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短編2
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ふさがれた部屋

学校の七不思議。

昔からよく使われる言葉ですが、実は僕の母校にも(「七」不思議ではなく、「一」不思議ですが)ありまして、

今でも同窓の間で話題に上る、奇妙なことがあるのです。

なので、今回はそのお話をば。

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そこは埼玉県でも有数の、歴史のある市立中学校。

この学校の校舎は開校当時からある建物を、鉄筋コンクリートで改築した、四階建ての「旧校舎」と、

比較的新しい時代に建てられた三階建ての「新校舎」とがあって、双方の三階部分までが渡り廊下でつながれた構造になっています。

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それで、問題なのが「旧校舎」側の四階部分。コンピュータールームの、廊下を挟んで反対側の「壁」。

この壁に、もともとそこにあったであろう部屋の入り口を、板で塞いだ跡があるのです。

それも、頑丈そうな鎖と南京錠で厳重に封をして・・・。

先生方に質問しても、その「部屋」について詳しいことをご存じの方はおらず、入学当初から同級生の間で噂になっていました。

好奇心が高じて、その壁のわずかな隙間から中を覗いてみた者もいました。

「中が明るい。光がさしているのかも。それしかわからないや」とのことでした。

隙間があまりにも狭いので、詳細は分からないものの、少なくとも窓が設置されているということでしょう。

ちなみにこの「部屋」のことについては、僕たちが入学する何年も前から話題になっており、その正体について色々と議論が交わされてきたようです。

とあるOGの話によれば、あの「部屋」は、もともと「トイレ」だったのではないか、とのことです。

個人的には、これが最も有力な説だと思っています。

なにしろ例の「部屋」のある位置は、階段を登り切ってすぐ右側。

旧校舎の1~3階にも、ちょうどこの位置にお手洗いが設置されています。

その階に教室がある以上、手洗いを利用する人がいるはずですから、もともとここにあったのがお手洗いだったとしたら、合点がいくことでしょう。

ただ、もしも手洗い場があったのだとしたら、なぜ閉鎖する必要があったのでしょう。

それも物々しくも、分厚い鎖と、南京錠までつけて・・・。

あの板の向こうには、本当は何があるのでしょう。

そして、

かつてそこで、なにがあったのでしょう・・・。

Concrete
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