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友達のアパートに逃げ込んだ話

中編5
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友達のアパートに逃げ込んだ話

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私が大学に入学し、1人暮らしを始めて、

2、3ヶ月ほど経った頃の話です。

大学にも馴染んできて、友達もできて、、、

そんな、

楽しい毎日を過ごしていました。

以前から、実家にいた時、

何度か不可思議な体験をしてはいましたが、

しかし、

この頃に起きた出来事は、

私にとって、思い出したくも無いくらいの、

かなり強烈なものとなりました。

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私は、ボロアパートに住んでいたのですが、

ある日を境に、毎晩のように、

俗に言う ” 金縛り ” に遭うようになりました。

( ” 足元から来る人 ” は、その後の話になります )

この金縛りが、普通の金縛りと違うのは、

玄関から、誰かが入って来ると言う事です。

玄関と部屋の間には、ドアがあるのですが、

ドアを閉めているのにも関わらず、

玄関から誰かが、

入って来る様子が見えました。

そして、毎晩、毎晩、違う人が来るのです。

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1番最初に来た人は、

黒いスーツ姿の男性が、4、5人でした。

1人は、天井の角に、

私が服を吊るしてある竿の上にいて、

後の2人くらいは、そこら辺で、

ボーッと立っています。

そして、ある1人が、

私のベッドの、すぐ右脇に座っており、

( 部屋の突き当たりの窓に対して、

平行にベッドを置いており、左側は窓です )

私の右腕を掴みながら、何か言っています。

私は、そういう状態の時、

視覚と触覚は働くのですが、

聴覚は働きません。

なので、彼の必死さは伝わるのですが、

申し訳無い事に、

結局、声が聞こえないので、

何をして欲しいのかが、分からないのです。

そうこうしている内に、

身体が動くようになり、彼らも居なくなっていました。

( 何か、気持ち悪い、、、)

そう思いながらも、

それから、

毎晩のように、誰かが訪れました。

みんな、私の右腕を掴みます。

ある時は、カップルらしき男女。

女性が私の右腕を掴み、

必死に何かを言っています。

その隣にいる男性の顔は、

モザイクがかかったようにボヤけています。

その瞬間、

( あ、この男性は、今も生きてるんだな )

と、何故か思いました。

またある時は、犬が来ました。

スピッツみたいな、

フサフサな感じの毛の犬です。

私の右腕に両方の前足を乗せて、

「 ハッ、ハッ、」と、

何となく嬉しそうな顔で、

( 私が、そう感じただけなのですが )

息を切らせていました。

私は、毎晩のように、

来る人、来る人、みんなに、

( ごめんね、

声が聞こえないから、

私には、何もしてあげられない、、、)

と、謝っていました。

私には、そうするしかありませんでした。

何故なら、

彼らがみんな、必死で、私の右腕を掴み、

何かを訴えてるからです。

そんな事が続き、

アパートに帰るのもイヤになっていました。

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ある日、アパートで寝ていると、

また、いつもの様に、金縛りに遭いました。

( あーぁ、、、) と思いつつも、

何となく、いつもと違います。

誰も玄関から入って来ないのです。

そして、いつもなら、誰かが入って来た時に、

まるで電気をつけてるかの様に、

部屋中が明るいのですが、暗いままです。

( うん?

一体、今日は誰が来たんだ、、、? )

と思いますが、

私の右腕を掴む人は、誰もいません。

しかも、いつもなら、

見てなくても見える、玄関も、部屋も、

全然見えません。

( えっ、何、、、?)

しばらくそのままで居ましたが、

そのうち、

バタバタバタバタッと、凄い数の音が聞こえました。

( 聴覚は働かないはずなのに、

しかも視覚は働かないし、、、)

そう思ってると、首だけが右に動きました。

部屋の方へと動かされた、と言うか、、、

そこには、

部屋中に、何十もの足首が、

くるぶしから下だけの足首が、

バタバタバタバタッと、

凄い速さで、動き回ってたのです。

暗い部屋に、

その足首達は、青白く動いていました。

左足首も、右足首も、バラバラで。

私は、声も出ない、身体も動かない、

でも、目が離せません。

” 何も考えられない、とはこの事だ ” と、

後になって思いました。

そして、しばらくして、

突然、ある瞬間に、何もいなくなりました。

( 今まで、、、いたよね、、、?) と、

不思議なくらい。

私の身体も自由になりましたが、

足首が走り回っていた床に、足を下ろすのは、かなり勇気がいりました。

そして、すぐさま近くの友人に電話をし、

泣きながらチャリを漕ぎました。

友人のアパートに着き、

友人とその彼氏 ( 彼も、私の友人です ) に、

今あった事を、話しました。

友人も、怖くて泣いてしまいました。

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その夜は2人の優しさもあり、

友人と彼の間に、寝かせてもらいました。

私は、アパートに帰る気にもなれず、

それを理解してくれてた2人は、

「 しばらく、ここに居なよ 」

と、言ってくれました。

1、2日、泊まらせてもらいましたが、

しかし、アパートには、イヤでも戻らなければならないですし、

2人の好意に甘えてても良くないし。

私は、自分のアパートに帰る事にしました。

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その後、誰かにその事を話した時に、

「 部屋の間取りを描いて 」と言われ、

描きましたが、

「 ベッドの下が、霊道になってるから、

ベッドの場所を変えた方が良い 」

と言われ、

でも、何故か私は、

( 何か違う、、、) と思い、

胡散臭えと、ベッドの場所は変えませんでした。

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その後、

足元から来る人にも出会いましたし、

あまり、このような場所では、

言いにくい事もありましたし、

色んな体験をしましたが、

そんな話も、また別の機会にお話し出来れば、

と思います。

私の体験を、夢だとか、幻覚だとか、

疲れてただけじゃない?とか、

おっしゃる方もいるでしょう。

でも、私は、

” じゃあ、

何故、そのような現象が起こったのか、

こと細かく説明して欲しい ”

と言いたくなります。

私にとっては、紛れもない事実ですし、

あんな恐怖は、

絶対に、2度と味わいたくはありませんから。

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