あれは餓鬼たちが本格的に自宅への攻撃をする前のおチビちゃんたちが不思議な体験をしたのでお話ししたいと思う
その日は6月の梅雨でジメジメとして湿気が高く暑い日曜日
先日まで雨が降り続けて夜中に雨が止んだようである
おチビちゃんたちなかなか外へ遊びに行けずに家の中で過ごしていた
朝食を食べすぐに例の家の近くの公園へ2人で遊びに行ってしまった
「ママーーー、朝ご飯食べたら、葵と一緒に公園へ行って遊んでくるからね!!」
「おっちーー!!わかったんだぞ、お昼までには絶対にお家へ帰ってくるんだぞ
それと、葵ちゃんをよろしくね、楓ちゃん」
「うん、わかってるよ、ママ!!」
「わかってるんだぞ、ママ!!あたち、楓姉ちゃんの言うことは聞くんだぞ」
朝から湿気が高くムッとする暑さ
楓と葵は家の中で過ごすことに飽きたんだろう
今のところ、雨は止んでいた
「はい、ジュースとお茶とお菓子、2人で仲良く分けて食べるんだぞ」
「うん、ありがとう、ママ」
「絶対に知らない人について行っちゃだめだぞ、それと知らない人から物をもらっちゃだめだぞ」
「うん、わかってるよ、心配性なママ!!葵、行くよ」
「うん、楓姉ちゃん!!」
2人は仲良く手をつないで家を出て行った
リビングには夜中に東京から帰ってきたS君がソファで寝ていた
夜中に帰ってきて私たち4人は雑談をしていた
S君はビールを飲みながら雑談に加わっていた
すぐに酔いつぶれてソファで寝てしまった
私たちも早々に切り上げて寝てしまったけれどね
私は朝9時ごろに目が覚めリビングへ向かった
もうリビングにはオヤジやおふくろもいた
もちろんS子やF子もいた
相変わらずS君はソファでいびきをかいて寝ていた
「おやおや・・・ソファで寝てるのは誰?ああ・・・S君かい
相当疲れてるんだろうね、そのまま寝かせておけばいいよ」
とおふくろがソファの方を向きながら私たちに話しかけてきた
「昨日の夜遅くに家についたから・・・もっと早く家に着くはずだったんだけど
途中で夕食やショッピングしてきたから遅くなっちゃった」
「おっちーーー、いいな・・・」
「まぁね・・・でもSアニキの優柔不断には参ったよ、S子ちゃん」
「うちのアニキは威勢はいいけど判断力がなさすぎ・・・私も経験あるけど
物を選ぶのに2時間や3時間は当たり前・・・
本当に嫌になっちゃうよ」
「そうそう!そのとおり、さっさと選んでほしいのに・・・ね!S子ちゃん」
などとS君の愚痴をしゃべりはじめた
突然、ピカッとひかり、ドオーンと雷が近くて落ちたようだ
「わぁ!!!びっくりしたんだぞ、どこかに落ちたんだぞ!!」
「すごい音だったね・・・近くて落ちてるよね・・・」
ザァーーとスコール並みの雨が降り始めた
「あの子たち、大丈夫かな・・・」
「大丈夫だよ・・・S子!あそこは新しく東屋が出来たから
あそこにいれば雨にあたることはないさ」
「だといいけどね、パパ・・・」
私はリビングから外を眺めた
すごい雨・・・
雷の音も鳴り響いていた
少し不安になってきた
「もう少し様子を見てから俺がおチビちゃんたちを迎えに行くよ」
「そうして!!パパ」
1時間ほどで雨が止んでしまった
11時半ごろに2人は帰ってきた
「ママーー!!!ただいま!!」
「ただいまなんだぞ!!」
と元気のいい声を出しながら玄関に入ってきた
「おっちーーー、おかえり!!今さっきの雷、大丈夫だった?」
「うん、びっくりしたけどあの公園の大きな屋根の下に葵と一緒に居たから・・
そこでね、ジュースとお菓子を食べたよ、それと新しいお友達も出来たよ」
「えーー、そうなんだ、良かったじゃない」
「うん、その子たちと一緒に遊んだよ」
と嬉しそうに楓は話してくれた
楓の話をみんなで聞いた
楓たちは突然の雷にびっくりして新しくできた東屋のところへ逃げたらしい
そこでジュースやお菓子を食べながらおしゃべりをしていた
この姉妹はよくしゃべるしゃべる
まるでF子とS子みたい
この4人とおふくろが加わると永遠に話が終わらないような雰囲気を醸し出す
「雨が止んでね、また砂場のところで葵と一緒に遊んでたら
遠くから「おっちー、おっちー」という声が聞こえてきたんだよ
てっきりママがお迎えに来てくれたんだと思ってた」
「え!「おっちー」って・・・」
「うん・・・そしたらね公園の入口に小さな男の子と女の子がいたんだよ」
「「おっちーー、お兄ちゃん、公園に着いたんだぞ」」
「「おう、○○(名前)、今日は何して遊ぶ?」」
「「お兄ちゃん、今日は砂場で遊ぼうよ」」
「「よぉし!!砂場だな!!」」
((おいおい・・・「「おっちーー」」って・・・S子以外にもいたのか・・・))
「「あれ!砂場に人がいるんだぞ!!」」
「「お!ほんとだ、小さい奴らがいるよな、○○(名前)」」
「「うん・・・お友達になってくれるかな、お兄ちゃん」」
「「あちこち・・・「「ぼうけん」」してるけどなかなか友達になってくれないもんな・・」」
「「うん・・・」」
「私たち、ずーと入口を見てたらその子たちがこっちへ来たんだよ」
「お・・・それで?」
「うん・・・葵が少し怖がっちゃって・・・」
「怖がったんだぞ!!「おっちー」って聞こえてたからママだと思ってたんだぞ
でも、違ったんだぞ・・・」
「それでね・・・その子たちがね」
「「おう!!おまえら見かけんよな、俺たちは最近ここに引っ越ししてきたんだよ」」
「「おっちーー、そうなんだぞ」」
「「こいつは俺の妹の○○(名前)、俺が○○(名前)って言うんだよ、よろしくな」」
「私は楓、この子が妹の葵だよ」
「あたちが葵なんだぞ」
「「え・・・「なんだぞ」って・・・妹と同じしゃべり方するんだな」」
「葵はそういう口癖でママに似ちゃったから・・・」
「「そうなんだ・・・お前の家はどこだよ?」」
「んとね・・・ここから500メートル先の家だよ」
「「お、近いよな・・・俺んちもここからおよそ1Kmの所に引っ越したんだよ」」
楓の話を聞いていて・・・なんか懐かしいというか・・いやちょっとまて・・・
この展開って・・・まさか!・・ね
「「俺たち引っ越してきてばかりだからお友達がいないんだよな
それでほぼ毎日、妹と一緒に「ぼうけん」と言ってあちこち歩いてるんだ」」
「そうなんだ・・「「ぼうけん」」ってなんか面白そうだね」
(「ぼうけん」・・・どこかで聞いたような気がする・・・)
「「でもね・・・なかなかお友達になってくれないんだ・・・」」
「そっか・・・私たちもお友達がほしいからお友達になろうよ!!」
「「ほんと!!!やったーー、○○(妹の名前)、やっと見つかったね」」
「「うん!!良かった、お兄ちゃん」」
「それでね・・・お昼前まで一緒に遊んだよ」
「ところがね・・・パパ・・・葵がトイレへ行きたいというから一緒にトイレへ行ったんだよ、トイレから帰ってきたら・・・そしたらその子たち、いなくなってたんだよ・・・黙っていなくなるなんて・・・」
「楓お姉ちゃんの言う通り!!いなくなっていたんだぞ」
「おっちーー、失礼な子たちなんだぞ、せっかくお友達になったのにね、楓ちゃん」
「でしょ・・・もう!失礼しちゃうよ・・・」
と楓は怒ってた
私は・・・この展開に見覚えというか・・・
私はS君を起こした
「おい!S君、ちょっと起きてくれ」
「ううう・・・はっ!え・・・ここどこ?」
「おいおい・・・」
「ウフゥーー、あかん・・・また深酒したか・・・」
「おい、大丈夫かい?」
「・・・」
「あのね、今さっき楓たちが不思議な体験をしてきたんだよ」
私は楓が不思議な体験してきたことをS君に話した
「ちょっと・・・それって・・・もしかしたら・・・俺たちか?」
「楓の話だとな・・・」
「ありえんだろ・・・楓ちゃんの時代に子供時代の俺たちがいるわけがない」
「普通ならな・・・・でももう俺たちはオハルちゃんやオアキちゃんという時代を超えた人たちとあってるし・・・」
「まぁ・・・な・・・でもな・・・・あちこち歩いてたからな・・・覚えがないんだよな・・・でも・・・雷で大雨で・・・公園かぁ・・・ちょっと待っててくれ
おい!!S子、ママチャリ、貸してくれ、俺、家に行ってくるわ」
と慌ててS君はママチャリに乗ってS君の家に行ってしまった
「アニキ・・・慌てて、どうしたんだろうね・・・パパ」
「さぁ・・・」
およそ1時間後にS君は帰ってきた
「あったよ・・・俺たちの小さい時の写真、もちろんS子も一緒に写ってる
楓ちゃん、こっちに来ておくれ」
「なに?おじさん」
「その小さい子ってここに写ってる子かな?」
「おじさん見せて・・・あーーー!!!この子たちだよ、失礼な子たち!!!」
「あたちも見せて・・・あ!この子たちだよ、楓お姉ちゃん!!!」
間違いない、楓たちは小さい時のS君兄妹と遊んでたんだ
「ママ!!!この子たちだよ、本当に失礼な子たち!!!」
「おっちーー、どれどれ・・・wwwww
アニキ・・・これって・・・私たちの小さい時の写真じゃない・・・」
「そうだよ・・・・S子、覚えてないかい?FとF子に会う前にたしか・・・
雷が鳴って土砂降りの雨が降ってたろ・・・」
「おっちーー・・・うーーん・・・うっすらと覚えてるような・・・」
「そっか・・・たしかな・・・おまえが「おっちーおっちー」と大きな声で一緒に歩いてたんだよ、そして公園の入口でおまえと何やら話してて、おまえが「砂場で遊ぼう」と言うから、砂場のほうを見たら砂場に小さな女の子2人いたろ?」
「うーーん・・・覚えがないような・・・」
「ほら・・・あの小さな女の子が「トイレへ行くんだぞ」と言ってもう一人の女の子と一緒にトイレへ行ったろ・・いつまで経っても戻ってこないから俺たちそのまま家へ帰ったんだよ、覚えてないかいS子」
「あ!!!思い出したんだぞ!!!トイレから2人、全然戻ってこなかったんだぞ
だからもうお昼前になるから家へ帰ったんだ!」
話が一応繋がった・・・
時空間が・・・なんか・・・変
「ええ!すると私たちが会ったのはSおじさんやママなの?
でも・・・小さかったよ・・・写真と同じの子だったよ」
「あたち・・・よくわからないんだぞ」
無理もない・・まだ楓たちでは理解できないだろう
でも楓と葵はオハル・オアキちゃんの亡霊と一緒に遊んでるから少しは理解できると思うのだが・・・
「なんかよくわからないけど・・・私たちはトイレへ行ったけどそんなに時間はかかってなかったと思うよ・・・おかしいな・・・10分くらいで砂場に戻ったんだけどね」
「ううーーん、記憶違いでなければね、確か30分くらい待ってたような記憶があるんだよな、おじさんはね」
時間の感覚は人それぞれだからね
「公園に時計があるけど時計を見たの?」
「うん、見たよ、パパ」
「俺は・・・どうだったかな・・・」
というか・・・この時間帯にそれぞれの時空間が元へ戻ったんだろうな
原因は雷と豪雨だろう・・・おそらくね
「わたしたち・・・小さい時のおじさんやママにあって一緒に遊んだんだ・・・
お友達・・・って・・・なんか変!」
「たしかに・・・お友達って・・・じゃないよな・・・姪っ子とおじ、だもんな」
一同大笑いをした
「でも・・・小さい時のママって・・・なんか葵によく似てたね・・・
後ろ姿なんか葵と同じだもん・・・」
「あたちも・・・そうおもった・・・なんかあたちが2人いるような・・・」
「おっちーー、葵ちゃんは確かに・・・私の小さい時とよく似てるもんね、アニキたち、F子ちゃん」
「確かにね、S子お姉ちゃんとそっくり・・・特に後ろ姿には懐かしさを覚えるもん」
「えへへへ・・・ママと同じだと嬉しいんだぞ、あたち」
原因ははっきりとはわからないが不思議な体験をした2人
そのあとにS君兄妹は私たちと会ったのだ
なんだろうね・・・因縁なのかな・・・
作者名無しの幽霊
まぁいわゆる異次元の体験かな・・・
この話を娘たちから聞かされて私たち一族はなんらかの因縁の中で生かされてるというか生きてるんだな、と
世の中には本当に不思議なことが起きているのだが日本という社会は閉鎖社会というか村社会
いろいろな体験をした人は多いのになかなか公然と話ができる社会ではない
一度でも「頭がおかしい」人という烙印を押されるとまさに村八分の状態となる
江戸幕府が潰れてまだ150年ほど
まだまだ鎖国時代の名残が残ってる
私たち一族の因縁なのかいろいろな怪異なことがおきる
何も起きない時といきなり起きるときとあり事が起きると常に大変な状況へとすすんでいく
今のところは大きなケガなどをせずに何とか乗り越えてきてはいるけれど
将来的に・・・・不安だな
この因縁を断ち切らない限り怪異は収まらないだろう
サラリーマンをしている身では限られた時間しか原因の調査ができずに
どんどんと怪異がエスカレートしてるような気がしている
S君や和尚様と因縁の原因を探っているのだがなかなか・・・見つからない
間違いなく言えるのは私たちご先祖様がなにかしらの悪事を働いたのは間違いない
人に恨まれていたのは間違いない
お寺の資料でほぼわかったから
それも平安時代までさかのぼるようだ
まぁこの話はいずれ・・・