今日の夕食時に楓が不思議な話をしだした
学校で交通安全のための講習会があって警察官が3人来たそうだ
楓は先生と一緒に出迎えたらしい
先生が楓に「粗相のないようね」と小声で言われて楓は「はい」と答えた
講習会も終わり昼過ぎにその3人の警察官たちは校長室から出てきた
廊下を歩いていると楓と同じ同級生の男の子がふざけてほうきでチャンバラごっこをしていた
その時に一番後ろを歩いていた警察官の頭にほうきの先が当たってしまった
周りにいた全員、一瞬で動きが止まってしまった
先生と楓も後ろを振り向き何が起こったのかを悟った
ふざけていた男の子は唖然として突っ立たままだった
部下らしい警察官が「副本部長!!大丈夫ですか?」とその警察官の体を支えていた
「わしは大丈夫だ、びっくりした・・・・」と小さな声でその部下にしゃべっていた
もちろん案内をしていた先生は真っ青な顔をして「すいません!!」と即座に頭を下げた
「〇〇君!!すぐに謝りなさい!!」とすごい剣幕で怒った
その男の子は我に返り「ど・・ど・・どうもすいません」と頭を下げた
「いや・・いいんだよ・・・いずれ・・君は・・警察庁長官となられる身分だから・・」と頭をかかえながら小声でしゃべった
楓はたしかにそう聞こえた
「君は・・警察庁長官となられる身分だから・・」と聞こえた
楓は「え・・・・」と思ったらしい
部下が「叱らないでください」と先生に言っていた
先生も「えっ」という顔をしていた
頭をたたかれた警察官は男の子の前に立ち「元気な子だ・・・やはり・・・違う・・いずれ君は我々の・・いや・・日本のために・・・」と言いながら警察官3人はその男の子の前に立ち敬礼をしていた
「行こうか・・・」と部下にささやいて早々に学校から出て行った
周りにいた連中はびっくりしていた
特に楓の同級生の男の子は茫然としていた
先生と楓はすぐに校長室へ行き
このことを先生は校長先生に報告をした
もちろん校長先生は報告を聞いて即座に県警へ謝罪するために電話をした
県警からは「はい・・え・・・交通安全の講習会ですか?・・・副本部長は一度も外へ出ていませんよ・・それに交通安全の講習会というか頼んでいません・・・」
「え・・・頼んでいませんでしたか?」と校長先生はびっくりした顔になった
「確か1週間前に県警から「交通安全の講習会をぜひあなたの学校で実施したい」と電話がありました」
「いや、こちらから頼むことは絶対にありません」
「え・・・どういうこと・・・」
「もしかしたら偽者かもしれません・・・何か被害はありませんでしたか?」
「いえ・・何も・・・ただ、うちの生徒がふざけて後ろを歩いていた警官の頭を叩いてしまったんです、それで謝罪をするために電話をかけたんです」
「え・・・叩いたんですか?・・・」
「はい・・・」
「それは・・・講習会の内容はどうでしたか?」
「はい、別段、怪しいところはありませんでした・・・」
「そうですか・・・ほかに気になることはありませんでしたか?」
「案内をした先生の報告によればその生徒の前で3人の警察官が敬礼をしたそうです」
「え・・敬礼ですか!?・・・生徒に敬礼ですか・・・」
「はい・・・」
「名刺とか身分を証明をするものは見ましたか?」
「はい、名刺と警察手帳を見ました」
「名刺ですか・・・すいません、その名刺に書かれている名前を教えてください」
「はい・・〇〇さんですね」
「え・・うちにはそういう人はいませんよ・・・」
「いないんですか?」
「はい、いません・・・これは・・・もう少し聞きたいので県警から警察官を向かわせますね」
というかんじで校長先生と県警の人の話を楓は聞いていた
楓もいろいろと聞かれたらしい
講習会もきちんと進行していた
全校生徒の前で一番後ろを歩いていた警察官が堂々と話をしていた
とても偽者とは思えなかった
楓は興奮しながら話をした
普通の家なら「へぇ~~~何だろうね・・・」という感じで終わると思う
が!!!うちはそういう類は別に珍しくはない
「こりゃ・・・未来から来た連中だな・・そのボウズに敬礼をしたとなるとそいつらはボウズの部下だな・・・」とオヤジはニヤニヤしながら話をした
「確かにそうだと思う」と私も同意した
しかし、わざわざ未来から何しに来たんだろう
「わざわざボウズに会うために来たのかな・・・
何か未来で大変なことがおきたんじゃねーのかよ
それもボウズに関係するんじゃねーのか
楓ちゃんが言ってた「警察庁長官」になるんだろそのボウズ・・・
今後、そのボウズに何かおきるんじゃねーのかよ」とオヤジはベラベラとしゃべった
オヤジの予想は的中した
1か月後にその生徒は窓を拭いていた3階から落ちて意識不明になった
別にふざけていたわけではない
ほかの生徒からの証言だとそのまま落下していったそうだ
その当日は救急車やパトカーが来て学校中が大騒ぎをしていたと楓から聞いた
ただ・・・楓が言うにはその生徒が落ちた数分後に1台のパトカーがやってきたんだそうだ
そのパトカーから降りてきたのは例の3人組
その生徒の傍により何かしていたらしい
遠くから救急車のサイレンが聞こえてきたときにその3人組は慌ててパトカーに乗り学校から出て行ったということだ
それを見ていた先生も「楓ちゃん・・・何あれ・・あのパトカー何しに来たの?
事故検分をするために来たんじゃないの?」と呆れた顔をしていた
「先生・・・あのパトカーから降りてきたのは例の3人組だよ・・・」と楓が言うと
「え!・・・うそぉ・・・どういうこと?」と先生はびっくりした顔になった
救急車やパトカーが来てその一帯は立ち入り禁止になった
その生徒は救急車に乗せられて学校から出て行った
急遽午後からの授業は中止となった
ところが・・・数日後・・・楓がまた血相を変えて帰ってきた
「パパ!!!!!大変!!!!」と玄関のドアをおもっきし閉めて走ってきた
「楓、廊下を走らない!転ぶよ」と私が言うと
「パパ!!!大変!!ほら・・例の私の同級生の男の子・・・今日、学校に来たよ
噂では意識不明で集中治療室に入ってて家族の人も面会謝絶だっていう話だったんだけど・・・
朝からすごく元気でいつもの男の子だったよ」
「え・・うそだろ・・・たった数日で元気になれるのか?信じられん・・・」
「私や先生やみんな、びっくりしてたよ」と楓は目をまんまるにして私に話してきた
こりゃ・・おかしい・・・3階から落ちて意識不明だっんだろ・・・
数日後に元気になった?
なんか怪しいな
夕食時にその例の男の子の話題になった
「そうそう!みんなびっくりしてたよ、その話で盛り上がってたよ
クラスメートの一人がわざわざそいつを見に行ったし・・・・
そいつの話だと「どこも傷一つなかった」と言ってたけどね」と仁は学校であったことを話をした
「うそだろ・・・傷一つないって・・・そいつは不死身かよ」とオヤジは絶句した
もう夕食時はその話題でうるさいほどだった
ひとつ気になるのは例の3人組、その生徒に何かしらの蘇生を施したんじゃないのかと思っている
よほど、その生徒には死んでもらいたくはないのだと思う
オヤジも私と同じ意見だ
だからわざわざ未来から来たのだと思う
しかし・・・なんで交通安全の講習会をしたんだろう?
あんなに人目がつくのに・・・・
私は例の事を元捜査課長に話をした
元捜査課長もびっくりしていた
「何か裏がある」と言い後日に話をするからと連絡を待った
数日後の夕方、元捜査課長が来た
「こんばんわ・・・夕食時にお邪魔をして・・・
F君・・・ちょっとな・・・例のあの話な・・・・
県警へ行って関係者に聞いてきたんだけどな・・・
県警でもちょっとパニックになってた
病院の方も行ってきた
例の生徒のことだけど・・・確かに集中治療室へ入ってたのは確かだよ・・・
意識不明でな・・
医者もダメかもとあきらめていたらしい
体中に落ちた時についた傷が多数あったらしい
内臓も落ちた圧力で一部損傷をしていたようだよ
ところが・・・1日明けたら・・・
その生徒に意識が戻って・・・体中の傷が全部治ってた
内臓もきれいに治ってた
これには医者もびっくり
半日後にはちゃんと歩けるようになったようだよ
その日の夕方にちょっとした事件が起きたようだ
○○県警と名乗る3人の警察官が集中治療室へいきなり入ってきたそうだよ
もちろん面会謝絶だから医者たちはその3人組を追い出そうとしたんだけど
「我々は○○県警の者だ、副本部長もいる、これからこの患者に対して話を聞く、
お前たちはここから出るように」と3人は警察手帳を見せながら医者たちを追い出したらしい
こう言われたら医者たちも仕方ないと思い部屋から出て行った
医者の一人から聞いたのだが結構患者に対して慎重な態度を取っていたらしい
患者の体をあちこち触りながら顔を見合わせ頷いていたらしい
およそ1時間後に
「この患者にはもう異常はない
今晩に退院させるように」と言われたようだ
念のために医者たちはもう1度患者の体を調べだがどこも異常はなかった
家族を呼んで男の子は退院したそうだよ」と少し興奮気味に話をしてくれた
「おい・・・たった1日でか・・・俺と同じ能力でもあるのかよ、そのボウズ
信じられん・・・一体その3人組は何だよ?」とオヤジはびっくりした顔をしていた
「俺も気になってな・・・その場にいた医者からそいつらの警察手帳に書かれていた名前を思い出してもらいここの県の県警本部へ調べてもらったんだけどな・・・
ところが該当する名前が見当たらない
おかしい・・・警察手帳は偽物なのかと疑ったよ
ふと俺は思った・・もしや・・・と
俺の知り合いに県警本部の結構、上の者がいるんでそいつに全国の県警本部にいる警察官の名前を調べてもらった
いたんだよ!!3人ともな
同じ名前があった
でもな・・・名前はあったのだが・・・年齢が全然違う
楓ちゃんの話だと3人とも結構年だと言っていたから
それも所属する県警本部が3人とも全然違う
3人ともまだ20代なんだよ
どういうこった!!と思ったよ
もちろん20代の3人組の裏は取ったよ
アリバイがあった
楓ちゃんの学校へ行っていないことが証明された
俺の頭じゃもう理解できないよ、F君」と元捜査課長は疲れた顔で話をしてくれた
「こりゃ・・・間違いないぜ、3人組は未来から来たんだぜ
もしボウズが死んでいたら未来の世界は変わるからな
よほど何かよくわからんが、大事なんだろうな」とオヤジは天井を見ながらつぶやいた
突然、家の電話が鳴った
私は受話器を取った
「オマエタチ・・・コノコトニツイテ・・モウワスレロ・・・
モウコノコトハオワッタ・・・カンヨスルナ・・・ミライモカコモナイ
フカイリスルナ・・・イノチノ・・・ホショウハナイ」と人工的な音声が聞こえてきた
「おい!!何の話だ?オイ!!」と私は叫んだがもう切れていた
私はリビングへ戻り今さっきの電話の話の内容をみんなに伝えた
「脅迫電話かよ・・・なんで俺んちなんだよ・・・訳がわからん」とオヤジは苛立っていた
一同シーンと静まり返ってしまった
F子とS君がうちに来た
「ただいま~~~アニキ~~~S子ちゃん~~~」とF子の元気な声
リビングへ2人が入ってきた
「な・・なに・・・このお通夜みたいな雰囲気・・・何かあったの?」とF子はびっくりした顔で一同を見回していた
「いまさっき・・・家の前にパトカーが1台、止まっていたけど・・・
おやっさん・・・なにかやったのか?」とS君が真顔になっていた
「おいおい・・・Sちゃん・・・俺は何もしてないぜ・・・」とオヤジの返事
思わず吹き出しそうになったけれど・・・パトカーが家の前に・・・・
F子とS君以外・・・
全員・・・背筋に電気が走った・・・
あいつら・・・マジだぞ・・・
作者名無しの幽霊
何か知らんが深入りするなと脅迫された
別に・・・深入りする気はないが・・・気にはなる
この転落事故のことを探ってほしくないということかな
それとも・・・3人組のことを調べるなということか
というかなんでうちなんだ?
元捜査課長が動いたからか?
もし3人組が未来から来たのであれば過去のことはすべて見通しだということだけど
どうもなぁ・・・腑に落ちない・・・
もちろん家族のこともあるので深入りはしない
不思議というかある意味・・・ゾッとしたよ