長編15
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さらに家の中が・・・

仏間に楓と葵とカナちゃんがオヤジの話を聞いていた

カナちゃんは葵の友達

やっと葵にもお友達ができた

カナちゃんも保育園や幼稚園に通っていない

母子家庭のために母親は毎晩遅くまで働いている

おふくろの計らいでカナちゃんを家で預かることになった

今までカナちゃんは一人で留守番をしていた

それを聞いたおふくろは即座にカナちゃんを預かると言い出したのだ

カナちゃんの家は私の家から南へ300メートルの借家に住んでいる

母親が出勤するときにカナちゃんを連れてきている

二人でお昼までは留守番だ

基本的に「家の中なら自由に移動してもいいよ」とは言っておいた

外は絶対に一人では行かないようにとも言っておいた

時々義理母に家に来てもらっている

カナちゃんは極度の人見知りで声も小さい

まさに小さいときのF子そのものだ

だいぶ慣れてきたのが笑顔を見せるようになった

カナちゃんはオヤジのそばに寄り添うように話を聞くようになった

「じいちゃ・・」と小さな声でオヤジの腕をつかんでいる

葵とカナちゃんに囲まれてオヤジはいつも上機嫌だ

「今日はな・・・ちょっと怖い話をするよ・・いいかな?」

「うん・・・怖いけどいいんだぞ」

「うん・・・」

またか・・・与太話・・・

オヤジが怖い話をどんどん進めていった

葵とカナちゃんはオヤジの腕をしっかりとつかんで話を聞いていた

オヤジの話も終わり

2人とも怖かったのか表情が完全に無くなっていた

「おいおい・・・大丈夫かい?」

「パパ・・・じっちゃの話は怖かったんだぞ

あたち・・・」

「カナも・・・こわかった・・・」と小さな声でカナちゃんは話した

「そうだろ!そうだろ!この話は俺の連れの体験談だぞ

俺も話を聞いてビビったかな」

「じっちゃ!!ずーと今日は傍にいるんだぞ」

「カナもずっといたい」

「あははあは!!大丈夫だよ、今日はじっちゃはどこもいかないから家の中にいるから」

「うん!!」

「よかった・・・」

俺も話を聞いていたがそんなに怖いとは思わなかった

でも葵とカナちゃんは何かにおびえてるような感じだった

私は気になったので聞いてみた

「葵・・・大丈夫?・・じいちゃの話ってパパはそんなに怖くはなかったんだけど」

「え・・・パパ・・・じいちゃが話をしてる時に何か聞こえなかったの?・・」

「音?・・いや何も聞こえなかったよ」

「あのね・・・パパ・・・じいちゃが話してる時にどこからか音がしたんだぞ」

「私も聞こえた・・・人の声みたいだった・・」と小さな声で私に話してくれた

「カナちゃんも聞こえたんだ・・・人の声ね・・・パパは聞こえなかったけど・・・」

「どんどん周りでガヤガヤと人が集まって何かをしゃべってる感じだったんだぞ

なんか・・・怖かったんだぞ」

「カナも・・・人の声がしてたよ・・」

オヤジの話につられてきたのかな

「そっか・・・とりあえずはリビングへ行こう」

私は2人の手を握ってリビングへ行った

リビングではおふくろとS子がおしゃべりをしてた

「ばっちゃ・・じいちゃの話、怖かったんだぞ」

「また・・・じいちゃんの話を聞いたのかい・・・」

「うん!!怖かったんだぞ・・・まわりで人の声がしたんだぞ」

「え?・・人の声かい・・・」

「うん・・・」と小さな声でカナちゃんは答えた

「さぁさぁ・・とりあえずはおやつを食べるといいよ」

葵とカナちゃんはおやつを食べ始めたが2人とも周りをキョロキョロとしはじめた

「なに?どうした?葵?」

「うん・・・人の声がするんだぞ・・・」

「え?・・人の声?・・・パパは聞こえないよ」

「おじさん・・・聞こえないの?・・・カナは聞こえたよ」

私は霊感ゼロだ

「オヤジを呼んでくるわ」と私は仏間へ行った

「おい!!オヤジ、リビングへ来い!!」

「お?どうした?」と言いながらついてきた

「じっちゃ!!耳元で声がするんだぞ!!!」

「カナも・・・じっちゃ!!」

「そっか・・・俺も話してるときになんとなく違和感を感じた

もう1度仏間へ行こう」

仏間へ

「すまんな・・・ここなら・・・大丈夫だと思う・・・」

オヤジは小さな声でなにかを唱えていた

「じっちゃ!!すごい!!聞こえなくなったんだぞ」

「カナも・・・」

「しばらくはここにいような」

「うん」

1時間ほどして2人は飽きてきたのかソワソワしはじめた

「パパ・・・もうそろそろこの部屋から出たいんだぞ

リビングへ行きたいんだぞ」と葵が訴えてきた

「カナも・・・飽きた」

「そうだな・・・リビングへ行こう」とオヤジは立ち上がった

オヤジの後に私と葵とカナちゃんという順に仏間から出た

廊下に出たときに

「キャッ!!」と叫んでカナちゃんが転んだ

「大丈夫かい?カナちゃん!!」

「おじさん・・・後ろから背中を押された感じ・・・」とカナちゃんは起き上がって私に言ってきた

「背中を押されたかい・・・」

「うん」

もちろんカナちゃんが最後だから後ろには誰もいなかった

「むむ・・・とりあえずはリビングへ行こう」とオヤジは葵とカナちゃんの手を握ってリビングへ行った

「ばっちゃ!カナちゃん廊下で転んだんだぞ」

「え!本当かい!!カナちゃん、どこか痛くないかい?」

「カナ・・・足が痛い」と小さな声で答えてきた

「どれ・・・あ・・・擦りむいてるね・・・ちょっとまってね・・・絆創膏を貼ろうね」

少し膝あたりに少し血がにじんでいた

「どうしてカナちゃんは転んだのかい?自分で転んだのかい?」

「おふくろ・・・後ろから誰かが背中を押したんだよ」

「後ろって・・・誰がいたの?」

「いや、カナちゃんが最後だから後ろは誰もいなかったよ」

「え?・・・誰もいないのに押されたのかい・・・」

私は間違いなく幽霊の仕業だと思った

「オヤジ・・・ちょっとな・・・」

「わかってるよ・・・なんとかしないとな」

夜になりカナちゃんのお母さんが帰ってきた

お母さんがリビングへきてカナちゃんの手を握って出ていこうとしたときに

オヤジが声をかけた

「奥さん・・・すまないが・・・今日は奥さんも一緒にこの家で泊っていってほしい

訳は後で話すから」

「え・・・でも・・・迷惑じゃないんですか?」

「全然、奥さん、誰も迷惑とは思っていませんよ

今日は家に泊ってほしい」とおふくろも泊まるようにとお願いをした

「あ・・それでは・・・」と奥さんは承知してくれた

オヤジとおふくろがお母さんに昼間あったことを話をした

おかあさんも納得した顔になった

食事も終わりオヤジと葵と楓とカナちゃんは仏間へ行った

リビングではお母さんとおふくろとS子がおしゃべりをはじめた

私はソファでぼんやりとTVを見ていた

「さてと・・・子供たちをお風呂へ入れないとね」とおふくろは子供たちを呼びに行った

匠と仁が最初にお風呂へ入り娘たちが仏間から出てきた

「さあさ・・・お兄ちゃんたちは先に入ったから葵ちゃんたちが入る番だよ

服を脱いでゆっくりとお風呂へ入るんだよ」

「うん!!!」

「カナちゃん、足は痛くないの?」

「カナ・・・少し痛いだけだよ、ばあちゃ」と小さな声で答えてきた

「そうかい・・ちょっと・・しみるけどゆっくり入るんだよ・・」

「うん!!!」

おふくろはカナちゃんの背中を見て驚いた

「F!!!お風呂場へ来ておくれ」とおふくろが大きな声で私を呼んだ

「どうした!おふくろ!!」

「F!カナちゃんの背中を見てごらん」

私はカナちゃんの背中を見た

なんでこった

背中には真っ赤になってる人の手が残っていた

大人の手だ

はっきりと残っていた

ということは相当な力でカナちゃんの背中を押したに違いない

「カナちゃん、背中痛くないの?」

「カナ・・・背中?・・・ううん、痛くないよ」

痛くないって・・・これだけ手の形が残ってるんだから痛いはずなんだが

おかしい・・・

「とりあえずはお風呂へ入ろうかね」とおふくろは子供たちをお風呂へ入れた

私はオヤジにカナちゃんの背中の手のことを話をした

「なに!背中に手型が残ってたのか!!はっきりとか・・・こりゃ・・間違いなく・・敵意を持ってるな・・俺・・一人だしな・・・子供たちを守れるかどうか」

「オヤジ・・・」

「あのな・・・ちょっとな・・・カナちゃん親子を初めて見たときにふと小さい時のF子ちゃんを思い出した・・・カナちゃん・・相当な霊媒質で結構な霊を呼ぶ体質だとすぐに見抜いたよ

カナちゃんの体になあんましよくない霊が3体ほど憑いてるんだよ

クソ坊主に相談しようか迷っていたけどクソ坊主を家へ呼ぼう

俺一人じゃ無理だ」

「和尚様を呼んだほうがいいな、俺が呼ぶよ」

私はすぐに和尚様のスマホへメールをした

事の詳細をメールに書いて送った

「それとカナちゃんに憑いている霊のことをお母さんにも話さないとな、オヤジ」

「そうだな・・・カナちゃんの背中についているものを見せよう、それなら納得するだろう」

私はお母さんとカナちゃんを呼んだ

「あのぉ・・・何でしょうか?」

「お母さんに話さないといけないことがありまして・・・」

私とオヤジはなるべく分かりやすいようにお母さんに話をした

おかあさんの顔が段々と血の気が引いていくのが分かった

お母さんもカナちゃんの健康については人一倍気にしているし心配もしていた

その件もオヤジが自分の娘、F子の幼少の時の話をした

お母さんは静かに聞いていてうなずいたり驚いたりしていた

「F子さん・・・相当苦労したんですね・・・」とお母さんはオヤジにポツリとつぶやいた

カナちゃんの今後についてもお母さんに話をした

和尚様を呼んでオヤジと一緒に除霊をするのと3体ほど憑いているからすべて祓えるかどうかはっきりとわからない旨を伝えた

「カナのことをお願いします、私にはとてもわからないですし私一人ではどうしようもないですし・・・」

カナちゃんは当分、家で預かることにした

お母さんも当分の間は自分のアパートへ帰るのではなく家に帰ってきてほしいとお願いをした

「カナちゃん・・・ごめんね・・・背中をお母さんにみせるけどいいかな?」

「うん!!」

私はカナちゃんの服をまくりあげて背中をお母さんに見せた

「あ・・・っ・・・これは!!!」とおかあさんの驚いた顔

私は何かを知ってるような気がした

「お母さん・・・もしかして・・・この手型を知ってるのでは?」

「あ・・いや・・そのぉ・・・」とはじめは口を濁していたが

意を決したのがお母さんは話をしてくれた

この手型はお母さんの祖父の手の形によく似ているという

「間違いないと思います、この手の跡は私の祖父の手です

もう10年も前に祖父は他界しました

祖父は私に優しく甘やかされてきました

祖父は私が結婚をすると報告したときにものすごい形相で「ぜったいにあかん!いいか!あいつだけは駄目だ!あいつは!!死神だぞ!!」とはじめて怒った祖父を見て私はびっくりしましたが私も負けじと祖父にたてついてしまって・・・「じいちゃん!!なんで結婚相手を知らないのにそんなことを言うのよ」と私はすごい剣幕で祖父に言ってしまったんです

「いいかい!もう一度言うぞ、絶対に許さんからな!!」と祖父は怒って部屋から出て行ってしまいました・・・祖父の言う通りでした・・・私の元旦那は死神でした・・・・

あの人と結婚してしばらくして私の父や母が相次いで死んだんです・・・それも死因の原因が全く分からないのです・・・いわゆる突然死でした・・・祖父は「ほれみろ!わしが言ったとおりだろ!いますぐあいつと別れたほうがいいぞ!!」と言われましたけれど・・・

お腹にはカナがいましたし・・・どうしようか迷っていた時に今度は祖父が他界してしまったんです・・・私はようやく決心をして旦那に「別れてほしい」と言ったのですが「はぁ?・・・なんで?・・・あのくそじじぃ!俺が「死神」だと親戚中にいいふらしていたようだけどな・・・俺は死神じゃねーよ」と言ったときの旦那の目は完全に死んでいました

この人は間違いなく「死神」だと確信したんです

祖父が亡くなる前に大喧嘩になったことがあるんです

祖父は「いいかい、あいつは間違いなく死神だ、あいつの目をよく見たことあるかい?

おまえには話さなかったけれど一度あいつが息子(お母さんの実家)の家に来たことがあってな・・・ふとわしはあいつの目を見たんだよ・・完全に死んでいた目だ・・目の輝きが無かったんだよ・・・わしの親父から「死神の見分け方は簡単、目を見ろ!いくら顔で笑顔を作っていてもな、目は完全に死んでるんだよ、そういう目をした奴に出会ったら最後・・・死ぬ運命だぞ!」と聞かされたんだよ

私は信じていませんでした・・・でも別れる時の話をしたときにあの人の目を見たら完全に死んだ目でした

祖父の言ったとおりになったんです」とおかあさんの目には涙がこぼれていた

「やはりな・・・そういうことか・・・この3体な・・・成仏できずにカナちゃんの体の中にいるんだよ・・・カナちゃんのことが心配しているのはわかるんだが・・・それが余計な霊をも引き寄せてしまってるんだよ・・・こりゃ・・・早くなんとかしないとな」とオヤジは頭を掻きながら天井を見上げた

「オヤジ・・・大丈夫か?」

「あぁ・・・あのなぁ・・・相手が悪すぎる・・・」

「え?・・カナちゃんの中にいるのは祖父や両親だろ?説得すれば納得するんじゃないのか?」

「いや・・・違うんだよ・・・この3体は間違いなくお母さんの祖父や両親なんだが・・・それがな・・・この3体を完全に支配している奴がいるんだよ・・例のお母さんの元旦那なんだよ・・・」

「え!??・・・」

「おっしゃる通りだと思います・・・私の元旦那は自殺しました・・・それもすごい死に方だったんです」とおかあさんは話し出した

元旦那は自分の腹を切って自分の首を切り落として死んでいたのだそうだ(内実はもっとすざましい死に方で現場に着いた警察官全員が嘔吐したらしい)

遺書にはお母さんたちを呪う言葉が書かれていた

遺書には「こいつの体を乗っ取ったのはいいがいかんせん・・・こいつは病気持ちだった・・・俺はこいつを道連れにして死んでやるわ・・おまえら絶対に許さんからな・・・

」と書かれていたそうだ

私は鳥肌が立った

このすざましい怨念

オヤジが嘆いたのがわかった

「オヤジ・・・どうするんだよ」

「俺・・・おじきのところへ行って頼んでくるわ」

オヤジのおじさんは寺の住職だ

「まぁ・・・家の中にいれば安心だと思うけれど・・・油断はできないぞ

お守りと薬は全員持っててくれよな・・・」と弱気なオヤジの言葉だ

私はカナちゃんとお母さんにお守りと薬の説明をして手渡した

カナちゃんを見ると本当に小さい時のF子にそっくりだ

「オヤジ・・・カナちゃん、小さい時のF子だよな」

「だろ!俺な、はじめてカナちゃんを見たときに思わずF子ちゃんかと思ったくらいだ」

「そうなんですか?そんなにF子さんに似てらっしゃるんですか?」

「雰囲気がよく似てるんですよ、小さな声で話すときもね」

「そうだわね、たしかに、しゃべるときの小さな声、F子だわね」とおふくろが割り込んできた

「おっちーー!!そうなんだぞ、F子ちゃんだ」能天気S子も割り込んできた

突然、私のスマホが鳴った

私はびっくりして体がすこし宙に浮いた

「わっ!!びっくりした、誰だ?・・・・オヤジ!F子からだよ」

「なに!F子ちゃん!おい、代われ!!」

オヤジは私のスマホを強引に奪い取ってしゃべりだした

オヤジの嬉しそうな顔

「おい!!F!F子ちゃんが帰ってきてくれるぞ!」

「え・・・帰ってきてもなぁ・・・」

「なんだよ、その言い方はよ、それでも兄貴かよ」

「あのさ・・もうF子には能力が無いんだぞ

万が一、F子の身に何か起こったらどうするんだよ」

「あ!そうだった・・・」

このクソ親父!!

「じいちゃ・・おじさん・・・ごめんなさい・・・カナのせいで・・・」と小さな声で頭を下げていた

「ううんいいんだよカナちゃん!それよりも葵と一緒に遊んでほしいな」

「うん!!!」

次の日

オヤジはおじさんの寺へ行ってしまった

夜中に和尚様からの返事のメールが来ていた

今日の夜に来てくれそうだ

昼前にF子とS君が帰ってきた

「ただいま~~アニキ!!いる?」

「ほら!!アニキ!!何してるのよ!さっさと上がってよ」とF子の大きな声

「あのぉ~~~どちらさまでしょうか?」とカナちゃんのお母さんが応対してくれた

「え!?」とびっくりしたF子

「え・・と・・・誰です?」とF子は尋ねた

「あのぉ・・・この家にお世話になっています」

「ああ!ごめん!F子!!」

「アニキ!!」

私はF子とS君にカナちゃんのことやお母さんのことについて説明をした

「そうだったの・・・アニキ!パパから聞いたよ!私も何か手伝うことがあれば遠慮無く言ってよね」

「ありがと!」

「F!なんでも手伝うよ」

「F君、ありがと」

「おっちーー!!アニキ!そんなこと言っていいのか?途中で嫌になって逃げるんじゃない?」

「何を言うか!S子!」

「だってさ・・・アニキ・・・逃げたしたことあるんだぞ」

「S子!ここで言うなよ」

ごちゃごちゃ言いながらリビングへ向かった

「ママ!!ただいま」

「おやおや・・・早かったね・・・少し休憩をするといいよ」とおふくろはお茶を出してきた

「アニキ!早く座ってよね」とF子の元気な声

「あぁあ・・」

完全に尻につかれてる

「あのぉ・・あの方がF子さん?」とお母さんが私に小さな声で聞いてきた

「そうです、妹のF子です」

「元気ですよね?本当にカナみたいに小さな声をしていたのですか?」

「はい・・小さい時は私の後ろにいつも隠れていました・・すごい人見知りで・・

しゃべるときも小さな声で話をしてましたよ」

「そうですか・・・信じられません・・それに綺麗ですよね・・・モデルさんみたい」

「モデルをしてますよ、隣にいるのがS君でF子の婚約者でカメラマンです」

「そうだったんですか!やはりモデルさんですよね・・・カナも大きくなったら健康な体になるんでしょうか?」

「大丈夫!オヤジのマジックにカナちゃんはかかりましたからね」

「マジックですか?」

「そうです!大丈夫」

「アニキ!!何ゴソゴソ話してるのよ?私の悪口言ってるでしょ?」とギロリと私をにらみつけてきた

「いや・・・別に・・・」

「F子さん・・・きついですよね?・・」

「いや・・まぁ・・・顔がくっきりしてるんできつくみえるだけです・・・」

「そうでしたか」

オヤジが夕方に帰ってきた

「おじきが手伝ってくれることになった

これでなんとかなりそうだぜ

あとはあのクソ坊主だな」

おいおい・・・

「和尚さんは今夜に来るよ」

「そっかい!」

「オネエ・・チャン・・カナ・・・」

カナちゃんがF子のそばに寄ってきた

「はい?・・・」とF子は小さな女の子に顔を向けて返事をした

「F子・・・オネエ・・チャン」

カナちゃんがF子の手を握った

「え・・・ちょっとまって・・・なに・・・」

「どうした?F子?」

「アニキ・・・カナちゃんかな?・・・すごいパワーを感じる・・・

楓ちゃんと同じくらい・・・すごい!!昔の私だよ!」

「どういうこと?」

「アニキ!!カナちゃん、すごい霊力を持ってる!」

「なに!!カナちゃんは霊力を持ってるのか?」

「そうだよ、すごいな・・・これなら何とかなるよ、パパ、アニキ」

「カナちゃんの霊力があるからなかなか霊障が起きなかったんだ

カナちゃん自身もなんとか頑張ってもらわないとな」

しかし・・・ところが・・・これがなかなか・・・

結論を言えば失敗をした

相手が強かった

あっちの守り神が「死神」なのだ

その死神にこの3体の霊は支配されていて操り人形のような状態なのだ

和尚様、オヤジのおじさん、オヤジの3人で戦ったんだが

どういうわけかお経などが全然効かなかった

オヤジたちは時間とともに疲労とあせりが出てきて心の隙間に邪念を抱くようになったらしい

そこへ死神はすかさず侵入してきた

最悪なことにカナちゃんのお母さんが倒れてしまった

別に霊障ではないのだが疲労が蓄積されて倒れたようだ

カナちゃんも疲労して元気が無くなってしまった

完全に完敗

「こりゃあかんですわい、オヤジ殿、一旦退きましょ」

「くそ!!!こりゃ・・・長期戦になるかもな」

「さよう・・・わしらの力不足じゃで・・・一旦、止めよう」

とにかくカナちゃん親子の体力が戻るまでは一旦止めになった

月3~4回程度の短時間での除霊をしてみることになった

Concrete
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