これは結構前のお話、
怖い話と言うよりは不思議魔な話。
まだ私が写真を始める前の事だ。
私は昔から彼岸花が好きで秋になると彼岸花を見る為に外へ良く行っていた。
そんなある日大きな道を外れた林道に彼岸花が沢山咲いている広場があった。
あまりに綺麗で子供心ながらに感動した記憶がある、
そこを見つけて次の次の年くらいだったかな、
その年の夏の終わりに夢を見たんだ、
あの広場に何時にも増して綺麗に咲き誇る彼岸花、
そこに私が一人佇んでいる、それだけの夢を。
なんでまだ時期でも無いのにこんな夢を見たのか不思議だった。
そしてその年の10月、
私はその広場に行ってみて愕然とした、
そこにはあの時の姿は無く、売地と無機質に書かれた看板だけになっていた。
ひょっとしたら彼岸花がお別れを言いに来たのかな、そう思ったんだよね。
カメラを手にした今、また見に行けたらどんなに良かったか…。
作者かえで
昔見た彼岸花の話、彼岸花の時期なので投稿。