オハルちゃん達4人兄妹を天国から連れてきた
もう死んでる人間なのだが・・・
夢の中で助けを呼び続けてきたからね
しかし・・・
これからどうしたらいいんだろう・・・
まさかこのまま現世にいさせるわけにもいかないだろう
早く神様たちの内乱が収まってくれないとね
「餓鬼」「死神」を操ってるのは誰なのか・・・
この黒幕を倒さない限り「天国」は元の世界に戻らないだろう
「さぁさ・・オハルちゃん達、こっちに座ってね」と住職の奥さんは笑顔でオハルちゃん達兄妹を仏間のテーブルのところに案内した
「おっちーー、ひさしぶりなんだぞ、オハル、よくこの部屋を覚えてるんだぞ」
「私もよく覚えてるよ」
「俺もさ、夏なのに涼しかったことを思い出すぜ」
などと兄妹でおしゃべりを始めた
隣の部屋から義理父と義理母が仏間にやってきた
「お!!孫が8人に増えてる、年のせいかな・・目が可笑しくなったかな」
と義理父は子供たちが8人になってるのを見て驚いていた
「あなた、違いますよ、こちらの席に座っているのがオハルちゃん達ですよ
私たちのご先祖様ですよ」
「え!?・・・ご先祖様・・・あぁ・・・確かにな・・・・お前の一族のご先祖様かぁ・・
楓ちゃんや葵ちゃんとよく似てるなぁ・・・服装が違うだけでほぼ同じではないか
こりゃ驚いたな」
「おっちーー!!パパ、そうでしょ、よく似てるでしょ」とS子は義理父に話しかけた
「おっちーー!!!葵ちゃん、お久しぶりなんだぞ!!」
「うん、あたち、やっとオハルちゃんに会えたぞ」
「オアキちゃんもひさしぶり!!」
「楓ちゃん、おひさしぶりです」
と葵と楓とオアキちゃんとオハルちゃんは久しぶりに再会したのでおしゃべりをはじめた
「やぁ!!ご先祖様!タロウおじさんだよな?」
「君は誰?、俺はタロウ、よろしくな!」
「俺は匠だよ、よろしくな!!」
「うん、よろしく」
「俺たち気が合いそうだぜ!!あとでタロウおじさん、ジロウおじさん、仁も含めてテレビゲームをしようぜ!」
「テレビゲーム?なにそれ?」
「お!テレビゲームも知らないの?」
「知らない、初めて聞いた」
こちらは初対面だがすぐに意気投合したようだ
子供たちはすぐに仲良くなったようだ
というか・・・当たり前と言えば当たり前かも
こっちの世界ではもう15日の夕方になっていた
お盆の日
まさか・・・ご先祖様が目の前にいようとは
今日は誰の供養になるんだろう
「これは・・・ちょっと・・・今日はお盆の日、ご先祖様が帰ってくる日じゃが
まさか本当に帰ってくるとは・・・」
「まぁ・・・これもありなんじゃないですか」
「おうよ!坊主、せっかくご先祖様が来たんだからそこで大人しくお経でもあげてろよ」
「まぁ・・・オヤジ様の言う通りにはしますが・・・なんか違和感がありますわい」
一同爆笑の渦になった
これはたしかに違和感ありすぎだ
和尚様は仏間の仏壇にむかってお経を唱え始めた
「これからオハルちゃん達をどうしようか?」
「だな・・・まさか現生にずっといさせるわけにもいかないだろう」
「とりあえずは夏休みの間だけでもお寺さんで預かってほしい」
「和尚さま、オハルちゃん達、せめて夏休みの間だけでもお寺で預けてほしいですけれど」
和尚様はこちらを向き
「さようですな、ずーとお寺で預かってもいいですわい
ですが、一度死んだ者、いずれは天国へ帰さないといけないですな」
「神様たちの争いが早くおわればいいのですけれど」
それと「餓鬼」「死神」があきらめるわけがない
何かしらの手段を使って私たち、オハルちゃん達を襲うに違いない
「和尚様、オハルちゃん達はやはり結界の中にしかダメですよね?」
「さようですわい、結界の中でいてもらうことになりますわい
それとおそらくあなた方一族はオハルちゃん達が見えますが他人は全然見えてないはず
お寺の中ならどこにでもいても構わないのですが外へは無理ですわい」
「まぁ・・・お寺の中も結構広いからいいとは思うけど」
他人には見えないと思うが・・・
まぁお寺の中なら安全かな
しかし・・・宿泊客が来たときにはどうするのか・・・
中には見える人もいるかもしれない
もうそろそろ夕食の時間だ
今日は大勢での夕食になりそうだ
やはり、人数が増えた分、賑やかな夕食となった
子供たちを先にお風呂へ入れさせた
寝巻が4人分しかないので葵たちは浴衣ではなく洋服で寝てもらおう
「わぁ!!おひさしぶりにかわいい浴衣着れる、オアキ、うれしい!!!」
「おっちーー!!かわいい浴衣が着られる!!!」
「俺、この浴衣、気に入ってる」
「あたちも浴衣着たいんだぞ、オハルちゃんとお揃いの浴衣着たいんだぞ」
「おっちーー、ごめんね、浴衣は4枚しかないんだぞ、葵ちゃん達は浴衣は我慢するんだぞ」
「うううう・・・・葵、着たいんだぞ!!」
「葵、私も我慢するんだからね!!!匠兄ちゃんたちも我慢するんだから、あんたも我慢しないといけないんだよ」
「ううう・・・楓姉ちゃん・・・」
「おっちーー・・・ごめんね、葵ちゃん、私たち兄妹分しかないんだぞ」
「うう・・オハルちゃん・・・あたち・・・我慢するよ」
子供たち8人は仏間で寝てもらう
おやじとおふくろが仏間の番
隣の部屋が義理父・義理母
その隣がS子とF子
その隣が私とS君
どちらにしろ、S君と交代でパトロールだな
子供たちには絶対にお寺から出ないように説明をした
お寺の中なら自由に行動して良いと和尚様から言われて子供たちは喜んでいた
付き添いは必ずオヤジかおふくろが同伴になる
まぁ・・お庭か仏間で遊んでもらうのが一番いい
今夜、どういう事態になるだろうか?
天国にいるはずの4人の兄妹を餓鬼や死神たちは探してるはずだ
夜の22時になった
子供たち全員疲れたのか眠っている
特にオハルちゃん達兄妹はどのくらいあそこで隠れていたんだろう
死んでまでも過酷な仕打ちを受けている
ましてや天国まで餓鬼たちに両親を食べられてしまった
一体私たち一族はどこまで呪われているのだろうか・・・
突然、オハルちゃんが泣き出した
「トト様、カカ様~~~、オハル達を置いていかないでほしいんだぞ
オハル達も一緒に連れて行ってほしいんだぞ」
突然のオハルちゃんの叫び声にびっくりした
どうやら夢を見てるようだ
死人でも夢を見るんだろうか・・・・
おふくろがオハルちゃんの手を握って
「オハルちゃん、大丈夫だよ、私たちがいるからね」とおふくろが優しく声をかけた
「本当にこの子たち、死人なのかい?手を握ったら温かいんだよ
わたしゃ・・・イメージ的にもっと冷たい手をしてるかと思ってた
葵ちゃんとオハルちゃんの寝顔、そのまんま双子のようだよ
私ら一族はオアキちゃんの系統で
S君たちの一族はオハルちゃんの系統
なんかすごい運命を感じるよ
まさかご先祖と子孫が同じ場所にいるなんて夢のようだね」
「俺もそうおもう、とても死人とは思えない
あの時のオハルちゃん達だよ
でも今は平成の時代
江戸時代末期じゃないんだよな
不思議だよ」
オハルちゃんは一度目を覚ましておふくろが手を握ったら安心してまた瞼を閉じた
今夜は何事もなく済んでほしい
楓がムクッと起き上がり
「パパ、今夜、奴らが来そう、この結界なら何とかなるとは思うけど」
「え!やはり・・・奴らがあきらめるとは思っていないけど今夜だけは静かにしてほしいとおもってたが・・・」
「ううん・・・パパ、餓鬼や死神じゃない
楓、よくわからないけどなんか不気味な感じ・・・
じっちゃ・・・いや・・・パパ、今夜もしかして、じつちゃ・・・・
じっちゃと互角の力を持った不気味な影が来るような気がするよ
楓の目に映るのは「影」しか見えない
じっちゃと互角に戦うと・・・大変なことになるよ」
「ちょっとパパには楓が言っていることが理解できないな
オヤジと互角の「影」がこのお寺に来るんだよね?」
「そう、オハルちゃん達を狙いに来る
絶対にオハルちゃん達を守らないといけないよ、パパ」
「オヤジと互角な奴と生身の人間が戦えるかな・・・
もし・・・オヤジの体の中にいる「悪霊」が目覚めたらどうなるんだろう・・・」
「パパ、じっちゃの中にいる「悪霊」は絶対に目覚めさせてはダメ
もし目覚めたらもう誰も止めることはできないよ
宇宙創造の神々しか止められない
怖いよ、パパ」
「地獄の使者たちか・・・」
「パパ・・・楓、眠い・・・」
「楓?大丈夫か?」
楓はスゥッーと眠りについた
「こりゃ・・・今夜はやばいですわな
オヤジ殿と互角の「影」って何でしょうかな?
オハルちゃん達をそこまで狙ってくるのはなぜでしょうかな?
もう死んだ人たちでしょうに」
そうどうしてこうもしつこくオハルちゃん4兄妹を狙うんだ?
一体何を狙ってるんだろう?
<<大きなお兄ちゃんたち・・・今夜、このお寺に餓鬼や死神を操っている者がここに来ます
もちろん私たち幼少の4兄妹を処分したいんでしょうね
地獄の使者は私たち4兄妹が目障りで仕方ないのでしょう
地獄の使者は生贄を欲していますから
私も含めて上狐さまたちも戦いの準備は出来ています
天界の内乱はあらゆる方面で混乱を招いています
大きなお兄ちゃんたち、その地獄の使者の目を見ないように声を聞かないように
目を閉じ耳を塞いでください
決して結界の外へ出ないように・・・>>
「ええ?オアキちゃんの声がした」
「わしゃもきこえもうしたわい、目を閉じ耳を塞げ、とな
結界の外へ出るな、と聞こえもうしたわい」
「俺も聞こえたぜ、俺の中にいる「悪霊」が目覚めんように俺も努力はする
もし俺がおかしな行動を起こしたら迷わず結界の外へ放り出してくれればいい」
「オヤジ・・・死ぬ気か?」
「死ぬ気はないが「悪霊」と心中はしたくはない
だが・・・悪霊が目覚めたら俺は死ぬだろう」
「オヤジ殿・・・あんたは閻魔大王様でさえ匙を投げた方だ
死ぬとは思えまんせんわい
わしゃ、お経を唱えますわい」
和尚様は仏間にある仏壇にお経を唱え始めた
義理父と義理母とS子とF子を仏間に来るようにS君に頼んだ
「分かった、呼んでくる」
隣の部屋から義理父と義理母たちが仏間に来た
「おっちーー、パパ、どうしたの?」
「S子、今夜地獄の使者たちが来る
目を閉じ耳を塞いでほしい
決して結界の外へ出ないでくれ」
と詳細に説明をした
「おっちーー!!わかったんだぞ、仏間にいるんだぞ
子供たちを守るんだぞ、今のうちに準備をするんだぞ」
仏間に全員は入れない
オヤジはいつものごとく廊下にいてもらう
S君と私も廊下だな
珍しく仏間の庭園側の障子もすべて戸締りをした
子供たちはそのまま寝ててほしい
S子は懐中電灯や食料などを準備し始めた
荷物は廊下の隅に置いた
義理父と義理母は何事が起きるのか不安な顔をしていた
F子はS子のお手伝いをしていた
蒸し暑い
クーラーをガンガンに効かせてていても暑い
午前0時過ぎになった
突然お寺上空の天気が怪しくなってきた
みるみるうちに雲が集まりだした
「うぇ・・・・・なんか空が変だぞ
厚い雲が集まりだしてきたぞ」
S君が大声でわめきだした
S君がお寺の様子を見に各部屋をパトロールしていて
窓の外を見たようだ
私は慌てて障子の戸を開けた
空一面厚い雲が立ち込めていた
「うわぁ・・・これは天国のあの雲の様子と同じじゃないか」
「おっちーー!!!なにこれ・・・キモイ」
「こりゃあかんですわい
いよいよ連中が来るかもしれませんわい」
突然稲光して雷が「ドーーン」と鳴った
「うわぁ!!雷だ
今のは完全にどこか落ちたな」
「確かに今のはどこかに落ちたな」
パチン
と電灯が消えた
「うわぁ!!電灯が消えたぞ
ブレーカーが落ちたかな」
「うむ、そうかもしれませんわい
わしゃが見てきますわい」
和尚様が懐中電灯を持ってお寺の電源盤へ行った
しばらくしても電灯はつかなかった
「あれ?なかなか電気が来ないね
和尚様も帰ってこないし
ブレーカーじゃないのかな・・・」
「おうし!!俺が見に行ってくる」
とオヤジが電源盤の方へ行った
しばらくすると和尚様とオヤジが戻ってきた
「おかしいですわい
ブレーカーは異常はないんですわい
電気が来ないのは不思議ですわい」
「たしかにブレーカーは正常だったぞ」
電気が来ていない
何処かの配線が切れたのか
仏間は懐中電灯とスマホの明かりだけになった
「こりゃ不便ですわい
一応替えの電池はありますけれどそうそう長時間持つわけでもありませんわい
一つだけ懐中電灯をつけて後は消した方がいいですわい」
「たしかに和尚様の言う通りですね
S君の懐中電灯だけつけて後は消してくれ」
S君の懐中電灯だけが眩しく光っていた
仏間の暗さは少し不気味に思えた
目の方もだいぶ暗闇に慣れてきた
S君がちょこちょこと辺りを照らしてくれていた
「おっちーー、パパ、怖いんだぞ」
「アニキ!!なんとかしてよ」
「何とかしてよ、といわれてもどうしようもない
電気がこないんだから
とりあえず横になりたいものは横になって寝てもいいよ
いやもう寝た方がいいかもな
あとは俺たちが起きてるからな」
S君と私と和尚様とオヤジは廊下に出た
後の残りの者は布団の中で眠りについた
子供たちは何事もなく寝ている
私たちは廊下に出て床に座り込んだ
S君が外に出ると仏間の部屋は一気に暗闇になった
いざとなればスマホの明かりや懐中電灯があるから大丈夫だろう
和尚様とオヤジは廊下にすわっててもらい私とS君は各部屋のパトロールに出た
暗い長い廊下は本当にうす気味悪い
各部屋をのぞき異常かないか見て回った
本堂の方にも足を運び異常はないことを確認した
仏間の廊下に戻った
オヤジと和尚様は談笑していた
度胸あるというか緊張感が全くない
午前2時を過ぎだ
辺りは虫の泣き声だけが聞こえていた
静かだ
相変わらず空の雲は動いていない
どことなく嫌な臭いがしはじめた
廊下の奥、和尚様たちの寝室方向から臭う
「くさっ!なんだこの匂いは
ドブの臭いみたいな
なんか腐った臭いがする」
「マジ、臭い、鼻が可笑しくなりそうだ
ハンカチで鼻と口を塞がないと息が出来ない」
「こりゃあかん、クソボウズ!仏間の部屋へ入って襖を閉めてくれ」
「わかりもうしたわい」
和尚様は仏間の部屋に入り襖を閉めた
ハンカチやタオルで口と鼻を塞いだ
どことなく物の怪の気配がする
奥の廊下からだ
姿は見えない何かがいる
ゆっくりと歩いてくる気配がした
S君は慌てて懐中電灯を消した
私とS君とオヤジは息を殺した
「あの子供たちはどこに行った
あの方の生贄はどこだ~~~」
「う、臭い、息が詰まる」
とS君は小声で私に言ってきた
「S君、息をするなよ
居場所が知られる
あいつ、どうやら俺らの姿は見えてないらしい
というかこっちもあいつの姿が見えないけれどな」
とS君に小声で答えた
「確かにな、でも空気がよどんでる
こっちに来てるのは確かだ」
得体の知れない化け物の気配がだんだんと近づいてきた
ちょうど化け物が横を通りすぎた時だ
オヤジが少し動いてしまった
「おおおーーーここにいたな
さぁ、生贄よ、ご主人様がお腹を空かしておられる
さぁ、こっちへ来い」
「ちっ!くそ!おい、F、俺が囮になるからその隙に仏間へ入れ」
「オヤジ、無茶だぞ、おい!!!」
オヤジはその得体の知れない化け物にむけて罵声を浴びせた
「やい!!化け物、俺が相手になってやるぜ!!!」
「おおお!!!お前は!!!ガキではないな!!!」
「こっちへ来な、うすらバカ!!!」
「おぉつおっう!!!人間の分際で俺様を愚弄するとはいい度胸だ!!!」
「こっちへ来な、指一本で倒してやるぜ!!!」
オヤジは化け物を挑発して蔵のある方向へ走っていった
化け物のもオヤジの後を追いかけていった
私たちはその隙に仏間へ入った
子供たち以外は全員起きていた
「おっちーー、廊下で大きな声がしたけど
何かあったの?パパ」
S子が聞いてきた
一部始終今起きたことを話した
「ええ!!!義理父が化け物と戦ってるの・・・大丈夫かな・・」
「アニキ!!!パパ、調子こいてなきゃいいけど」
「いや、もう調子こいて化け物を挑発してたよ」
「アニキ!!!あんまし調子こいてるとパパの中に眠ってる「悪霊」が目覚めるかも」
「うぇっ!そうだった・・・オヤジ・・・」
蔵の方からオヤジと化け物の戦う音や声が鳴り響いていた
和尚様は仏壇に向かってお経を唱えていた
私とS君は心配になり蔵の方へ見に行った
**ここからはあまりにもグロデスクな表現になりますので割愛します****
一言・・・オヤジが勝った
化け物を一飲みした
オェツ!!!
私とS君はもろに吐いた
例えるなら大きなヘビが牛を丸呑みした感じだ
見ちゃいけないものを見てしまった
しばらくするとオヤジの膨らんだお腹は正常に戻った
オヤジもあっけらかんな顔をしていた
「おう!!!そこで見てたか
勝ったぜ!!!」
「オェッ!」
「何が「オェッ」だ!しばくぞ、てめぇーー」
「おやっさん!!お腹大丈夫っすか?」
「おうよ!まだ足りんわ!!!」
「オェッ!!」
午前4時過ぎになっていた
オヤジと仏間へ戻った
「おっちーー!!義理父、さすがーーー」
「おうよ、S子ちゃん、ピース!!!」
「かっこいい!!!サイコーー!!!」
「おい!!S子、オヤジを乗せるなよ!」
「F!!てめぇ、しばくぞ」
「パパ、良かった・・・」
「おうよ、F子ちゃん、イェイ!!」
「ナンマンダブ・・・ナンマンダブ」
「やい!!クソボウズ!縁起でもねぇ、そのお経は止めろよ!!」
うわぁ!!!
「オヤジ!!!、口からなんか出てるぞ!!」
なんと!呑み込んだ化け物の手がオヤジの口から出てきた
「ちっ!!こいつ!まだ生きてやがったか」
オヤジは仏間から飛び出してまた蔵の方へ走っていった
「なに、今の?気色悪い!!!」
「化け物だよ、オヤジが丸呑みしたんだよ」
一同、シーンとなった
「丸呑みって・・・」
1時間がたった・・・
オヤジが戻ってこない
さすがに心配になってきた
「おやっさん、帰ってこない、大丈夫かな?」
「確かめに行こう」
S君と私は蔵へ向かった
オヤジがいない・・・・
消えた・・・・
「オヤジ・・・どこにいった・・・」
「おやっさん、いないな」
化け物と一緒にオヤジは消えた・・・
作者名無しの幽霊
いやはや
思わぬ展開になってしまった
化け物を呑み込んだオヤジが消えてしまった
一応は蔵の周辺を探したよ
でもいなかった
本当に問題だらけだ
あーだこーだ、で、もう朝を迎えてしまった
セミがうるさく鳴いていた
今度はオヤジの捜索をしなくっちゃ
未だに吐き気がする