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中編6
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農場の跡地 "2夜 "

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昨夜、お読み頂いた方、

ありがとうございます。

長文になってしまいましたが、

続きを書き込ませて頂きます。

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Eさん達は、恐る恐る上ったそうです。

いつ、崩れるか分からない階段を。

2階に上がると、廊下に出ました。

部屋が3つ、あったそうです。

まず初めに手前のドアを開けました。

その部屋は、生活感に溢れており、

机の上には何本かの空のビール缶、

台所には、

包丁で刻んでいた途中の野菜がある、と言う

状態でした。

( もちろん野菜は腐ってますが )

「 何だよ、この部屋、、、

誰かが、住んでたのか? 」

と、Aさんが言いつつ、

そして、2つ目の部屋に向かいました。

ドアを開けようとした瞬間に、

何とも言えない腐臭がしました。

そして、ドアを開け、部屋の中を見ると、

何十もの猫や鳥が、

部屋中に、所狭しと死んでたそうです。

中には白骨化した物もあったらしく、、、

すぐにドアを閉めました。

「 何だよ、これ、、、

ヤバいんじゃない!? 」

と、Bさんは、

震え上がってたそうなのですが、

後は、3つ目の、

突き当たりの部屋だけです。

Eさんは、何も言わずに、

最後の部屋のドアを開けました。

Eさんは、何も言わずに、

動きもしません。

「 おい、E! 何なんだよ!」

と、Bさんが焦って言うと、

Eさんは、黙って指さしたそうです。

急いで、AさんとBさんが部屋に入ると、

そこには、

小さなちゃぶ台が置かれていました。

その上に、

骨壷と、、、

そして、その横に

誰かも分からない、

お婆さんの遺影が置いてあったそうです。

3人とも、しばらく沈黙でしたが、

急に我に返り、

「 えっ? 警察か? 」

と、警察を呼びました。

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しかし、警察が来たものの、

その状況を見て、

「 警察は、これ以上、関与出来ない。

寺に持って行け 。」

と言われたそうです。

3人は 、

( え? DNA鑑定とかさ、

そう言うの、しないの、、、?)

と、戸惑ったらしいですが、

しばらくして、

警察が引き上げてしまったので、

「 じゃあ、明日、

お寺に持って行ってみるか、、、」

と言う話になりました。

かなり渋々でしたが。

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その後、みんなでAさんのアパートに

行きました。

さっき撮ってきた、

ビデオとデジカメを見る為です。

そのビデオには、

2階に行った途端、物凄い数のオーブ?が

円を描く様に、映っていたそうです。

そして、デジカメには、

3つの光が、3人それぞれの頭の上に、

映ってたらしいのです。

そんな映像に、

みんな黙り込んだまま観ていると、

警察も帰り、

最後に3人が作業場を出た時の

映像になりました。

Eさんが ( これも礼儀だし ) と思い、

大声で「 お邪魔しましたーっ!!」

と、言っている映像です。

すると、それに応えるかの様に、

” あ"〜〜〜 あ"〜〜 ”

と言う、不気味な声が入っていたそうです。

当然、Eさんが、それを言った時には、

聞こえなかった声です。

3人はゾッとしました。

しかし、それを打ち消すかのように、

Bさんが、

「 気味悪いし、もう寝よう 」

と言い、みんな寝る事になったらしいです。

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しばらくして、

何となくうるさい音で、

Eさんは起きました。

( 、、、誰か、米、研いでんの、、、?

しかも、どんだけ長く研いでんだよ )

と、半分ブチ切れながら、

台所に行きました。

しかし、誰もいません。

そのうちに、目も覚めてきて、

( この音は、米を研いでる音じゃない、、、

何回も、何回も、

机の上とかで、

ずっと、ビー玉を落としてる音だ、、、)

と言う事に気付きました。

その音は、

ずっと、ずっと、耳から離れません。

助けを求めに、隣の部屋に行ってみると、

Bさんが、一心不乱にテレビを観ているそうです。

Eさんが、

「 なぁ、オレさ、、、

ずっと、ビー玉を落としてるような音が

聞こえるんだけど、、、

これ、何?」

と、不機嫌そうに言うと、

Bさんも言ったそうです。

「 オレもさ、、、

さっきからテレビ観てるとさ、

コマーシャルみたいに、白黒の婆さんが、

テレビに出てくるんだよね、、、」

さすがに2人は、

何かヤバいんじゃない? と思い、

Aさんの所に行きました。

「 おい!A! 大丈夫か!?」

Aさんは、寝ぼけ眼で、

「 あー? 何かあったん?」

と、言いました。

Aさんには、何も起きて無かったようです。

2人の話を聞き、Aさんは、

「 すぐにお寺に行こう 」と言いました。

3人は急いで、骨壷と遺影を持って、

お寺に行きましたが、

お坊さんから言われた第一声が、

「 何で、

こんなもん持ってくるんだーっ!!」

と、怒り狂う言葉だったそうです。

3人が経緯を説明し、

しかし、お坊さんは、

「 、、、

とりあえず、お祓いが先だ、、、

そこに3人、座りなさい 」

と言いました。

3人は、気が気でなりません。

( 何故、お祓い、、、? ) と。

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しばらくして、弟子らしき人が10人程来て、

3人の周りに、火を焚き始めました。

そしてお坊さんが、

かなり大きな経典を持って来て、

何やらブツブツ唱えながら、

その経典で、みんなの肩やら背中を、

これでもかっ!って言うくらい、

強く叩き続けたそうです。

それは、何十時間にも及びました。

やっとお祓いが終わると、

Eさんにはもう、

ビー玉の音はしなかったそうです。

3人は疲れ果てていましたが、

お坊さんに聞きました。

「 この骨壷、、、

無縁墓に入れられないのですか?」

しかし、

「 残念だけど、入れられないな。

私が元の場所に戻して、ドアに御札を

貼っておくしかない 」

そう言われたそうです。

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3人は帰り道、

社長に何て言う? などと話していましたが、

ちゃんと、バイト代は出たそうです。

しかも、そのお寺から、社長さんに、

"1人3万円 " と言う、お祓いの請求が来たそうで、

「 坊さんはケチだ 」と、店長さんは笑いました。

そして、例のテレビで放映されたと言う、

白黒の老婆のビデオは、

Bさんが、送ったものらしくて、

「 あいつだけ、小遣いしやがって 」

と言って、またまた笑っていました。

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私は、その話を聞いて、

「 え!? ヤバくないですか?

すげぇ、怖いんですけど。

私だったら、

まず、2階に上れませんけどね。

でも、そんな体験談、

他のお客さんに言ったら、

大変じゃありませんか? 」

と言うと、

「 まぁ、僕も若かったですからねー」

と微笑みつつ、

「 あと、もう遅い時間で、

お客さんが、 Kさん ( 私の事です ) しか

居なかったから、話したんですよ 」

と、いつもの優しい店長さんでした。

でも、

「 あんな思いは、2度としたくない 」

とは、言いませんでした。

私は内心、ずっと、

( えっ?

寺に断られる?

しかも、そこまでのお祓いって、、、?

お祓いの話は、幾つも聞いた事あるし、

実際、私もお祓いしてもらった事あるけど。

警察も出てきてるし、

本当に、そんな事ってあるの? )

と、思ってしまいましたが、

変な嘘を吐くような方ではないですし、

店長さんの話す口調や、表情で、

( あー、ほんとに体験したんだ、、、)

と、思いました。

だから、

「 詳しくは話さないでね 」と言ったのかも、と。

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その後、その社長は、

農場を引き払ったそうです。

しかし、今でも、

その農場の跡地にある作業場に、

その老婆の骨壷と遺影が置かれてると思うと、

何だか不気味です。

お坊さんが、その部屋のドアに、

御札を貼ったそうですが、、、。

しかし、また、Eさん達のように、

誰かが立ち入ったらどうなるのかな、、、

と、思います。

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