ

単なる中年悪親父だ

「仕事遅かったね、いつもは早く帰ってくるのに」

というと

「あのね、アニキ、撮影中に機械が壊れて修理してたら遅くなっちゃった

私、基本的にモデル撮影は昼間しかやらないと今の事務所の人に話したの

そういう契約にしてもらった

私の顔たちは自分が言うのは・・・「美人」の部類に入るらしいの

だから結構お誘いが多い

夜のお誘いも多い

でも怖いからすべて断ってる

だから恐らく私の評判良くないみたい

だから仕事があんまし来ない

月に平均5件ほどしか仕事が無い

給料も多くない

それをパパに言ったら

「F子、正解だぞ、給料はパパやママがいるから気にするな、仕事は自分が気に入ったものだけすればいい」

と言ってくれた

あ!、供養が終わって1週間後にね

Sアニキからモデル撮影の協力があった

なんでもある写真雑誌に応募したいのだけれど

モデルがいないからF子お願いだ、モデルになってくれ、と頼まれた

Sアニキ、本気でプロカメラマンになるのかな

その写真雑誌に入賞するとプロの道が開けるんだ、と説明してくれた

撮影場所は富士山の麓で

夜に撮影するんだけどいいかな?と聞いてきた

普通なら夜は絶対にしない

でもSアニキだから速攻でOKをしたよ

Sアニキすごく喜んでた

1週間後に撮影でお家まで迎えに来てくれた

富士山と私と月がバックでSアニキどんどん撮影してたよ

そのあとに食事をして色々なものを買ってもらった

モデルのお礼にお金ももらった

やっぱりSアニキはその場を盛り上げるのがうまい

その2週間後にSアニキから入賞3位だったと知らせてくれた

一応プロの資格をもらえたみたい

Sアニキの話だとSアニキの写真撮影の腕じゃなく

私があまりにも美しいということで入賞したとか

それを審査した人から聞いてSアニキ少しションボリしてた

あははは・・・そっかS君本格的にプロになるのか

そっか、それで最近、機嫌がいいんだ

「その影響なのかな、私の事務所に私についての問い合わせが殺到したみたい、

モデル撮影の予約がたくさん取れた、と言ってた

11月から本格的に私、忙しくなる

基本は夜7時までと契約をしたから

だからアニキ、仕事から帰ってたら私を迎えに来て

パパでも良いんだけど

パパのあの顔だと撮影関係者の人がビビると思う

せっかくモデルの仕事が増えたのにパパのせいで仕事が減りそう」

いや間違いなく減る

ここのところ、私たち4人組は調子がいい

ただ、一人、S子だけを除いて・・・

妹と家に着いた

「おっちーーー!おかえり!今日は松坂牛の焼き肉だぞぉーー、F子ちゃん」

「え!、何のお祝いなの?」

「お!F子、おかえりーー」

「パパ、これ、何のお祝いなの?」

「おおお、S子ちゃんの結婚祝いだ」

「えええ、初耳、誰と結婚したの?」

「F子、驚け!!!、お前の横にいる奴だ」

「えええ!!、うそぉーー、アニキなんで私に黙ってたの」

「おいおい!!---ちがーーう、こいつらが松坂牛が食べたいがために

勝手に盛り上がってるだけだ」

「エヘヘヘ・・・Fアニキ、照れるなよ」

「S子、お前、余計なこと言うな」

「そっか・・・S子ちゃん、以前からアニキと結婚がしたい、と言ってたもんね、よかったね」

「おい・・・・F子・・・」

「え・・・・違うの・・・あっ!私としたことが・・・余計なことしゃべっちゃった・・S子ちゃん、ごめんね」

「えへへへ・・・F子ちゃん、気にしなくていいんだぞぉーー、Fアニキ、そういうことだぞぉーーー」

「おーーーい、悪夢だぁーーーー」

「おっし、了解した、F、おまえ、S子ちゃんと婚約しろ」

「わっ!おじさん、ありがとう、うれしんだぞぉーー」

がーーん、勝手に婚約させられた・・・これが最恐の恐怖・・・・

え!これがオチ?いや違うから

さて冗談はここまで・・・・(婚約はマジでさせられた・・・S君、腹を抱えて笑いこけていた)

S子を私の家に泊めてから

S子の夢枕に人は立っていないということだ

やはり泊まらせて正解だった

1週間だった

S君が帰ってきた

やはりS子のことがすごく気になっていたらしい

夢枕に人は立っていなかったというとS君ほっとしたようだ

久しぶりにS君の部屋で雑談をした

例の21個の話になったときに

どうしてもわからないという結論になった

やはりS子を連れて寺へ行くべきだ、ということになった

10月の何週目かの土曜日に行かないと

11月にはF子が忙しくなり4人では

一緒に行けなくなる

時間的余裕もないが

タイミングを合わせてとりあえず10月の1週目の土曜日に行くことにした

まだいろいろと不思議な写真が出てきたようで

私とS君は思考をフルに考えてた

よくみるとすべてS子を中心にした不思議な写真なのだ

特にS子一人の場合は顕著にその現象が現れていた

「不思議というかS子の周囲に黒いモヤみたいな感じがまとわりついているよな」

とS君が切り出してきた

「たしかに薄いのやら、この写真は濃いよね」

「あ!そうそうSよちょっと聞いていいかな?」

「お!なんだ、改まって」

「この前の松坂牛な結局半分ほどS子に食べられた」

「え!・・・それはすまない・・食い意地張ってるよな」

「いや・・そうじゃなく・・うちの親父が少し疑問に思ったのはそんなに食べて太らないのか?と聞いてきたんだよ」

「たしかにS子ほぼ2人分は食べるけれどな、あいつが太ったところ見たことが無い、そういえばそうだ、ほぼあの体系を維持してるぞ」

「だよな・・・家へ晩飯をたまに食いに来るけれどほぼ2人分は食べてる。不思議としか思えない、

おふくろはきれいに食べてくれるのでさらにおかわりさせようとしてるしトンチンカン親父は

自分の分を上げようとしてるし・・・」

「・・・Fよ、これな、うちの家族の問題なんだが・・・うーーん、S子についてすこし話するけれど・・・S子いつも能天気なんだが月に3日間ほどその能天気さを披露しない日があるんだよ」

「え!、あのS子が・・・」

「うん・・・おまえ、S子といずれ結婚するから今話すけれどな、その3日間ってのがランダムで何月何日に発症するってことはないんだよ、月に3日間ほどだけ発現するんだ。その3日間、まじで怖いぞ・・・まずな・・・顔がマジ顔になる。「おっちーー」とは絶対に言わなくなる。ふざけた言葉などS子に振ったらすごい形相でにらみつけてくるんだ」

「え!----信じられん・・・まじかよ」

「これな、小学校上がってからどうも発症しはじめたらしいんだが・・・」

「あいつ夕食時の時に必ず2人分食べてた。ぜったいにこいつ太るぞ、と思ってたけど今まで太ったあいつを見たことが無い」

「おれもだ。いい体系をしてる。うちのF子もうらやましい、と言ってた」

「それと君らと知り合って一番驚いたのはあの超人見知りのF子がS子を見た時に何か懐かしそうな顔をしてたんだよ」

「あーー、あの時だな、広場で俺とF子と遊んでた。そこへ君らが来たんだよな、お互いにあいさつとかはしなくてただ相手を見て呆然と立ってた、そしたら後ろにいたF子がS子の方に向かって行って「遊ぼう」と言ったんだ。俺はびっくりした。あの超人見知りのF子が自分から進んでしゃべるなんで初めて見た。「おっちーー、遊ぶんだぞぉーー」ってS子が返事をしたときに俺ら我にかえったんだよな」

「そうそう、俺もびっくりした、今までS子に興味を持つ子はいなかったからな、それからだよな長い付き合いになったのは」

「そうだよ、まさかずーと仲良しとはね、まぁその理由が今だからこそわかったから、それまでは不思議としか思えなかった」

「S子、家へ帰ったときに両親に「今日、2人のお友達が出来たんだぞぉー」と嬉しそうに話してた。

両親も大喜びしてたな」

「そっかぁ・・・F子も「アニキ、S子ちゃんを見た時になぜか懐かしい感情が湧いてきたんだよ、はじめてあったのにね、あの「おっちーー」もさらに懐かしいという感情になった。

S子ちゃんと握手したときに絶対にこの子どこかで会ってると確信したんだ。それでいろいろと遊んでるとあの子の癖がひとつひとつわかるんだよ、次は必ずこういう行動するはずだ、とか次にこういうことをするかな、とかね、

今日遊び終わってから、あの子たちと別れたら絶対にいけないと本能なのかな、そういう感覚があったよ、私自身もびっくりしてる、なんであんな行動が出来たんだろうと、いつもはアニキの後ろに隠れて誰かが私を呼んでくれるかな、と待っているのが多かったけれどS子ちゃんを見てたら自然と動けた、と言っていたな」

「俺らもおまえらと別れたらいけない、という感覚はあった、特にS子はF子を見て脳裏に「おねえちゃん?」という言葉というか話声みたいなのが聞こえたんだそうだ、この2人なら絶対にお友達になってくれるはずだと確信したって言ってたな」

「オハル・オアキちゃん姉妹の絆はすごいし強い、あの境遇があったからこそお互いに助け合わないと生きていけれないと幼いなりにも感じてたんだと思う」

「うん、あの3日間で俺もそうおもった。いつもオアキ・オハル姉妹は一緒だった。特にオアキちゃんはオハルちゃんのことばかり気にしてたな、大事な妹だからかな。

タロウ兄ちゃんも下の子の面等の良さはすごかったな。どんなに忙しくても下の子たちの異変があれば即座に駆け付けたもんな、特にオハルちゃんが転んだ時にはすごい顔してきたからな。だからこそ下の子たち、タロウ兄ちゃんのいいつけは絶対に守ってたからな」

まぁ少し・・・昔を懐かしく思い出話になったけれど

S子の症状は・・・これはもしかしたらS子の体の中にもう一人誰かがいるんじゃないかと

この3日間だけ能天気のS子がまじめなS子になるという信じられないが事実のようだ

それもいつ発症するか分からないという

能天気なS子しか見たことが無いから信じられないというのが正直なところだ

S子がマジで怒った顔など一度も見たことが無い

ふと・・・そのS子にまとわりついてる黒いモヤ・・・どこかで見たような気がしてきた

あ!そっか・・・オアキちゃんだ・・・オアキちゃんの写真だ

古ぼけていてそれで黒いものが自然とついたんだと思っていた

「S、あの凛としたオアキちゃんの写真を見せてくれ」

「お!、どうした?美人のオアキちゃんが見たいのか?ちょっとまってな、あった、ほい」

「あーーやはりな・・・S、よくみてみろよ、オアキちゃんの周囲に薄くだけど黒いモヤがかかってるように見える」

「お!これは・・・確かに薄いけど・・・これって・・・オアキちゃんの死因におおいに関係がありそうだな」

「そう・・・オアキちゃん病気にかかってた、もしかしたらこの黒いモヤが原因かもな」

「ありえるな・・・やばいな・・・S子の体に憑りついてるもこいつかな」

「・・・はっきりとは言えないが大いにあり得る・・・これは早急にS子をお寺へ連れていかなくては」

しかし、やはりそれぞれのスケジュールがあわない

やはり10月の週初めの土曜日しかない

ところが・・・タイミングが良すぎるというか・・・・

S子の体の調子がよくないとSから聞いた

いまのところ薬で抑えてるという話だ

てっきり例の3日間の症状が現れたのか?と聞いてみたが

違うという返事

おそらく疲れからくる調子の悪さだと思う

9月もそろそろ終わり

来週の土曜日には必ず4人でお寺へ行かなくては

しかし・・・10月に入りS子の体の調子が治っていないという

これは困った・・・

黒いモヤがそうさせているのかと勘繰りしたが・・・

決心した、強引にでもS子を連れていくべきだと

もしもの時のためにS子ママも来てもらえるようにお願いをした

大事な娘の調子の悪さが一連の仕業かもということは理解してもらえた

電話で今までの経緯を住職に電話で話した

すぐにでも連れてきてほしい、と言われた

こっちの方もいろいろと準備はしておくということだ

住職から住職の奥さんに代わって

「こっちのほうはいつでも大歓迎だよ、それと・・・あなたたちに話をしなくちゃいけないことがあるし・・・本当は今すぐ来てほしいけれど・・・無理だわね・・・そっかぁ・・土曜日ね、はいはい、冷たい水ようかんを用意しておくよ」と

土曜日の朝、例のレンタカーで行くことになった

やはりS子の調子の悪さはすぐにわかった

とりあえず薬を飲ませて車に乗せた

S子ママも心配そうな顔をしてた

このエンジン音・・・まさか・・・出たぁ~~~トンチンカン親父の黒い車が猛スピードで走ってきた

「おい、F、これをもってけ、必ず役に立つ、それともしF子に何かあったら、テメェーを絶対に許さん、いいな!S子ちゃんとF子を絶対に守れ!」といいながら猛スピードで走っていった

「パパ・・・」

「あいかわらず・・・」とS子ママはあきれていた

こんなもん・・・マジで役に立つんかなぁ・・・というのが正直に思った

なにせトンチンカン親父がもってきたものだからな

荷物を車に載せた

あいかわらずS子の容態はよくない

高速は空いていた

これなら早めに着きそうだ

今までの1時間ほどで早く着いた

S子の容態が一層悪くなっていた

S子ママに付き添われて仏間へ

仏間には水ようかんが置いてあった

住職が少し慌ててやってきた

「おひさしぶりですな・・・あぁ・・・これは・・・・S子ちゃん、だいぶ気が弱ってる、

とりあえずこの薬草をお茶と一緒に飲ませてあげてくださいな」

と薬草をS子ママが受け取った

S子ママがS子に薬を飲ませた

しばらくたつと眠るように静かになった

「少し落ち着きましたな・・・S子ちゃん・・だいぶ気を取られていますな・・・

このままだと命にかかわりますなぁ・・・

こりゃ早めに・・・荒治療をしないといけませんわ

恐らく今夜あたり何かが出てきそうだわい・・・

それまでは皆さん少し休憩をしておいてくださいな

それとなるべく・・・ではなく・・必ずS子ちゃんだけは一人にさせないでほしいですわい

必ずだれでもいいからこの仏間にいてください

それと夜中にかけていろいろな現象も起きると思います

けれど惑わされないように必ず一人はS子ちゃんを見ててくだされ

いまのうちに仮眠を取れる方は取っておいてくだされ」

いつもの和尚ではなく仕事上の和尚の顔になっていた

とりあえずはS子ママを先に仮眠させることにした

それとF子もS子ママと同じ部屋で仮眠するように言っておいた

F子は明日撮影のために今夜遅く、トンチンカン親父が迎えに来る

今夜の分と明日の撮影に影響が出ないように寝かせることにした

午後4時になった

山に近いせいかだいぶ外はうす暗くなってきた

10月だとこの辺は日が落ちるのが早そうだ

今仏間にいるのはS君とS子と私の3人だけ

静かに時間だけが過ぎていく

午後6時になった

やはりもう完全に日は落ちて外は暗くなった

夕飯の準備が始まった

S子ママとF子はもう起きていた

夕食は午後7時ということなので

F子と和尚の2人を仏間に置いて

S君と私は別の部屋で仮眠をとることになった

しかし、私はなかなか寝付くことができずに30分で部屋を出て仏間に来た

今のところS子には異常はない

和尚は仏さまにお経をあげていた

F子はジィーとS子をみたりスマホを見たりして辺りの様子をうかがっているようだった

東の空には月が昇っていた

月の明かりで庭は一層幻想的な感じになっていた

本当にきれい

私は縁側に座って月と庭を見ていた

F子が隣に座った

「アニキ・・・S子ちゃん・・・大丈夫かな・・・車の中でもだいぶ苦しそうだったし・・・」

「わかってる・・・本当は連れてくるのはやめようかとおもった。でも・・・早急に和尚さんに見せて何か対応をしてもらわないと俺たちでは何もできない。

でも・・やはり連れてきて正解だった。来月からみんなそれぞれ忙しくなり4人が一緒に来れることはまず無理だから。今月もどうなるか分からないし・・・」

「うん・・・私も今夜遅く戻らないといけないし・・・私だけが抜けるのはちょっと・・・でも明日の仕事は大事だから・・・ごめん、アニキたち・・・どうにかしてS子ちゃんを助けてほしい・・」

「もちろんさ・・・俺たち4人はいつも一緒だよ。もう離れ離れにはさせないししたくない。

F子は気にせずに明日の撮影のことを考えていればいいよ」

「ありがとう、アニキ・・・いつもアニキたちに助けられてる・・・Sアニキにもだいぶ迷惑をかけてるし・・・私たち妹はアニキたちがいないと何もできない・・・でもなんとかお手伝いをしたい・・・」

「無理しなくてもいいよ、かわいい妹たちがいるだけで十分。いいかいF子、無理はしないこと」

「うん、わかった・・・自分が出来る範囲で手伝いをするね」

「そういうこと・・・S子も元気になったら「無理するな」と言っておく」

もうそろそろ午後7時になる

住職の奥さんが夕飯を持ってきた

S子ママもご飯を持ってきた

今日の夕飯はありきたりの食材だ

「ううう・・・お!おっちーー、いい匂いなんだぞぉーー」

うわぁ・・匂いにつられたのかS子が目を覚ました

「わあいーー、S子ちゃんが起きた」

「おっちーーF子ちゃん、いつもながら美人なんだぞぉーー」

「いやだぁーー、S子ちゃん、はやく私の隣に座ってね」

「おっちー、座るんだぞぉーー」

おそろしい・・・匂いにつられて目を覚ますとは・・・

大分顔色もよくなってる

まず「おっちー」が言えればとりあえずはOKだ

和尚と和尚の奥さんも座った

「おおお、S子ちゃん、起きたか・・・

顔色もよくなってるわい

さぁ・・・お食べなされ」

「おっちーー、食べるんだぞぉーー」

もう完全に治ってる

S子とF子のおしゃべりは尽きない

よくしゃべる

S君はこの前のことがあり撮影はやめてモクモクと食べていた

「今夜は絶対にS子に食べられないようにしなきゃ・・・この前は本当に油断した」

と私にボソボソと話した

「アニキ~~~聞こえたぞぉーーー、わたしそんなに食いしん坊じゃないぞぉーーー

オトメに向かって失礼なんだぞぉーー」

「ゲェ・・・聞こえていたか・・・地獄耳S子」

いつもながらの兄妹漫才がさく裂し夕食は盛り上がった

「わははは・・・これは面白い兄妹ですなぁ・・・久しぶりに腹の底から大笑いしましたわい

毎日女房と2人きりの食事ばかりで味気ないもんですわい

予約のお客さんがお泊りになりますが私たち夫婦は別の部屋で食事をしてますからな

こんな大勢で食事をするのは楽しみですわい

まぁ息子がいるときは賑やかでしたが・・・東京の大学へ行ってるもんですから

たまに帰ってきても家の手伝いをするわけでもなく家でゴロゴロと昼寝して東京へ帰っていくんですわい」

と和尚の話を全員静かに聞いていた

本当に大勢の食事はおいしい

特にS君兄妹がいるから余計に面白いし食事もおいしい

S子がもう2人分は食べていた・・・

やはり・・・

和尚もS子の2人分を食べたことに何かあると何やら考え事をしていた

「おっちーーー、おいしかったんだぞぉーー、今日はSアニキの分を食べそこなったのが悔しいけど

次回は必ず食べてあげるんだぞぉーー」

「おい!S子、いちいち宣言するな!」

全員大爆笑になった

夕食も終わりもう時間は8時を過ぎていた

外はもう真っ暗闇になっていた

近所に家が無いので生活音もなく静寂だけが支配していた

私たち4人は庭に出た

S君は撮影に夢中になっていた

月があたりを照らしているので幻想的な撮影ができる、とS君大喜びしていた

S子やF子をモデルにどんどん撮影していた

「アニキ~~、どう私~~いいモデルでしょ?」

「オェ~~、カメラがびっくりしてシャッターがおりない」

「こらぁ~~アニキ、ちゃんと綺麗に写してよ」

「オェ!手の震えがはじまった、あはははは」

「もうぅ~~、馬鹿アニキ!!!」

「Sアニキ!私を写してよ!!!」

「OKOK、もうちょっと右だな、よっし、OK]

「ちょっとーー、アニキ!F子ちゃんだと妙にマジに写してるじゃん」

「気のせいだよ、S子!S子もちゃんと写してるから」

「本当かな~~怪しんだぞぉーー」

庭で大騒ぎをしていた

仏間から

「あなたたち、いい加減にしてお部屋は戻りなさい」とS子ママが呼んでいた

素直に仏間に戻った

部屋へ戻り4人は座った

庭で写した写真をみんなで見た

「うわl!アニキ・・・なにこれ!ボケボケじゃん、下手くそ!!」

「あれ~~、ちゃんと写したんだけどな」

「もう!F子ちゃんのはきれいに写ってるじゃん」

「あはははは・・・やはり、カメラがびっくりしてたんだよ、S子」

「うそつきーーー、アニキ、本当に3位に入賞したの?怪しいんだぞぉーー」

「それは間違いなく入賞をした、証人はF子だ」

「え!Sアニキこっちへ振らないでよ!、S子ちゃん、たしかにSアニキは入賞したよ、でもね・・・

S子ちゃん、入賞をしたのはSアニキの腕じゃないのよ・・・ね!Sアニキ!」

「ゲッ!、振り返してきた・・・あははははは・・・ガクン・・・俺の腕じゃないと審査の人から言われた・・・」

「おっちーーー、ギャハハハハ、やはりね、アニキの腕じゃ・・・無理だなと思ってたもん・・・

こんなボケボケを写してる人が入賞などできるわけがないんだぞぉーーー、

モデルがF子ちゃんだからこそ入賞できたんだぞぉーー、アニキ、ちゃんとF子ちゃんにお礼を言わなきゃダメなんだぞぉーー」

「・・・・S子に言われた俺って・・・ショック!!!」

「アニキ!私がモデルになってあげるからもっと練習しないといけないんだぞぉーー」

「うわぁーーー!!!、S子がモデル・・・オェッ!、もう立ち上がれない・・・」

ワイワイガヤガヤと仏間は笑いとおしゃべりで賑やかだった

「あれ・・・今玄関で声がしたような気がしたけど・・・」

「ちょっと玄関へ行ってきますね」

と住職の奥さんは玄関へ行った

「ぎゃーーー!!!」

と住職の奥さんの悲鳴

私たちはあわてて玄関へ行った

「わぁ!・・・・おじさんだぁ!!、おじさん、かっこいい、きまってるぅ!」とS子が煽り立てた

「お!よっ!S子ちゃん!!、元気になったようだな、どうだ?おじさん、かっこういいだろ?」

「おっちーーー!!かっこいいんだぞぉーー、サングラスが似合ってるんだぞぉーー」

・・・トンチンカン親父がF子を迎えに来た・・・・

「よっしーー、F子帰るぞーー」

「うん・・・ごめんね、みんな、明日私朝早くに撮影があってもう帰らないといけないんだ・・・

「え!・・・F子もう帰るの?聞いてないよ」とS君はびっくりした顔で言った

「あれ・・アニキから聞いてないの?アニキ!ちゃんとSアニキに言わないとダメじゃん」

「おっし、F、テメェ!F子のいいつけを守らなかったな、家に帰ったらしばくからな、まっとれや、F子、帰ろう」

「S子ちゃん、投げキッス上げるぞ、受け取れ」

親父がS子に投げキッスをした

「きゃぁーー、おじさんが私に投げキッスしてくれた!!うれしんだぞぉーー」

F子は親父の腕を組んで仲良く車に乗ってさっさと出て行った

「いいなぁ・・・F子ちゃん・・・うらやましいな・・・おじさんと腕を組んでみたいんだぞぉーー」

「おい!S子!やめておけ、S子のイメージが悪くなるぞ」と私はS子に注意をした

S君は複雑な顔をしていた

相手がトンチンカン親父だから引き留めるわけにもいかないだろ

本当は引き留めたかったに違いないけどね

「あぁ・・・びっくりしたわ・・・出て行ったらサングラスでソリが入ってる人が立ってた。てっきりお父さんの借金取りが来たと思ったわ」

「おいおい、わしは・・・パチンコ好きだが・・借金は・・・あるかな・・・」

「おとうさん!!!あとでお部屋で相談しましょうね」

「あははははは・・・」

「ところで今の人はF子ちゃんの彼氏ですかな・・・なんか・・・

ヤバ系の人みたいだったようですけれど・・・大丈夫なんですか?

一度F子ちゃんの両親にお話をしてあげたほうがいいのでは?

F子ちゃん、モデルさんでしょ?仕事に影響が出ると思うんですか?

いや・・・別れさせた方がいいのでは?」

和尚・・・両親に話したところで・・・解決はしないよ・・・

「はぁ・・・和尚の言う通りかもしれませんが・・・」

「え?まぁ・・・あの顔と格好ですからな、言いにくいでしょうな・・・」

S子ママとS子は下を向いたまま仏間へ戻っていった

S君も下を向いたまま

とりあえず仏間へ戻った

「しかし・・・今さっきの人は失礼な人ですな・・・いきなり来て挨拶も無しで

F子ちゃんをさらっていくような勢いでしたな、というかさらっていきましたが」

S子ママ・S子・S君・・・ずーーと下を向いたまま

あの能天気S子が口を開けずに下を向いたままとは意外だった

「あれ・・・皆さん、どうして下を向いたままなんです・・

まぁ・・ビビってるのはわかりますな

あの顔なら仕方ないですな

でもF子ちゃん、ちゃんと相手をみないといけませんわな

あんなチャラチャラした男はロクなもんじゃないですな

仕事もせずにF子ちゃんのヒモじゃないんですか

F子ちゃん絶対に騙されてると思うんですわい」

よくしゃべるな和尚さん・・・みんながおもってることをよくもズケズケと・・・

「わたし、こうみえても柔道5段なんですわい

喧嘩は負けたことはないですわい」

和尚さん・・・うちのおやじも喧嘩は強い・・ただ一人を除いては・・・

「F君も兄としてF子ちゃんに注意をした方がいいですわい

見ました?F子ちゃんのあのうれしそうな顔をね

チャラチャラ男、美人のF子ちゃんを騙して得意気になってるんでしょうな

それともF子ちゃんは大人しいから脅かされてるんだと思いますわい

わたし、こういう仕事柄、知り合いの刑事さんを知ってますわい」

私たちは恥ずかしいのと和尚が私たちの思ってることを代弁してくれているのとが

入り混じってますます言いにくいというか・・正直に言うタイミングが取れない

和尚さんはしゃべり続けた

「あれ?皆さん、だれひとりおしゃべりしないんですな

そんなにあの人が怖いんですかな

困ったもんですな」

住職の奥さんは私たちの態度を見てうすうす分かってきた様子

「おとうさん・・・」

「なんだ!今わしが話をしてる最中だぞ」

「おとうさん!!」

「あのぉ・・・和尚さん・・・ちょっといいにくいのですがぁ・・・」

「お!F君、やっとしゃべる気分になりましたかな」

「いや・・・そのぉ・・・サングラスは・・・」

「あんなチャラチャラ男は一度私がF子ちゃんと別れるようにわしが説教してあげましょう・・・」

「お父さん!!!!」

「和尚さん・・・あれ、僕の父です・・・・」

「はい?え!・・・・F君のお父様ですか・・・ということはF子ちゃんのお父様でもある・・・」

「お父さん!!!!、もう!おしゃべりはやめてF君の話を聞きなさいよ」

「和尚さん・・・私たちが思ってることをスバズバとお話しして頂いてありがたいのですが・・・

あれでも僕の父親でもありF子の父親でもあります

喧嘩は中高校生の時に暴走族に入っていて喧嘩は一度も負けたことありません

警察沙汰も多数ですし知り合いの警官を僕は知っています

唯一喧嘩で負けた相手がいます」

「はい・・・負けたお相手は誰です?」

「はい、僕の母です

高校生の時に母にピンタ3発食らってそのまま母の支配下にあります

たしかにチャラチャラしてます

ガキそのものです

F子と別れさせようにも・・・相手が・・・親父では無理です・・・」

和尚、もう顔が真っ赤か・・・・

住職の奥さんも・・・目の焦点があっていない

あれだけズケズケとしゃべったのだから・・・

「あ・・あ・・・お父様ですかぁ・・・・そのぉ・・・」

能天気S子が

「和尚様・・・みんなが思ってることよく言ってくれたんだぞぉーーー」

「これ!S子!!!将来、義理父になる人ですよ!!!」

とS子ママもう怒り顔

S君ますます下を向いたまま

「あはははは、でもオジサン優しいんだぞぉ、この前、道を歩いていたら

黒い車が近づいてきて

「S子ちゃん!おひさ!お茶しない?」と誘ってきたんだぞぉーー

おじさんの車超かっこいいんだ

隣に乗っておしゃべりしながら

色々なお店で洋服とかカバンとか買ってもらったんだぞぉーー」

おい・・・それはナンパだ

それに買った分・・・俺のところに必ず回収しに来る・・・

この前もF子の分、請求された・・・

「おい・・・S子!、今後、親父からの誘いはすべて断ってくれ

S子の買った服とかカバンとか・・・

おれのところに必ず請求が来る

たがりにくるんだよ

この前もF子の買った分、請求された・・・」

「おっちーー!わかったぞぉーー、アニキ!、たがられてるんだぞぉーー、

あはははは」

あははは、じゃない

笑いことではない

こっちは生活がかかってる

能天気S子の一声で

和尚、立ち直った

「まぁ・・・そのぉ・・・本当にべらべらと・・・恥ずかしい限りですわい

F君、申し訳ない・・・この通り勘弁を」

と和尚は私に頭を下げた

「私は・・いいのですけれどね・・・みんながおもってることを

単に和尚さまが代弁してくれただけですから」と和尚さまに一応ねぎらいの言葉として

返事をした

「おっちーーー!和尚様が代弁してくれたんだぞぉーー

おじさん、チャラチャラだぞぉーーー

見た目、ヤクザそのもだぞぉーー」

ついにS子ママが怒り頂点になった

「S子!!!もうおしゃべりはしない!!

S子!!なにがチャラチャラですかぁ

仮にもF君の父親ですよ

そして将来義理の父親になる方です

なにがヤクザですか!

ちゃんとした仕事をしてますよ、S子!

F君に謝りなさい」

眉間にしわを寄せてすごい形相でS子をしかりつけた

「アニキ!!

ごめんよぉ・・・言い過ぎだぞぉ・・・ごめんよぉ・・・」

と頭をうなだれて謝った

私は直感的にこれはやばいとおもった

その瞬間にS子が倒れた

「S子!」

とS子ママも動転した

「これはあかんですわい・・・早く布団に寝かせてあげてくだされ

いよいよ・・・ですな・・・・」

「私が強く叱ったばかりに・・・」

「いやおばさん、違うよ、S子の中にいる得体のしれない奴が動き出したみたい」

「え!・・・得体の知れないもの?」

「ええ、そうです・・おばさん、S子の手を強く握っててください」

和尚はすかさずモンジを切った

S子の背中を2、3回強く叩いた

そして、S子に向かってお経を唱え始めた

すると・・・S子の容態がますます悪化した

物の怪がS子の体内を暴れているに違いない

和尚と物の怪のバトル

S子の腕や足に黒く痣みたいなものが消えたり現れたりしていた

私はS君に写真をどんどん撮るように指示した

S子の体が波打つように激しく和尚のお経に反応していた

仏間の電灯が消えたり点いたりと霊現象が頻発し

ラップ音も激しく鳴っていた

「これは・・・」

と和尚は何か言い出しかけた

「すまないが、F君、お狐様を呼び出すことができるかな」

「え!、お狐様ですかぁ・・・呼び出す方法を僕は知りません

いつもお狐様の方から話しかけてくるんです

どうしよう・・・」

お経の声がどんどん大きくなってきた

すると山の頂上にある神社から一つの光る玉がこちらにものすごい勢いで下ってきた

「オハルーーー、タロウ兄ちゃんがたすけてやるからなーー」

と声が聞こえてきた

S子の口が開いて

「オハル・・・体の中が熱いよーー、痛いよーーー、タロウ兄ちゃん、タスケテ~~」

と小さな声が聞こえた

「ええ!オハルちゃんなの・・・」とS子ママは驚いた

「どうやら・・・お狐様が助っ人を呼んでくれたようだ・・・」

と和尚はそう言った

すると光の玉はS子の口から入っていった

ますますS子の体が波打つようになった

和尚も大きな声でお経を唱えていた

「いよいよ・・物の怪が・・・」と言ったとたんに

S子の波打ちが止まった

「いよいよ・・・最終戦だ・・・物の怪が出てくるぞぉ」

と和尚は怒鳴った

するとS子の口から黒い塊が出てきた

そのあとに光る玉が出てきた

黒い塊は宙を舞い仏間から出て行った

光る玉も黒い塊を追いかけるように出て行った

その黒い塊は山の頂上にある神社へ吸い込まれて行った

光る玉も同じく吸い込まれて行った

すかさず住職の奥さんが仏間の部屋にあら塩を撒いた

四隅にもあら塩を置いた

全てが静寂になった

時間は夜中の午前3時過ぎ・・・

「まだ・・・この仏間から出ないでほしい

お日様が出てくるまではな」

そう和尚は言って仏さまにお経を唱えていた

S子ママが気絶をしていた

もろに黒い塊を見たのだろうか・・・

住職の奥さんとS君がS子ママを布団まで寝かせた

S子も苦しみから解放されたのか眠っていた

私はお狐様に「ありがとう」とお礼を言った

徐々にあたりが明るくなってきた

雀がチュンチュンと鳴き始めた

お日様が出てきたようだ

「よし!S子ちゃんをお風呂場へ、S子ちゃんのママさんを起こしてくれ」といい

住職の奥さんがS子ママを起こした

「あ・・・私・・・気絶していたみたい・・・S子は?」

「奥さん、大丈夫、とりあえずS子ちゃんをお風呂場へそしてお風呂へ入れてあげてください。うちの家内と一緒にお願いします」とS子ママに頼んでいた

2人でS子を抱えてお風呂場へ行った

「ふぅーー、手ごわかったですわい・・・」

「和尚さん、これでS子は元気になりますよね?」と私は和尚に尋ねた

「いや・・・・F君・・・まだ・・・なにかしらひっかかるんですわい

どうもオハルちゃんになにかあったようですわい・・・」

「え!・・・オハルちゃん?でも・・・オハルちゃん一家は天国にいるんでしょ?」

「もちろん「オハルちゃん一家」は天国ですわい

その別のオハルちゃん・・・どう説明していいやら

どうも・・・わしもよくわからんのですわい

両親と兄たちと死別した後の・・・オハルちゃんかな・・・

仏さまから「オハルを助けてやれ」と頭に響いたんですわい

でも・・・もう今は平成の時代・・・オハルおばあさまは90歳で亡くなってるし・・・

どう解釈したらよいのやら・・・」

私も意味がわからない

どう解釈したらいいのか・・・

「まぁ・・・とりあえずは当分はS子ちゃんも元気でしょう・・・

でも・・・真の原因を見つけないと・・また・・・憑りつかれそうですわい

ポイントはオハルちゃんなんですわい

どうやってオハルちゃんを助ければいいのやら全然わからんですわい」

沈黙が続いた

お風呂場からS子が戻ってきた

「おっちーー、疲れたんだぞぉーー」

「起きたらお風呂場だった、ママやおばさんがわたしを介抱してくれてた」

といいながら私の横に座った

S子ママと住職の奥さんもお風呂場から戻ってきた

「S子ちゃん。とりあえずこの薬を飲んでおくれ」と和尚から薬をもらった

もう朝だ

とりあえずその場は収まった

だが・・・

まだS子の中に得体のしれない物の怪が潜んでいるらしい

一体どんな化け物だろうか

全員1時間ほど休憩をした

特に和尚は疲労感がすごい

住職の奥さんも疲れているだろう

今のうちに休憩をしてもらおう

「和尚さんと奥さんは今のうちに寝た方がいいと思います

いつ、また、どんな状況に陥るか分かりませんので」

「まぁ・・今日は恐らく物の怪も暴れたりはしないだろう思うが

正直疲れもうしたわい

家内と少しばかり寝てきますわい」

和尚と奥さんは奥の部屋は行った

さてこれからどうするかだ

S子の中から物の怪が出てきた以上

本格的に除霊をしていかないとS子の命が危ない

だが・・・その原因たる「オハルちゃんを救え」という意味がわからない

もうオハルちゃん達は天国にいる

オハルおばあちゃんは90歳で死んでいる

どう考えても救いようがない

そういえばお狐様はどうしているんだろうか

あれから全然声を聞かない

私たちも疲れた

少し眠ろう

「おい、○○さんや(オハルちゃんの父親の名前)、起きてるか?」

「返事がないね・・・」

「おや、戸が開いてるね」

「勝手に入るよ・・・・おい!大変だ、倒れてるぞ」

「おおおこりゃあかん、奥さんはどうだ?・・・息がしてない・・」

「おい、こどもたちはどうだ?・・・2人の男の子はもう息してない・・・」

「女の子たちは・・・おおお・・まだ息があるぞ・・・」

「よぉし・・・女の子たちを起こしてくれ・・・だいぶ弱ってるな・・・

「お寺へ運べ・・・早く・・・」

「和尚ーーー、大変だぁーー○○さんのところ、旦那や奥さん、2人の男の子が亡くなってるぞ」

「それと女の子2人も危ないーー」

「こりゃあかん・・・すぐにお湯を沸かせ!!!」

「それとお水をたくさん持ってこい」

「こりゃ・・・今夜が峠だな・・・」

「この状態だと何も食べてないな・・・かわいそうに・・・」

「おおお、2人とも気づいたようじゃ・・・」

「トトカカ様は?・・・」

「いや・・・そのなぁ・・・」

「おにいちゃんたちは?・・・」

「いや・・・・」

「あかん・・・また気を失ったぞ」

「はやくお風呂に入れないと・・・」

「よぉしーー、住職の奥さんや、この子たちをお風呂へ入れてあげてくれ」

「体を温めてやれ」

「お水を少し飲ませてな」

・・・なんだ・・・夢か・・・・

オハルちゃん!?

オハルちゃん達が危ない・・・

まさか・・・このことか・・・

「おい!F、今オハルちゃん達の夢を見た

2人とも危ない」

「え!・・・俺もオハルちゃんたちの夢を見た

確かにオハル・オアキちゃんたち息も絶え絶えだった」

「村の人たちが2人をここのお寺へ運んでいた」

「そう、ここのお寺だ・・・でも・・・夢の中じゃ助けようがない」

「たしかに・・・どうしたらいいんだよ」

「オハルおばあちゃんーーー息をして~~おっちーーオアキちゃんもぉーー」

S子が夢を見ているのだろうか?

うなされている

私はS子をゆさぶって起こした

「大丈夫か?S子?」

「え!・・・オハルちゃん達はどこ?ここのお寺のどこかにいるんだよ、アニキ!!」

「おちつけ!夢だよ夢。俺ら3人同時に同じ夢を見たんだよ」

「偶然じゃないな・・・仏様のお導きかな・・・」

「だな・・・あの様子からだとオハルちゃん達、両親とタロウ兄ちゃん・ジロウ兄ちゃんの死別後の様子を見せられたんだと思う。でも夢の中でどうやって助けることができるんだよ」

「おっちーーー、オハルちゃん達今にも死にそうだったぞぉーー、たすけてやろうよ、アニキたち」

「助けたいさ、でもどうやって夢の中だぞ、どうすれば・・・」

「おやおや騒がしいですな」

和尚が起きてきた

「なに!オハルちゃん達の夢を3人が同時に見たとな

これは間違いなく仏さまがみせたんじゃろ

しかし・・・夢の中では助けようがありませんわな

困りましたな・・・」

「やはり・・お狐様のお力を借りないと無理かも・・・

時空間を止めてもらわないとね

オアキちゃん親子に頼むしかない・・・」

「だな・・・でもどうやって呼び出すんだよ?」

「・・・うん?待てよ・・・お狐様たちの声が聞こえる前につむじ風が吹いたよな

稲荷神社へ行けばあえるかも・・・」

「おおそうかも・・・よっし・・・準備をして山の頂上の稲荷神社へ行こう」

山へ行く準備をした

「これをおもちなされ・・・水ようかんの詰め合わせですわい、それとこれは薬ですわい

時空間とやらがうまく止まれば・・・助かるかもしれませんな

わしは仏さまにオアキ・オハルちゃん達の無事を題目をして待ってますわい」

私たちは急いで準備をした

果たしてお狐様が現れてくれるかどうか・・・

ここで心配をしていても仕方ないので

神社へ向かうことにした

その前に・・・オハルちゃん一家のお墓にお参りをした

「どうか・・・夢の中のオハルちゃん達が元気になれるように天国から見守ってください」

((おっちーー、大きなお兄ちゃんたち・・・気づいてくれてありがとう・・・

オハル達は事の成り行きを知っているけれど・・・大丈夫だよ・・・

きっとうまくいくからね

ただ・・・大きなお姉ちゃんの体の中にいる邪悪なものが運命を変えるかもしれない

でも・・・仏様・お狐様・和尚様がついているから))

「え!いま・・・オハルちゃんの声がした気がするけど・・・」

「聞こえた」

「聞こえたよ」

「天国からの声だ・・・オハルちゃん達が応援してくれる、きっとうまくいくさ」

「S子に憑りついてる物の怪が動き出す前になんとかしよう」

私たちは休憩なしに一気に頂上へ着いた

「おっちーーー、お狐様ーーー、返事をしてーー声を聞かせてほしんだぞぉーー」

しばらく声が聞こえるのを待った

だが・・・聞こえなかった

「お狐様、声を聞かせてくださいーー」

反応が無い

つむじ風が吹かない

1時間待った

反応が無い・・・

「そんな・・・どうして?」

「わからない・・・」

「おっちーーー、なんで?」

2時間待った

反応なし

もうお昼ごろになりそうだ

何の反応もない・・・

どういうことだ?

とりあえず私たちは下山することにした

お寺へ戻った

「おや・・・あれ・・・うまくいかなかったんですかな」

「ええ・・・お狐様を呼んだんですけれど返事が無いんです」

「んん・・・どういうことでしょうかな・・・なにか忘れ物があるんではないですかな」

「忘れ物?・・・ないとおもうけれど」

「おっちーーー、ちょいまち・・・和尚様・・・夢の中でオハルちゃん達、どこかの部屋へ運ばれたのを見たけれど・・・私の記憶ではここのお寺にそのお部屋がなかった・・・もしかして・・・

改築とかした?」

「は!・・・あるいは・・・そうかもしれませんな・・・今はそのお部屋が無くなったかも・・・」

「でも・・・お部屋が無くなった部屋で・・なにかオハルちゃん達に関係するものを倉庫にないですか?」

「倉庫・・・家内がなにかしってるかもしれませんわな、家内を呼んできますわい」

といいながら住職の奥さんを呼びに行った

「おやおや・・・倉庫ねぇ・・・あったかしら・・ちょっと見てきますね」

といいながら倉庫へ行ってしまった

「忘れ物・・・見当がつかない」

「そういう類が無いとお狐様の声が聞こえないのかな?」

「わからない」

「これかしらね・・・ほら例の箱があったでしょ、その箱を持ってきたけれど

私は見当がつかないから皆さんで探してください」と例の箱を渡された

オアキ・オハルちゃんたちに関する資料

結構な数がある

ひとつひとつ調べたけれど・・・これっというものがないようにおもえた

それにしてもオアキちゃんの写真が多い

写真?

あれ・・オハルちゃんの写真が一枚もない、なぜ?

それに・・明治時代でカメラを持てる人たちは金持ちだと思うけど・・・

オアキちゃんを写した人は誰なんだ?

・・・

この写し方・・・癖があるな・・・写真が古くて傷もあるけど・・・

どうも箱の中には無さそうだ

困ったぞ・・・

夢の中の情景を思い出そうとするとなぜか全体がぼやけた情景になる

これは3人とも同じだ

「うむ・・・もしかしたら・・・昼間だと無理なのかもしれませんわな

確信はないのですが

夜中にもう1度神社へ行ってみてはどうですか?

といっても・・・明日皆さんそれぞれ仕事がありますわいな・・・

困りましたな」

「はい・・・どうしましょう」

「まぁ・・・一応・・・S子ちゃんの中の物の怪は今すぐ暴れだすということはないと思いますわい

今度の土曜日にまた来ることはできますかな?」

「恐らくいいとは思います・・・ただ・・・F子のスケジュール次第ですね」

「F子ちゃん・・・そうですなぁ・・・

そういえば・・・オアキちゃんとF子ちゃん、瓜二つですな・・・

どちらも美人ですわい

たしかにトンチンカン親父・・あ!いや失礼・・・お父様がファン第1号になったのがよくわかりますわい、あははははは」

「・・・・瓜二つ・・・あ!もしかしたら・・・わかった!狐様が出てくるときは必ず私たち4人が一緒の時だ!今日はF子がいないから声が聞こえなかったんだよ」

「おおお!そうかもしれませんわな・・・

来週はF子ちゃん仕事なしできてもらいたいですわな」

「つまりキーワードはF子なんだ」

「てっきりS子を中心にして現象が起きていると思ってた

夜中にF子がいないから物の怪が出てきたんだよ

もしF子がいれば何かしらの封じが効いて出てくることもなかったはず

そうだったのか・・・」

「おっちーー、わたしF子ちゃんがいないと不安で不安で仕方ない

やはり傍にF子ちゃんがいないと私はダメみたい」

大体のことがわかりかけてきた

今日はとりあえず帰ることにした

「とりあえずはこちらもオアキ・オハルちゃんに関するものが出てきたら

整理しておきますわい」

私はすぐにF子に来週の仕事を絶対に入れるな、と言っておいた

今までの経緯をすべて話した

「わかった、アニキ

事務所にも仕事を入れないでほしいと頼んでおくね

私もてっきりS子ちゃんが中心かと思ってた

そっかぁ・・・私が中心なんだ

確かにすべて辻褄があうね

しかし・・・なんでオハルちゃんの写真が無いんだろう

あるといえばあの3日間のSアニキが写した写真だけ

とりあえず来週の土曜日にもう1度お寺へ行くことになった

今度こそお狐様を呼び出してオハルちゃん達を救わなければいけない

そしてS子の中にいる物の怪もどうにかしないとね

あとはS子の体調が良ければいいのだが・・・

1週間が過ぎた

何事もなく過ぎた

さていよいよ土曜日

またS子ママも同行をお願いした

そしていつもの如く高速を走り無事にお寺へ着いた

和尚が出迎えてくれた

「ようこそみなさん

あれから倉庫をいろいろと漁ったんですが・・・

めぼしいものがでてこなったですわい

オハルちゃんの写真が一枚でも出てくるんじゃないかと期待したのですが・・・

オアキちゃんの写真しかないというのも不思議と言えば不思議なんですが・・・

でもあの時代・・・カメラを持つこと自体珍しいので

もしかしたらカメラの持ち主はオアキちゃん目当てに写していたのかもしれませんな」

「かもしれない・・・今みたいな誰でも持てる時代じゃなかったし・・・」

「今日はとりあえずお狐様の返事が狙いですから」

「夜中に神社へ行きます

それまではそれぞれ準備と仮眠を取ります」

「そうですか

夕食の準備をしますね」

今日もS子の体の中にいる物の怪が動き出す予感がする

F子もその予感がすると言っていた

お狐様の返事が無ければどうなるんだろう

不安ばかりが膨らむ

オハルちゃん達の両親と兄たちの死別後の人生はおおよそ聞いている

親戚中をたらいまわされた

オハル・オアキちゃん達は親戚中の厄介者だった

それをお狐様が当時の和尚に命令をして養女とした

というかはじめからお寺で預かってれば・・・こんなむごい人生は無かったはずだ

だが・・・運命は変えられない

運命とは何だ?

誰が決めたのだ?

運命は演劇と同じで終わるまで決まっているのか?

どうして私たち4人がこうも振り回されているのだ?

これもすべて運命なのか?

仏教の世界の輪廻転生って・・・何回も同じことを繰り返すことになるのだろうか・・・

外もだいぶ暗くなってきた

今夜は月が出ていない

庭のライトだけがぼんやりと庭を照らしていた

それでも庭園はほんのりと妖しい雰囲気を醸し出していた

夕食を終え

しばらく休憩をしていた

10月ともなるとやはり夜は肌寒い

寒さ対策もしないといけない

神社へ行く準備を始めた

S子ママには仏間から私たちの行動を見ていてもらうことにした

もし何かしらの異常があれば和尚さんを呼んでもらう手はずにした

仏間からほぼ神社が良く見える

神社の明かりが余計になにかしら起きる予兆を醸し出している

まじでお狐様の反応が欲しい

和尚から4人分のお守りをもらった

そうあの3日間の時のお守りと同じ

本当にオアキ・オハルちゃん達の物覚えの早さには驚いた

素直な心が何事も覚えようとするのだろうか

今みたいに日教組や共産党が支配している義務教育は

人を蹴落とすことをおしえてYESマンを作るための教育だ

だから不良や犯罪者が出てくるのだ

余計なおしゃべりをしてしまった・・・・

さて・・・もうそろそろ夜の11時

神社へ行く時間になった

寒さ対策もOK

さて行こう

順調に頂上までついた

下を見ると仏間にS子ママが心配そうな顔で見ていた

「おっちーー、今日は4人そろったんだぞぉーーお狐様~~、返事をしてほしいんだぞぉ~~」

とS子が叫んだ

シーーンと静寂な時間だけが過ぎていった・・・

「え!どうして?返事が無いんだよ」

「なんで・・・・返事が無いの」

「まさか・・・お狐様にも異変が起きてるんじゃないの?」

「・・・まさか・・・」

「なにかおかしいよな」

「あっちの世界でも何か起きてるんじゃない?」

「ううう・・・まさか・・・ね」

1時間ほど神社にいたが静寂だけが支配していた

「そんな・・・今日は4人揃ったんだよ」とF子がつぶやいた

もうここにいても何も起きないと思った

とりあえず下山した

「どうでしたか?

お狐様からなにか返事をもらいましたかな」

「和尚様・・・返事が無いんです・・・

どうもなにかおかしい

もしかしてあっちの世界で異変が起きてるんじゃないですか?」

「え!返事が無かった・・・・

まさかね・・・あっちの世界といっても仏さまや成仏された方の世界ですわい

まさか・・・お狐様を封じ込めるほどの悪い物の怪が暴れているんでしょうかな

だから呼んでも返事がないのでは・・・」

「お狐様を封じ込めるほどの力を持っているとしたら

私たちでは何もできない

あっちの世界へいけれないからな」

「ですな・・・でも・・・うーーん・・・何か手段があるはずだ・・・」

和尚は考え込んでしまった・・・

もう手も足も出ない

八方塞がり

あ!トンチンカン親父がくれた訳の分からないお守り・・・まさかね・・・

「和尚さん・・・これ・・・トンチンカン親父にもらったんですけど・・」

「おお、父上様から・・・どれどれ・・・・こ、これは・・・」

和尚はお守りの中身を確かめていた

「やっと・・・パーツが揃いましたぞ、なるほど・・・父上様・・やはり・・・

なにもかもお見通しですな・・・人は見かけに惑わされたらダメですな

S子ちゃんやF子ちゃんをまもりたい一心ですな」

私は和尚さんからお守りの中身をみせてもらった

意外なものが入っていた・・・

「こ、これって・・・・オハルちゃんだ・・・オハルちゃんの写真だ

えーーと、裏に何か書いていないかな・・・書いてあった

「オハル18歳」

オハルちゃん18歳の時の写真だ

オハルちゃん・・・え!S子にそっくり・・・いや・・・この体つきは・・S子そのもの」

「おっちーーー、アニキ、見せておくれ

私だぁーー、いや・・オハルおばあちゃまだ

かわいい!!!かわいすぎる!!!

この体の細さ

私の体の細さと同じだ

おばあちゃま・・・」

「どれどれ!!!ゲッ!S子

そっくりすぎるというか双子みたいだ

オハルちゃん、マジでかわいい」

「私にも見せて・・・え!S子ちゃん・・・

オハルちゃんなのね

なんでかわいいの

この体の細さ・・・うらやましい」

もう仰天

なんでトンチンカン親父が持ってたんだ

私は親父に電話した

「親父よ、このお守りの写真、どうしたんだよ?」

「お!中身を見たのか!びっくりしたろ・・S子ちゃんだよ」

「いや、おやじ、写真の裏をちゃんと見たか?」

「いや・・・見てないぜ、S子ちゃんだろ?」

「おいおい、おやじ・・・これはな・・・オハルちゃんと言って

S君のご先祖様だよ」

「ええ!うそやろ、S子ちゃんと瓜二つじゃねーかよ」

「ところでなんでオハルちゃんの写真を持ってるんだよ?」

「あ、これな・・・あははっはは

車でドライブしてたんだよ、そしたら・・・S子ちゃんの歩き方そっくりのねーちゃんが

歩いてたんだよ、てっきりS子ちゃんだと思って声をかけたんだ

そしたら違ってた

「私は・・オ・・ルというもの・・・いま・・・私たちの世界・・・大変なことになっています

・・・たすけて・・・」

なんか・・・訳の分からんこと言ってたな

顔はなんか・・ほら・・頭巾みたいなもので・・・隠してて見えなかった

そしたらそのねーちゃんがお守りをくれたんだよ

「このお守り・・・将来きっと・・・役に・・・」

「それよりもねーちゃん、横へ乗りなよ」とちょっと助手席を見てる間にいなくなってた

なんか根暗な感じだったな

S子ちゃんじゃなかったからまーいいかって感じで家に帰ったんだよ」

おいおい・・・・おやじ・・・・おふくろにばれたら殺されるぞ

一体誰だろ

このトンチンカン親父の話だけではよく分からん

和尚さんにトンチンカン親父の話を聞かせた

「父上様は・・・やはり見た目通りですわい

これでおそらくお狐様も返事を下さると思いますわい

もう神社へ行く必要はないと思いますわい

仏間でお狐様を呼びましょう」

といいながら

なにやらお経をあげていた

「やはりですな・・・

お狐様・・・強い呪縛にしばられて身動きが出来ない状態ですわい

ではオアキ・オハルちゃん達の写真を仏さまに預けましょう」

といいながらオアキ・オハルちゃん達の写真を仏さまの前に置いた

またお経をあげていた

30分ほどお経をあげていた

「おおおお!お狐様・・・やっと自由に動けるようになりましたわい

さぁ・・お狐様をおよびください」

「おっちーーー、お狐様・・・返事してほしいんだぞぉーーー」

庭に一風が吹いてつむじになった

<<ありがとう・・・・どうにか身動きができるようになりました

オハル・・・ありがとう・・・さすが我が妹だわ

いままで返事が出来なくてごめんなさい

私たち親子を封じ込めS子ちゃんを苦しめた張本人を今から追い出すわね>>

やったーーお狐様から返事が来た

やはり縛られていた

オハルちゃん・・・そっか、わかった

トンチンカン親父のナンパした相手はオハルちゃんだ

オアキねえちゃんを助けたいがために・・・・

なんという姉妹愛

というか・・なんでオハルちゃんはトンチンカン親父に渡したんだろ

<<S子ちゃん、聞こえるかな?

今からあなたの中にいる物の怪を追い出すからね

今までよく耐えてきたわね

それじゃ、追い出すからね>>

「おっちーーー、お狐様きこえたぞぉーー

私の中にいる物の怪を追い出してほしいんだぞぉーー」

S子が突然倒れた

S子の体が揺れ始めた

「S子!がんばって」とS子ママが叫んだ

S子の手や顔に梵字らしくものが出ては消えを繰り返した

<<もうそろそろ本体が出てくるわ

もうすこしの我慢だよ・・・オハル・・・がんばって・・・>>

すると体の揺れが収まり

S子の口から大きな黒い塊が出てきた

出てきた途端に宙を舞い神社へ向かって飛んでいった

<<うまくいったわ

オハル・・・よくがんばったね・・

いやS子ちゃんよく耐えてくれた

これで私たち姉妹はやっと会える

幼少の私たち一家は天国へあなたがたのおかげで全員が会えた

でも私たち養女となったときのオアキ・オハルは今さっきの邪鬼のせいで

会えなかった

邪鬼のせいでS子ちゃんは食事2人分を食べざるえなかった

そして月に3日間は邪鬼がS子ちゃんの体を乗っ取りS子ちゃんを苦しめた

本当に苦しかったよねS子ちゃん

オハルもどうにか邪鬼を追い出そうとしたけれど

邪鬼の力は強くてなかなか追い出せなかった

でもF子ちゃんのお父様がオハルに声をかけてくれたおかげで

邪鬼を追い出すチャンスが出来た

本当にありがとう

私たち親子も成仏できる

いくら運命でも人を巻き添えにして死ぬことは絶対にしないでほしい

私は身をもってわかりました

運命は変えることはできない

それが運命(さだめ)

オハルに会える、うれしい・・・>>

「おっちーーー、オアキちゃん、ありがとう、なんか体が軽くなったんだぞぉーー」

「これでオアキちゃん・オハルちゃん、会えるんだね、よかった」

「いやぁ・・・父上様はやはり見かけで判断してはダメですな

父上様が声をかけなかったら・・・ゾッとしますな」

これでS子の異常はもう起きないだろう

能天気さは一生治らないが・・・(一度お狐様に相談してみよう・・・)

「おっちーーー、おじさんはやっぱかっこいい

私、おじさんに助けられた

F子ちゃん

これから義理の姉妹になるね

よろしくね」

「S子ちゃん・・・ううん・・・パパかっこいい

S子ちゃんを助けた

S子ちゃんが義理の妹になる

そういうことかぁ・・・オハル・オアキちゃん

これで姉妹が現世で会える

どれだけオハルちゃん

オアキちゃんに会いたかったか

これからは私たち長生きしようね」

「うん・・・長生きしたい

ずーと、一緒にいたい

幸せになりたい」

<<やっとオハルに会えた

本当にオハルはかわいい

オハルは90歳まで長生きできた

子供や子孫がいる

私は短命だったけれど

これから私たちずーと一緒にいられる

これで輪廻転生の縛りからも解き放つことが出来た

大きなお兄ちゃんたち

私たち姉妹を助けてくれてありがとう

とくにSお兄ちゃんオアキを綺麗に撮ってくれて私自身照れてる

それとオハルもかわいく撮れていて本当にかわいい

Sお兄ちゃんは決して腕は悪くないよ

だって私とオハルを18歳の時から撮ってくれてた

Fお兄ちゃん私たち小さな姉妹を最後まで面等をみてもらえた

親戚中を回されてた時に食事やお風呂などいろいろと世話をしてもらえた

お寺の養女になるまで本当にありがとう

大きなお兄ちゃん、大きなお姉ちゃん

ありがとう・・・>>

やはり・・あの写真の撮り方はS君だった

オハルちゃんも撮っていたんだ

え?・・・でも俺たち何もしてないけど・・・・どういうこと?

<<ふふふふ・・・これから大きなお兄ちゃんたち・・・

私たち小さな姉妹の面等を見ることになるよ

お寺の養女になるまで・・・>>

「え!----そんなーーーー

うそだろ・・・」

「運命ですわい

あきらめるんですわい

あはははははは」

「和尚様・・・あちゃちゃ・・・」

それから

1週間後にお狐様が迎えに来た

(((

「オハル!いつまで寝てるんだい!早く起きて、野良仕事をしな」

「オハル・・・お腹空いた・・・」

「なにーー!!オハル!仕事もしない者が食事ができると思ってるのかい」

なんとオハルちゃんに体罰をしていた

「この怠け者オハル!働かないものは食事抜きだからね」

「えーーん、痛いよぉ・・・オハル・・・イタイヨォ」

「なにが痛いんだいーーこの馬鹿垂れかぁ!!」

またオハルちゃんの体を叩いた

「イタイォーーイタイ、イタイ、オバチャン、イタイ、ヤメテーー」

(このくそばばぁーーオハルちゃんを叩くなよ)とおもいながら

やめさせようとしたが体がすり抜けていく

「本当に怠け者だよ、だからこの子はいらないと言ったんだよ」

(なにぃーーー、何で養女にしたんだ、最後までかわいがるもんだろ)

)))

ひどい有様だ

オハルちゃんは農家の養女となっていた

そこの継母がオハルちゃんに対して暴言や暴力をしていた

だから体に痣や傷がたえまなくありごはんもあまり食べさせないだめ体力も著しく弱くなっていた

私は怒り心頭になった

だがこれも運命・・・くそぉーー何が運命だぁーーー

私は1週間ごとに食事とお風呂と傷を治すために時空間を越えて

オハルちゃんの介護をした

もちろん住職や住職の奥さんにも協力をしてもらった

オアキちゃんの方も似たり寄ったりだがまずはオハルちゃんを先に介護した

時が止まってる間は空間を自由に動くことが出来た

3時間しかなかった

その3時間のうちにオハルちゃんに食事とお風呂と傷を治すことになった

「オハルちゃん・・・だいぶ弱ってるな

食事もあまり食べさせてもらっていないし

お風呂も・・・

この傷・・・治るかな・・・」

とりあえず

オハルちゃんをお寺の仏間へ移動させた

「おおお、オハルちゃん!お久ですわい

これは・・・だいぶ弱っておる・・・

まずは軽く食事を与えましょう

おかゆがいいですな

家内におかゆを作ってもらいましょ」

「お願いします」

「オハルちゃん、なんでこと!

こんなに弱って・・・

おかゆをすぐ作りますね」

と住職の奥さんは台所へ行きおかゆを作り始めた

「和尚さん、3時間しかないんです

その間に食事とお風呂と傷を治したいんですけれど」

「そうですか・・・3時間ですか・・・」

「そうです、上狐様はそう言っていました

それを1週間おきに3時間

このお寺の養女になるまで面等を見よ、ということです」

「そうですかい、わかりました

協力しましょう」

「ありがとうございます

ますはオハルちゃんを先に介護します

その次にオアキちゃんです」

「よう、わかりましたわい」

住職の奥さんがおかゆを持ってきた

「オハルちゃん・・・起きられるかな?」

「ううう・・・え!大きなお兄ちゃんなの?おっちーーー、夢かな?」

「夢じゃないよ・・・お腹空いてるでしょ?」

「うん・・オハル・・・お腹毎日空いてる・・・でも我慢する

タロウ兄ちゃんが「我慢するんだよ」と聞こえてくる」

涙が出てきた・・・こんな小さな体で我慢など・・・

「オハルちゃん・・・すこしおかゆをたべてみる?」

「うん・・・おかゆ?・・・食べる・・・」

私はスプーンでフーフーしてさましてから

オハルちゃんの小さなお口にそぉーとおかゆを食べさせた

「おいしいーーーオハル、おいしいよ、大きなお兄ちゃん」

「よかったーー、どんどんお食べ」

オハルちゃんは自力でおかゆを完食した

「よく食べたね、オハルちゃん、今度はお風呂だよ、きれいきれいにしょうね」

「うん・・・オハル・・お風呂大好きーーー、お風呂入るぅーー」

私は住職の奥さんにお風呂へいれてもらうようにお願いをした

「はいはい、オハルちゃん、お風呂場へ行こう・・・いい子だ」

「あ~~傷があるね・・・」

「そうなんです、そぉーーとまずは体を拭いてあげてください」

「わかったわ、まずはオハルちゃん、タオルで体を拭こうね」

「うん・・・おばちゃん・・・」

住職の奥さんがおふろの湯でタオルを濡らしてからそぉーとオハルちゃんの体を拭いた

「イタイョーー、イタイーー」

傷に当たると声をあげた

「こりゃ・・ちょっと拭くのは無理かしらね・・・」

「いや・・・そぉーとゆっくりでいいですから拭いてください」

「そっかい・・・オハルちゃん、しみるけど我慢するんだよ」

「オハル・・痛いの我慢するぅーー」

「ううう・・・ガマンガマン・・・」

オハルちゃんは口をつぐんで我慢してくれた

あのくそババァーーよくもまぁ・・こんな小さな体に傷を付けてくれたな

いずれ天罰が下るぞぉーー(実際にその一家は離散した、もちろん・・・上狐様も怒り心頭だったよう)

体を綺麗にしないと薬が塗れない

垢で体が汚れていた

かわいそうに・・・・

今日は拭くまでにした、お風呂へ入るのは無理

お風呂場から出て仏間へ戻った

住職が傷薬を持って待っていた

「オハルちゃんや薬を塗ろうかいな」

「クスリ?・・・・うん・・・」

「ちとしみるけど・・・我慢だよオハルちゃん」

「うん・・・オハル・・・我慢するんだぞぉーー」

「ううう・・・ううう・・・」

やはり相当しみてる

よく我慢してる

「オハルちゃん・・・しみるよね・・我慢我慢・・・もう少しで終わるからね」

「うん・・・我慢する・・・ううううう」

「オハルちゃん、よくぞ我慢したね、えらいぞ」

「うん、オハル、我慢したんだぞぉーー」

オハルちゃんに以前の寝間着を着せた

オハルちゃん大喜び

やはりかわいい

住職の奥さんが水ようかんをもってきた

「オハルちゃんよく我慢したね、ご褒美に水ようかんだよ」

「うわぁーーー久しぶりに水ようかんを見たよ、食べてもいいの?」

「もちろん、ご褒美だよ」

「うん、オハル、ご褒美、おいしいーーー、冷たくておいしんだぞぉーー」

オハルちゃんは大喜び

本当に小さくてかわいい

さて・・・時間もそろそろ期限が迫ってきた

しかし・・・この傷薬など・・・見られたら・・・また・・・叩かれるかも・・・

<<大丈夫ですよ・・・

よくぞオハルを介抱してくれました

あちらの一家は今まで通りのオハルの体しか見えません

弱った体、傷が付いた体しか見えません

1週間に3時間ほど

介抱してくださいね

>>

「お狐様、わかりました」

よかった

あとはオハルちゃんが元気になればいい

私も我慢だ

オハルちゃんが我慢してるのに大の大人が弱音を吐いてどうするんだ

もう時間だ

来週に会おうねオハルちゃん

「オハルちゃん・・・また来週会おうね」

「え!大きなお兄ちゃん、どこか行くの?オハルも一緒に行きたいんだぞぉーー」

「ごめんね・・・オハルちゃん・・・またちゃんと来るからね」

「でも・・・・わたし・・・ひとりぽっち・・・あの家へ戻るのイヤァーー」

「オハルちゃん・・・気持ちはよくわかるよ・・でもね・・・オハルちゃんも前へすすむことを

しないといけないんだよ、みんなオハルちゃんを応援してるからね」

「オハル・・・あの家へ帰るとまた叩かれる・・痛いのイヤ・・・」

「オハルちゃん・・・」

<<わかってますよ

大丈夫

あちらでは叩くでしょうね

ですが・・・叩かれてもオハルは痛みを感じないように

しておきますから

傷はちゃんとつきますけれど・・・あちらではね

とにかく・・・傷が治るまで

オハルを・・・よろしくおねがいします

基礎体力さえ戻ればオハルは強い子です

それまでおねがいします」

「わかりました・・・もちろんです」

「オハルちゃん・・・だいじょうぶ・・・叩かれても痛くないからね」

「???叩かれたら痛いよ・・・本当に痛くないの?」

「うん・・・神様がオハルちゃんを守ってくれると約束してくれたから」

「うん・・・でも・・・」

「オハルちゃん・・・大きなお兄ちゃんと大きなお姉ちゃんがついているからね」

「うん・・・オハル・・・我慢する・・・わかった」

涙が出てきた

こんな小さい子なのに強い子だ

さすがオハルおばあちゃんだ

住職と住職の奥さんも泣いていた

「こんな小さい子が・・・運命とは残酷ですな・・・でもまぁ・・・この子の運命は・・

さすが・・・私のおじいさま・・・いや先々代の住職には頭が上がりませんわい」

「そろそろ戻ろうかオハルちゃん」

「うん・・・オハル・・・戻る」

時間と空間が動き出した

オハルちゃん・・・・

それから1週間が過ぎた

ここ1週間ほどオハルちゃんのことが心配で仕事も上の空だった

S君やS子やF子にも

オハルちゃんの様子を教えた

「そっか・・・オハルちゃんそんな境遇なのか

俺も手伝うわ

1週間に3時間だな

交代しながら介護しようぜ」

「おっちーーー、オハルおばあちゃま、かわいそう・・・

私も手伝うぞぉーーー」

「私も手伝うよ、アニキ」

1週間ごとに交代で介護することにした

いちいちお寺まで行かなくても

時空間が止まってる間はどこでも自由に空間を移動できることを教えた

そしてかならずオハルちゃんの様子を報告することなどルールを決めた

もしどうしても行けれないのなら他の誰でもいいから行くことにした

1か月が過ぎた

やはり・・・オハルちゃんの境遇にみんな泣いていた

「おっちーー、なんで、あんな仕打ちをするんだ、まだ小いちゃいのに野良仕事なんかできないぞぉーー

タロウ・ジロウ兄ちゃんたちは絶対に野良仕事させなかったのに」

「まじでむかついたぜ、あのババァーー、ことあることにオハルちゃんを叩きやがってた

いくら痛みが無いと言ってもオハルちゃんが「イタイィーー、イタイヨォーー」と泣き叫んでる姿を見るとあのババァを殴り倒したい感情が出てくる

でも・・・こちらから見てるとオハルちゃんただジィーーと我慢してるだけ

笑っちゃったよ

オハルちゃん、こっちを見て「ベェーー」と舌を出してた

あははははは

恐らく俺たちの姿は見えてないはずだけど・・・」

「うんうん、オハルちゃん、茶目っ気があってかわいかった

あのビジョンの

オハルちゃんのお手々を直接触りたかった

あの3時間は本当に貴重な時間だね

だいぶ傷も治ってきてた

食欲もあってたくさん食べてた

寝間着姿もかわいい」

とそれぞれの感想を話してくれた

今度は私の番だ

とにかくよかった

どんどん良くなってきてる

「オハルちゃん、来たよ」

「うゎいーー、来てくれた、オハル、うれしいんだぞぉーー」

「大きなお兄ちゃん、大きなお姉ちゃんたちがきてくれた

オハルのこと本当に応援してくれてる

どんなことにもオハル、ちゃんと我慢してるよ

でもね・・・不思議に叩かれても全然痛くないよ

傷もついていないし・・・不思議・・・

それと・・なぜか・・・大きなお兄ちゃんや大きなお姉ちゃんが見てる感じがするんだ

不思議・・・・

今日ね・・・道端で・・・綺麗な花を摘んだよ

お礼に大きなお兄ちゃんに上げるね」

本当に綺麗な花だ

「ありがとう!本当に綺麗だよ、オハルちゃん、ありがとうね」

「おっちーーー、えへへへ、ほめられたんだぞぉーー」

このしゃべりかたはS子だ

「オハル・・・でもあの家、嫌い・・・あそこのお兄ちゃんやお姉ちゃん、オハルをいつもいじめるんだ

この前もオハル、ご飯を食べてたんだ・・そしたら・・・お兄ちゃんが

「おい、オハル、おまえいつもさぼってるよな、この怠け者、怠け者には飯はないんだぜ」と言って

オハルのごはん取って食べた・・・

オハル・・・ごはん・・・1週間に2回しか食べてない

1回は大きなお兄ちゃんや大きなお姉ちゃんたちが来る日

あと1回だけは食べさせてもらってる・・・・

いつもお腹空いているんだ・・・

取られた日は1週間何も食べてない」

私は涙が出そうだった

え!・・・そんな・・・・2回だって・・・・これは・・・お腹が空いてるわけだ

だからあんなにおいしく食べてくれるしおかわりもする

そっか・・・・

「オハルちゃん・・・我慢するんだよ・・・必ず1週間に1回は俺たちが来るからね」

「うん・・・我慢する・・・どんなにいじめられてもこれからはオハル泣かない

でも・・・トトカカ様、タロウ・ジロウ兄ちゃんやオアキ姉ちゃんに会いたい・・・

といいながらオハルちゃんは大泣きをした

私はオハルちゃんの小いちゃな手をなでながら

「オハルちゃん・・・我慢するんだよ・・いつかきっといいことあるからね」

オハルおばあさまの我慢強さはこの境遇があったからこそ出来たのだ

「さぁさ、オハルちゃん、ごはんだよ、たくさんお食べ」

「おっちーーー!!!おいしそうだぞぉーー

たくさん食べるんだぞぉーー」

「おいしいーーー、おばちゃん、おいしいよ、今度、きれいなお花を上げるね」

「オハルちゃん・・・・この子はいい子だよ・・・」

「おいしいかい、オハルちゃん、でも食べすぎはお腹痛くなるからね」

「うん、わかってる、お腹8分目、だぞぉーー

でもね・・・不思議・・・ここ1週間ごはん食べてないのに・・・お腹そう空いてるという

感じがしないんだ

ああ!あのね・・・オハルの寝床にね・・・なんか・・・よくわからない食べものがすこしだけ

置いてあるんだ、それも毎日だよ、食べると甘くておいしいんだよ、このくらいの大きさで四角くて

色が茶色いの、不思議ーー」

あぁ・・それはおそらくチョコレートだ

チョコレートならカロリーが高くよく登山する人は常に持ってるとか

お狐様かな・・・ありがとう

これならおなかはさほど空かない

基礎体力もすぐに戻るだろう

傷もだいぶ治った

あと1か月ほどかな

すごい回復力だ

体力さえ戻ればあんなくそばばぁに勝てるだろう

あとは我慢我慢

いつか住職が探しに来てくれる

それまでは我慢だよオハルちゃん

「オハルちゃん・・・いつもオハルちゃんを応援してるからね

我慢するんだよ

いい子だからね」

「うん・・・オハル・・いい子・・・我慢する、もう泣かない」

それから1か月がたった

完全に傷も治り基礎体力も戻った

野良仕事もできるようになった

まぁ・・・いじめはなくならなかったが

オハルちゃんは泣くことは無くなった

強くなった

そして・・・住職が迎えに来た・・・・よかった

((

「オハルちゃんかな・・・遅くなったね

ごめんね・・・これからは私のお寺で過ごすんだよ」

「え!・・・・お寺さんでオハル、過ごすの・・・

もう野良仕事しなくていいの?」

「そうだよ

もう野良仕事しなくていいんだよ」

「うん・・・わかった」

「ちっ!くそぼうず、オハルをどうする気なのさ?」

「だまらっしゃい、おまえ、よくもオハルちゃんをいじめていたな」

「(ええ、なんで知ってるんだよ)

いじめじゃなく

躾だよ、くそぼうず」

「何が躾だ!、この傷、これが躾かぁーーー!!」

「あぁーーこれはこの子が勝手に転んだだけだよ

わたしゃ、なにもしてないよ」

「このうそつきめ、おまえいつか天罰が下るぞ」

「あはははは、くそ坊主の口八丁、なにが天罰だぁ

笑わせるねぇ・・・まぁいいさ、この厄介者さっさと連れて行っておくれ」

「おまえ・・・まぁいいさ・・・オハルちゃん行こうか・・・」

「しっし!厄介者がいなくなってせーせーしたよ」

))

オハルちゃんは住職に連れられてお寺へ養女として迎え入れられた

いじめはなくなり

ちゃんと食事はとれるようになった

そして、躾や勉学を励み

そして・・・オアキお姉ちゃんと再会できた

オアキちゃんも私たちが介抱した

やはり養女となった家ではオアキちゃんも厄介者として扱われて

ひどい有様だった

まぁ詳細は・・・もう・・・いいでしょ

(とにかくオハルちゃんと同じようなことをされていた

とにかく我慢の日々だった)

とにかく姉妹が再会できたことは喜ばしいことだ

そして二人ともかわいさと美人姉妹として

評判となり

お寺は繁盛した

S君も・・・調子に乗りオアキちゃんやオハルちゃんの写真を撮りまくってた

(内心、S君、オアキちゃんが好きになったそうだ、何を思ったのか

S君、告白してしまったのだ、もちろん木端微塵になった、あたりまえだろ!!!

あぁぁ・・・だから・・・F子はS君のことが好きなのかな・・・

モデルとカメラマンとしてね

いっそ・・・結婚すればいいのにな

ただ・・・お寺の離れが火事になってしまった

そう・・・オハルちゃんの写真のほとんどが焼けてしまった

そして・・・一枚だけが残った・・・そう・・・いずれ・・・重要なパーツになる

(というかトンチンカン親父の手に渡るのはいささかよくないと思う・・だよね・・・お狐様)

オハルちゃんを見た大店の息子が結婚を申し込んできた

オハルちゃんの生い立ちを聞いた大店の息子はさらにオハルちゃんをいっそう愛するようになった

そして・・・・S君の家系へと続く

オアキちゃんもあとから結婚をして・・・まぁ・・・あのような・・・やめよう・・

とりあえず・・・なんというか・・・正直疲れたよ

どういう罰ゲームなのかS子と結婚をした

そして・・・4人も子供が出来てしまった・・・・

え?またなの?いやいや・・・もう輪廻転生は解放されたと言っていた、だから・・・ね

でも・・・この子たちは本当に仲がいい

特に長男は下の子をよく面等を見てる

本当に助かる

でもS子の能天気さは・・・なおっていない

長男から

「ママ、その「おっちー」だけはやめて」と言われてる

あはははは

Concrete
コメント怖い
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