長編27
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建替中の出来事

  

「お疲れ様でした。これで全部決定しましたね。もうギリギリでしたよ。今日決めてもらえなかったら工事が止まるところでした」

分厚い壁紙のサンプル帳を閉じて、営業担当の井上さんが冗談ぽく笑った。

「すいません、私本当に優柔不断で。主人も一緒に考えてくれればいいのに、あの人はこういうの全然興味無いみたいで」

実際は壁紙以外のことも、旦那はこの新居の計画にほとんど口を挟まなかった。

風呂は広くして欲しい。

主張したのはそれくらいだ。

家を建て替えたいと言い出したのは私だった。

旦那の生まれ育ったあの家を。

あの人にとってはそれなりに思い入れのある家だったはずだ。

私はそのことについては罪悪感みたいなものを感じていたので、建築会社を探すところから何から全部一人でやっていることも、文句を言ってはいけないと自分に言い聞かせていた。

「お嬢さんはすぐ決めてくれましたけどね」

井上さんがまた笑いながら言った。

一人娘の彩香もこの計画に積極的には参加してこなかった。

家に興味が無いというより、私との関係性がそうさせているのだと思う。

彩香は元々口数の少ない子だけど、中学生になり反抗期なのか、めっきり私と会話をしなくなった。

いや、反抗期のせいばかりじゃないだろう。

あの子はきっと私の心を敏感に感じとっているのだ。

もの静かで少し何を考えているか分からないところや、それでいて人の感情を敏感に察しているところ、そういうところはお義母さんによく似ている。

「そうなんです。自分の部屋の壁紙くらいは自分で決めなさいって言って引っ張ってきたら、あっと言う間に決めちゃって。優柔不断なところは私に似なかったみたいね」

娘がどういう壁紙を好むのか全く分からず、前回の打ち合わせに同席させて本人に選ばせた。

彩香が年頃の女の子らしい淡いピンクの壁紙を選ぶのを見て、変な話だけど少しホッとした気持ちになった。

  

建築会社の前で井上さんに見送られ自宅へ向かって歩き出した。

自宅と言っても本当の自宅ではなく、建替工事中の間だけの仮住まいだ。

何から何まですぐ決められない私に根気よく付き合ってくれた井上さんには本当に感謝している。

あの仮住まいの家も井上さんが見つけてきてくれた。

世の中には私達のように自宅を建て替える人が借りる仮住まい用の家というものがあることを初めて知った。

仮住まい用と言っても普通の家なのだけど、

オーナー側の事情や思惑で、数ヶ月という短期でしか貸さないという方針の貸家なのだ。

元々短期貸し物件というのは、建て替え間近の築年数の古い家が多いらしく、井上さんが最初に探してきてくれた家もえらく古い家ばかりだった。

今現在の自宅も充分古いのだし、ほんの数ヶ月の我慢と思いつつも決断を躊躇っていたところに、井上さんから

「凄くいい物件が出ましたよ!」

と紹介された家があった。

そこはまだ築2年ほどの新築同様の戸建てだった。

当然他の物件に比べて家賃は高かったけど、数ヶ月の仮住まいとは言え、やっぱり築40年50年の家よりはこっちの方がいい。

ただ何でこんな新築同様の家を短期で貸し出すのか疑問だったので井上さんに聞いてみたら、

「実際のところはよく分かりませんけど、たとえば新居の完成と同時に転勤になってしまった、なんて話はよくありますからね」

なるほど、転勤から戻ってきたときに自分達が住むことを考えて短期で貸しているわけだ。

せっかく完成した新居に住むことが出来ず、他人に住まわすなんてオーナーはさぞ不本意だろう。

ましてやウチは猫も飼っているので、そんな人には貸してもらえないのではないかと心配したけど、案外あっさりオーナーのOKが出て契約となった。

  

  

仮住まいの家に帰る途中、建築中の我が家の工事現場に立ち寄った。

周りを囲っていた足場が撤去されて、建物全体があらわになっていた。

私がこだわっていた漆喰の真っ白い外壁に、日の光があたって眩しいくらいだった。

そう、とにかく前の家のあの暗い雰囲気を払拭したくて、外壁も真っ白にしたし、お義母さんが世話をして大きく葉を茂らせていたイチジクの木もミカンの木も全部引っこ抜いた。

おかげで鬱蒼としていた庭が広々とすっきり、日の当たる明るい庭になった。

これからこの庭に、リビングから出られる大きめのウッドデッキを設置することになっている。

天然木のウッドデッキは定期的なメンテナンスが必要だったり虫が食ったりすることがあるとネットで見たので、見た目は木に似せた樹脂製のウッドデッキを選んだ。

ウッドデッキの周りには明るい緑の芝を植えようかと思ったけど、これもやはり天然芝は手入れが大変そうなので全部人工芝を敷き詰めることにした。

見た目だけ取り繕った上っ面だけの庭だと自分でも思うけど、私は本物志向でもナチュラリストでもないし、担当の井上さんも

「何か割り切ってていいですね」

と笑ってくれたので、まあ良しということにしよう。

建物の中も、大工さんの工事は終わってこれから内装などの仕上げに入るようだ。

いよいよ完成に向かっていく工事の様子を見て胸が高鳴った。

きっとこの家には、前の家のように変なものは出ないだろう。

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旦那の実家に引っ越してきたのは、彩香がまだ5才のころだった。

お義父さんが癌で亡くなり、一人暮らしとなったお義母さんが心配だからと旦那が言ったからだ。

旦那は一人息子で自分以外に親の世話をする人間はいない。

しかもあの人が生まれたのはお義母さんが30代後半になってからだったそうで、お義母さんは既に結構高齢だった。

私もいつも穏やかなお義母さんに対しては悪い印象は持っていなかったので、同居することに快諾したのだった。

同居を始めてからも最初は不満なく生活をしていたと思う。

嫁に対して何かと物言いをする姑の話をたまに聞くけど、お義母さんは物静かでとくに私に干渉してくることも無かったので気楽なものだった。

でもやっぱり他人同士。

お義母さんはあまり人付き合いをせず、ほとんど外出をしない人だったこともあり、

長く同じ家にいると、何をされたわけでなくても何となく疎ましく思うこともあったり。

いつもにこやかな表情ではあったけど、あまり話をしない人で、人と話すよりも黙々と庭いじりをしている方が好きな様子だった。

だからあまり打ち解けるというわけでもなく、何を考えているのかよく分からないような感じもして、私は少しづつお義母さんを避けるようになっていた。

でもその程度のことなら大したことじゃない。本当に嫌だったのはそんなことじゃないのだ。

あの家には目に見えない何かがいたのだ。

そしてお義母さんはその何かを、まるで飼っているかのようだった。

私には見えない何かを。

引っ越して来てからしばらくして、私は夜遅い時間になると、家の中で何かの物音がすることに気がついた。

最初はネズミでもいるのかと思った。

でも朝になって確認しても、食べ物が荒らされているわけでもないし、糞が見つかるわけでもない。

でもやっぱり夜寝ていると、廊下や台所の辺りで何かが動き回るような物音がするのだ。それはカサコソといった小さな動物のような物音のときもあるし、人間が歩き回っているような音のときもある。

気になって夜中に様子を見に行ったことも何度かあるけど、その音の主の姿を見ることは一度もなかった。

でもお義母さんには見えていたのだ。

私が夜に物音に目を覚まし、気になって台所の方へ見に行ったとき、暗闇の中に佇むお義母さんを見ることが度々あった。

お義母さんは私を見つけると、そそくさと自分の部屋に帰ってしまうのだけど。

一度お義母さんに見つからないように、そうっと様子を覗いてみたことがあった。

その時、お義母さんは何かに語りかけていた。

最初は飼っている猫に話しかけているのかと思った。

でも違った。その時お義母さんの近くに猫はいなかった。

お義母さんは、私には見えない何かに語りかけていたのだ。

「そう、あなたはミカンが好きなのね」

「あまりうるさくしてはだめよ」

とかそのようなことを小声で囁いていた。

昼間と同じ、穏やかな笑顔で。

気味の悪さを感じると共に、もしかしたらお義母さんは痴呆が始まっているのかもと心配になり旦那に相談したら、

「ああ、それはね。実はずっと昔からなんだ」

旦那の答えは意外なものだった。

お義母さんが、他の人が見えないものを見て、それに語りかけているのは昔からなんだそうだ。

「気味悪いと思うだろうけど、別に何か害があるわけじゃないんだ。母さんのその癖も、母さんが見ているその何かもね。まぁ慣れてもらうしかないね。

僕の方からもさ、母さんにあまりやるなって言っとくからさ」

旦那の言葉に一応は納得して見せたものの、それから私は一層お義母さんと距離を置くようになった。

私にとっては夜中に家の中を動き回る見えない何かは、かなり気持ちの悪い存在だった。

それらを優しい笑顔で見つめるお義母さんのことも。

  

そんなことがあってからも、私たちの生活は一見穏やかに続いていた。

でもあることを知ってから私はお義母さんに対して、それまで以上に強い拒否感を持つようになった。

娘の彩香にも、その見えない何かが見えているのだ。

基本的にあれらが動き出すのは夜遅くになってからで、私は彩香をいつも早めに寝かしつけていたので、彩香もお義母さんと同じくあれらを見ることが出来るということに気がつかなかった。

彩香が小学校に上がり、自分の部屋で一人で寝るようになったころ。

その夜も台所の辺りで何かが動き回る物音が聞こえていたし、そこにはお義母さんもいるのかもと気が重かったが、どうにもトイレに行きたくなってしまった。

トイレに向かう途中、台所に佇むお義母さんが見えて、またかと辟易した次の瞬間、心臓が締め付けられるほど驚いた。

自分の部屋で寝ているはずの彩香が、お義母さんの隣にくっついて立っている。

お義母さんと同じように、足元に目線を落として何かを目で追っているようだった。

「何をしてるの!?」

私は思わず声を荒げてしまった。

二人が声に驚いて振り向いた。

同じような怯えたような表情で。

「彩香、自分の部屋に帰りなさい!」

とにかく彩香をお義母さんから遠ざけたかった。

私の顔色を伺いながら彩香は部屋に帰っていった。

私はお義母さんにも何か言いたかったけど、何て言っていいか分からず、無言でお義母さんを見詰めていた。

するとお義母さんは困ったような顔で

「ごめんなさいね」

とだけ言って自分の部屋に戻っていった。

  

何ということだろう。

きっと彩香はお義母さんの影響を受けてしまったのだ。

お義母さんの影響で、あの目に見えない何かと関わってしまっているのだ。

私はそれがどうしようもなく不吉なことに思われた。

旦那にも相談したが、もともと呑気な性格のあの人は全く危機感を感じていない様子で、

「そうか、彩香にも見えるのか。僕はあの音の主の姿を見たことがないからね。ちょっと羨ましいな」

なんて言っている始末で、彩香にその見えているものはどんな姿なのか聞き出そうとしていた。

でも彩香はその様子を怖い顔で睨んでいる私の存在を察して、また私にあれらと関わってはいけないとキツく言われていたこともあり、その姿形などについて何も話さなかった。

私は一人思い悩んだが、どうしたらいいのか答えは出なかった。

流石に彩香からお義母さんを遠ざけるなんてことを、旦那に言うわけにもいかない。

一人鬱々と考える日々が続いたものの、生活自体はとくに何事もなく、ただ時が過ぎていった。

ところが三年ほど前、またお義母さんがおかしな行動を取り始めた。

お義母さんが、少量の食べ物をお皿にのせて、台所の床や廊下などに置くようになったのだ。

それは白米だったり、果物や和菓子だったり、その日によって様々だった。

あっちこっちに沢山置くわけでは無く、一日一ヶ所という具合に場所を変えて、一晩床に置いておくのだ。

一体何がしたいのか、私には全く理解出来なかった。

今度こそ惚けてしまったのかと思ったが、旦那の話によると違うようだった。

「実はこれも昔からやってたんだよね」

旦那の言葉に耳を疑った。

食べ物をお皿に載せて一晩床に置いておくという行為を、昔からやっていた?なぜ?

「僕たちが引っ越してきてからは、たぶん絵里子に気を使って止めてたみたいだったけど。どうしたんだろうね。我慢出来なくなっちゃったのかな」

相変わらず呑気な旦那は笑っていたが、私は全く笑えなかった。

あれではまるで、ゴキブリやネズミにエサをやっているようなものではないか。

でも更にその後に旦那が続けた話を聞いて、私は寒気と共に怒りさえ感じた。

「僕も昔、母さんに何やってるのか聞いたんだけどさ、母さん曰く、あれはお供物らしいよ。あの物音の主が夜中に動き回るのはお腹が減ってるからなんだって言ってた」

よく意味が分からないけど、

それってつまり、お義母さんが食べ物をあげるから、あの物音の主はこの家に住みついているということではないのか。

私には見えないから、その姿形はわからないけど、あれらはそんなお供物をあげたくなるようなものなのだろうか。

いや、だとしても、夜中に蠢くあの物音は私にとっては気持ちの悪い存在であることに変わりはない。

娘からも出来るだけ遠ざけたいと考えているのに、あろうことか、お義母さんはあれらにお供物をして引き寄せているなんて。

このことについては、お義母さんに断固抗議することに決めた。

私はその気持ちを旦那に伝えた。

「絵里子がそんなに嫌なら、僕から母さんに言うよ」

旦那も真剣に話す私の様子を見て、ようやく私の気持ちを理解してくれたようだった。

旦那はすぐにお義母さんの部屋に話をしに行ってくれた。

でもしばらくして困った顔をして戻ってきた。

旦那によると、お義母さんはこう言ったらしい。

絵里子さんが私がお供物をするのを嫌がる気持ちは充分理解しているけど、これ以上あの子らをお腹を空かせた状態にしておくのは良くない。

お供物は傷んだりする前に片付けるから、どうか目をつぶって欲しい。

とのこと。

私は到底納得出来なかったので、直接お義母さんと話すと言ったが、旦那に止められた。

「母さんが変なこと言うんだ。

私はもうすぐいなくなるから、それまで我慢してくれって。

どう言う意味か聞いても話さないんだ。

なぁ、今はあんまり追い詰めたくないから、もうちょっとだけ様子を見てくれよ」

懇願する旦那を見て渋々納得した。もう暫くだけ様子を見ると。

しかしそれから一ヶ月もしないうちに、お義母さんは亡くなってしまった。

脳梗塞だった。

その日は休日でお義母さん以外はみんな出掛けていた。

その間に家の中で倒れたのだ。

旦那が帰ってきて最初に見つけたのだけど、その時には既に息を引き取っていたそうだ。

お義母さん自身が言っていたように、本当にいなくなってしまったのだ。

お義母さんの葬儀は身内だけでひっそりと行われた。

お義母さんは人付き合いをしない人だったので、参列する人も少なかった。

不思議だったのは葬儀が終わったその夜だけは、あの物音が一切しなかったことだ。

あの物音の主も、長年共に暮らしたお義母さんとの別れを悲しんだのだろうか。

旦那は、折角最後まで面倒を見るつもりで同居したのに、最後を看取ることが出来なかったと悔やんでいた。

私もお義母さんのことは疎ましく思ってはいたが、こんなに急に亡くなってしまうなんて全く考えていなかったのでショックだった。

こんなことなら、もっと優しくすればよかったと思った。

思えば変わった人ではあったけど、決して悪い人ではなかったのだ。

私は最後までお義母さんを遠ざけて、お供物のことに文句を言ったりして、お義母さんにとっては私の存在がストレスだったことだろう。

そのせいでお義母さんの死期を早めてしまったかもしれない。

私は後悔していた。

でももう、お義母さんに謝ることも出来ない。

代わりに旦那にそのことを謝った。

「いや、母さんは別に絵里子のことをストレスに感じたりはしてなかったと思うよ。絵里子が責任を感じることじゃないよ。

母さんは本当に自分の死期を分かってたんじゃないかな。きっと運命を受け入れてたんだと思う。

息子の僕が言うのも変だけど、あの人は何かいろいろと不思議な人だったからね」

旦那の言葉に少し救われた。

  

お義母さんが亡くなり、お供物をする人はいなくなった。

夜に動き回るあの物音も、そのうち無くなるのではないかと思ったが、一向になくなる気配は無かった。

むしろその物音や気配は強まっているようにも感じた。

私は何とかあの存在を追い払いたかった。

旦那にも話したが、

「僕は子供のときから聞いているからあまり気にならないけど、絵里子が嫌なら好きにすればいいよ。

でも僕にはどうすれば追い払えるのかなんて分からないよ」

と他人事のような答え。

とにかく家をキレイにすればいなくなるかと思い、徹底的に掃除をした。

庭に植えられたミカンなどの実のなる木も、枝を落として出来るだけ家の中にも日の光が入るようにした。

それでもあの物音は無くならなかった。

私はまた、お義母さんのことを疎ましく考えるようになっていた。

お義母さんが長年あれらに語りかけたり、お供物をしたりしていたから、あの物音の主はこの家から離れなくなってしまったのではないかと考えるようになった。

お義母さんの遺品もほとんど処分した。

元々いろんなものを取っておく性分の人で、かなり物が多かった。

自分の死期が分かっていたのなら、もう少し整理しておいて欲しかった。

私が遺品を処分することを旦那は良く思わないのではないかと思ったが、旦那はとくに何も言ってこなかった。

本当に「好きにすればいい」と思っているようだ。

ここまでやって、更に神社で魔除のお札も貰ってきてあちこちに貼ったが効果は無かった。

また他にも気になることがあった。

彩香のことだ。

元々物静かな子だったが、成長するに連れてより口数が減っていった。

人と話すよりも、猫とじゃれている方が楽しいようだった。

そして相変わらず夜になると、あれらが見えているようで、私には見えない何かを目で追ったりしていた。

彩香は私がそのことを嫌っていることを知っているので、私の前ではあまりしないようにしていたようだけど。

私は正直、彩香のことも気味悪く感じ始めていた。

あれらが見えるということも含め、性格もお義母さんに似てきているようだった。

このままではいけない。

強くそう感じた私は最後の手段として、家を建て替えることを旦那に提案したのだ。

  

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仮住まいに帰ってきた私は、昼食をとり部屋の掃除を始めた。

こんな新しい家には、前の家のようにおかしなものが出たりはしないだろうと思うけど、キレイにしていないと不安で半ば強迫観念のように毎日掃除をしていた。

実はこの仮住まいの家に引っ越してきて、三日程たったころに、夜中リビングの方で物音がしたことがあった。

私は前の家からあれらを連れて来てしまったのではないかと気が気ではなかった。

しかし物音は二、三日のうちにしなくなった。

きっと私は物音について神経過敏になりすぎていたのだろう。

しばらく使われていなかった家は、住み始めた当初は冷暖房などで急に温度変化が加わり、家鳴りがすることがあると聞いたことがある。

それから数ヶ月経つが、あれ以来変わったこともなく快適に過ごしている。

今日は旦那は出張で帰ってこない。

彩香も学校の宿泊行事で明日まで帰ってこないので、珍しく私一人だった。

彩香は私が部屋に入ることを嫌がるので、あの子の部屋はあまり掃除出来ていない。

この隙にキレイにしてしまおうと、掃除機を持って彩香の部屋に入った。

散らかっているかと思ったが、意外なほど部屋は片付いていた。

拍子抜けしながら掃除機をかけて、ついでにクローゼットの中も掃除しようと扉を開けたところで、私は固まってしまった。

クローゼットの床に、お皿にのった食パンが置かれていた。

しかもそのお皿はお義母さんがお供物をするときに使っていたものだ。

このお皿、遺品整理のときに見つからなかったので気になっていたのだけど、まさか彩香が持っていたということなのか。

いやそれよりも、もし本当に彩香がこれをやったのなら、何でこんなことをするのか。

私の心の中に言葉に出来ない不安が広がってきた。

頭の中にお義母さんの、何を考えているのか分からないあの穏やかな笑顔が浮かぶ。

私はお供物を部屋から持ち出し、食パンは生ゴミ入れへ、お皿も捨てようかと思ったが何故だか捨てるのは躊躇われ、とりあえず流しに置いた。

その後は何も手につかず、リビングのソファに座っている間に夜になった。

にゃーん

モモが鳴く声で我に帰った。

モモは私達があの家に引っ越す前から、お義母さんが飼っていた猫だ。

何才なのか知らないけど、人間で言えばすっかりお婆さんだろう。

私は猫自体も元々そんなに好きではなかったし、お義母さんが生きていたころは世話は全てお義母さんがしていたので、私もモモもお互いに無関心だった。

でもお義母さんが亡くなり、私が世話をするようになると、モモは私にも懐くようになった。

そうするとこっちも段々と情が移るもので、今ではその仕草やゴハンをねだって擦り寄ってくる様子を見て癒されたりもする。

お義母さんが見ていたあの物音の主も、この猫のように可愛らしさがあったのだろうか。

だとしたらお供物と言って食べ物をあげたくなる気持ちも分かる気がする。

ひとまずお供物のことも、今は考え過ぎてもしょうがない。彩香が帰ってきたら話を聞いてみよう。

私は自分に言い聞かせて、その日はベッドに入った。

気にしないようにと思っても、昼間見たお供物のことがどうしても頭に浮かんでしまい、なかなか寝付くことが出来なかったけど、

ベットの中で何度も寝返りをうっているうちに、いつのまにか眠りに落ちていた。

  

右の太もものあたりに、何かが乗っかるような感触がして目を覚ました。

まだ部屋の中は真っ暗だ。

ぼうっとする頭で考えた。

モモがベットに上ってきたのか。

いつも夜は旦那か彩香のベットにいることが多いモモだけど、今日は二人ともいない。

猫独特の寝床を前足でフミフミするような感触が続いた後、

不意に太ももに鈍い痛みが走った。

驚いた私は少し体を起こし、足元を見た。

乱れた白髪の老婆が、布団の上から私の太ももに噛み付いていた。

「い!?いやぁっ!!」

思わず悲鳴を上げて足を思いっきり振り払った。

ドタっと床に倒れた込んだ老婆は、手足をバタバタと動かし、四つん這いのまま部屋の中を動き回った。

私は怯え切って、布団を掴んでベットの上に座った状態のまま微動だに出来なかった。

結構な時間その状態が続いたと思う。

私は訳も分からず、ただ恐怖に体を強張らせていた。

やがて窓の外が明るくなり、淡い朝日が部屋の中に入ってくると、老婆はすうっと消えた。

それでも私は、太陽が昇り外が完全に明るくなるまでベットから降りることが出来なかった。

何とかリビングまで出てきて、モモにゴハンをあげると、私は着替えて家を出た。

とても一人であの家にいる気にならなかった。

旦那も彩香も夕方前には帰ってくるはずだ。

それまでは外で時間を潰そう。

ファミレスに入り、食欲はなかったが何も頼まない訳にもいかないので、遅めの朝食をとった。

その頃には大分気持ちも落ち着いてきた。

あの老婆は一体何だったのか?

まさか、お義母さん?

いや、それは考えすぎだろう。

ちらっとしか見えなかったが、顔はお義母さんとは似ても似つかなかった。

昨日あのお供物を見て、いろいろと思い出してしまったせいで夢か幻覚でも見たのかもしれない。

でも夢にしてはリアルだった。

噛みつかれた太ももの感触もまだ生々しく残っている。

いろんな考えが頭を巡る。

何よりも、あんなに新しく、毎日掃除もしている家にも、ああいうものが入って来てしまうものなのだとしたら、

私にはそれが一番恐ろしく、ショックだった。

考えても分からない。

彩香と話をしないと。

あの子が何を話すのか、本当は聞くのが少し怖いけど、このままやり過ごすことは出来ない。

私は旦那に出来るだけ早く帰ってきて欲しいとメールを送って、仮住まいの家に帰った。

夕方になり、彩香が帰ってきた。

ただいまも言わずに自分の部屋に入り荷物を置いて、すぐにリビングの方に出てきた。

何か飲み物でも欲しいのかキッチンへ入ると、あのお皿が流しの中にあるのを見つけて

「あっ」と小さく声をあげた。

私は意を決して声を掛けた。

「ねぇ、それお婆ちゃんのお皿だよね。

無くなったのかと思ってたけど、ずっとあなたが持っていたの?」

彩香は一瞬私の方を見て、すぐに手元のお皿に視線を戻した。

私の問いかけには何も答えてくれない。

「お婆ちゃんみたいに、お供物をしていたの?どうして?」

やはり何も答えてくれない。

でも否定をしないということは、そうなのだろう。

感情的にならないように落ち着いて話すよう努めていたが、何も言わない彩香につい語気を強めてしまった。

「ねぇ、何とか言いなさい。

あなたもお婆ちゃんみたいに、家の中に変なものを引き入れようとしているの?」

彩香が怒りのこもった目でこっちを見た。

「ママに言っても分からないよ。見えないんだから」

そうだ。私には分からない。あれが何なのか。彩香が何を考えているのか。

でも私は今日あの老婆を見た。

そのことを彩香に告げると、怒りの表情が驚いた顔に変わった。

「…ママも見たんだ」

その様子から、彩香もあの老婆を見ていたらしいことがわかった。

あの老婆は私の妄想ではないようだ。

「そうよ。私にも見えたよ。あれが私の太ももに噛みついたの。

本当にすごく怖かった。ねぇ、何であんな怖いものにお供物なんてするの?教えてよ」

彩香は私の話にショックを受けているようだった。

「うそ…そんなことするなんて…」

そう言ってまた黙ってしまった。

そこに旦那が帰ったきた。

リビングに入ってきて、私達のただならぬ雰囲気を察して

「何?どうしたの?」

と問いかけてきた。

彩香がリビングを出て行こうとした。

手にはあのお皿を握っている。

「待ちなさい!」

「もう勝手に部屋に入らないで」

彩香はそれだけ言って自分の部屋に入ってしまった。

結局、何も分からなかった。

あの子が何を考えているのかも、これからどうすればいいのかも。

私は途方に暮れてソファにもたれかかった。

そして、旦那に昨日からことを説明した。

とても怖い思いをしたこと。

そのことに彩香が関わっているらしいこと。

でも彩香がそれを話してくれないこと。

  

「でも彩香が話したくないなら無理に聞き出さなくてもいいんじゃないかな」

最後まで黙って聞いてくれていた旦那が口を開いた。

もっともらしい意見だけど、私はほっといていいことでは無い気がしていた。

「その白髪の婆さんも、また出てくるか分からないしさ。そもそもここに住むのも後一ヶ月もないだろう。

あんまり深刻に考え過ぎない方がいいよ」

旦那が呑気なのはいつものことだけど、この時は我慢出来なかった。

言うまいと思っていたことを一息で言ってしまった。

「あなたはいつも他人事みたいに言うよね。

新しい家のことだって、全部私に任せっきりで、どうでもいいと思ってるんでしょ。

今だけの問題じゃないんだよ。

このままほっといたら、彩香は新しい家でもあのお供物をするよ。

そうしたら、またあの変なものが集まってくるよ。

せっかく建て替えたのに。

きっとあなたのお母さんが彩香に変なこと教えたのよ!」

建て替えのことを全部一人でやっていることも文句を言うまいと思っていたし、

ましてや旦那の前でお義母さんを悪く言うのは絶対にダメだと自分に言い聞かせていたのに。

旦那は怒るかと思ったけど、意外と冷静だった。

「そうだね。悪かったよ。別にどうでもいいと思ってたわけじゃなくて。本当に絵里子の好きなようして欲しいと思ってたから何も言わなかったんだけど。こういうのは加減が難しいね。

彩香のこともさ、、」

そう言って旦那は暫く黙ってしまった。

そして少し迷っているような表情で話始めた。

「実は母さんが死ぬ何日か前に、僕に話したことがあってさ」

この後に及んでお義母さんの話かと一瞬思ってしまったけど、

お義母さんは息子である旦那にも、あまり長い話はしない人だった。

何を話したのかは興味があったので、黙って聞いていた。

「親父の話だったんだけどさ、

母さんて変な人だろ、他人に見えないものに話しかけたりしてさ。

でも親父は最初っから、そのことについて気味悪いとか止めろとか一切言わなかったらしい。

僕も親父が母さんのしていることに何か言ってるところを見たことなかった。

だから、何となくそう言うもんなのかなって、深く考えずに受け入れてた。

母さんはそれが有り難かったって。

何をしているのか聞かれても、見えない人に説明するのは難しいらしい。とくに母さんは話すのが得意じゃないからね。

何も言わずに受け入れて、好きなようにやらせてくれたから幸せだったって。

それから絵里子のことも、今は自分のせいでいろいろと我慢させてしまっているけど、自分がいなくなったら家のことは絵里子の好きなようにさせなさいって。

家っていうのは妻のものだから、妻が家で好きなように出来ないと家族は絶対に幸せになれないからって。

別に母さんの言いつけを守ろうとか、そう言うんじゃないんだけど、まあ確かにそうだなって思って。母さんと同居して欲しいって言ったのは僕だし、絵里子にはいろいろ我慢してもらってたからね。

母さんが好きなようにやっていたように、絵里子にも家のことは好きなようにやってもらいたいと思ったんだよ。

あと彩香のことはさ、母さんの話を聞いてると、彩香が見ているものを僕らが理解するのはきっと難しいのかなって思ってる。だからそう言うものだって受け入れて見守る方がいいのかなって思ってたんだけど。

確かに、あんまり何も話してくれないのも心配だよね。今度からは僕からも、少しずつでも何を考えてるのか聞くようにするよ」

旦那が話終わっても、私は何も言えなかった。

私が思ってた以上に、お義母さんも旦那も、家族のことを考えてくれていたらしい。

一方私は前の家にいたときから、あの物音のことやお義母さんのことを気味悪がって、それを遠ざけることばかり考えていた。

怖がってばかりいないで、もっと受け入れることも考えるべきだったのかも知れない。

  

  

  

次の日からも、彩香は何も話してはくれなかった。

あの老婆はあれ以来出てこない。

何事もない平和な日々が続いてだいぶ心が落ち着いたこともあり、私の心境にも変化があった。

彩香がお供物をする理由は分からないけど、彩香には私には見えない何かが見えていて、あの子なりの考えがあるのかもしれない。

またあの老婆のような怖いものを見るのは嫌だけど、あれから何も起きないし、ひとまずあの子の方から話してくれるまで気長に待とう。

そうして日々は過ぎていき、ついに新居も完成して引っ越しの日となった。

その日は旦那は仕事でいなかった。

引っ越し業者が来て、トラックにどんどん荷物を載せていく。

私が外に出て荷物についてあれこれと業者の人に説明していると、

「お忙しいところすいません」

見知らぬ50代くらいの男性がやってきて話しかけてきた。後ろには恐らくその奥さんらしき人がついて来ている。

「突然すいません。私はこの家の所有者なんですけど」

なんと、大家だった。転勤で遠くに住んでいるのではなかったのか。

「ああっ、この度はお世話になりました。こんなキレイなお家を貸していただいて」

慌てて挨拶をしたが、一体何しに来たのだろうか。

大家の方も一通り、新居完成についてお祝いの言葉などを並べた後、言いにくそうに本題に入った。

「実はつかぬことをお伺いしますがね。

この家にお住まいになって、何か変わったことはございませんでしたか?」

ん?変わったことって、変な聞き方をするなと思った。

単に大家として、入居者に住み心地を尋ねている訳ではないということは伝わってきた。

あの老婆のことを言ってるのだろうか。

でも違ったら、逆に私が変な人に思われてしまう。

「いや別に、不具合もなく快適に住まわせて頂きましたけど。

何か気になることがあったんでしょうか?」

「いやいや、別にそう言うわけじゃないんです」

大家の男性はそう言うと後ろの奥さんらしき人の方を見て、

「ほら見ろ、何にも無いんだよ」

と小声で話していた。

奥さんらしき人は黙って眉間にシワを寄せて家の方を気味悪げに見上げていた。

気になることがあるのはこの奥さんの方らしい。

もしかしたら、あのことなのかも知れないけど、何か言ってあげた方がいいのだろうか。

私が迷っていると、いつの間にか後ろに来ていた彩香が突然話に入ってきた。

「それって白髪のお婆さんのことですか?」

その言葉を聞いた大家の男性は驚いた顔で彩香の方を見た。

「あなたも、見たのね?」

奥さんが彩香に尋ねた。

「見ました。うちのママも見てます」

えっ!?と言う顔で大家の男性が私の方を見た。申し訳ないような恥ずかしいような気持ちになった。

「やっぱり…」

奥さんが小さな声で呟いた。

大家の男性は「見た」と言われたときのことを想定していなかった様子で、口を半開きにしたまま言葉を失ってしまっている。

彩香が話を続ける。

「あのお婆さんはもう出て来ないから大丈夫ですよ」

大家がまた驚いた表情で彩香の方を見た。

「それは、どういうことですか…?」

私も思った。それはどういうことですか?

彩香は穏やかに微笑んで答えた。

「嘘だと思うなら、何日かこの家で寝泊りしてみればいいですよ。本当に出て来ませんから」

答えになっていない言葉を残して、彩香は家の中に引っ込んでしまった。

大家の二人が私の方に顔を向けて、彩香の言葉の続きを求めてきたけど、私には何も答えられない。何かすいませんと謝るしかなかった。

引っ越し屋のトラックが出発し、大家も半信半疑の顔のまま帰っていった。

私も彩香とモモを車に乗せて、新居に向かって走り出した。

後部座席に座る彩香に向かって、私はルームミラー越しに尋ねた。

「ねぇ、さっきの話ってどういう意味なの?

 もう出てこないって」

彩香は窓から外を見て無視を決め込んでいる。

「話したくないならしょうがないけど、私が聞いても分からないのかも知れないけど、出来ればあなたが考えてること、少しだけでも話して欲しいよ」

彩香は相変わらず何も言わない。でもきっと話は聞いているはずだ。

「私考えたんだけどさ、今まで、あの前の家の物音のこととかも、怖がって追い払おうとかそればっかり考えていたけど、もう少し受け入れるって言うか、理解したいなって。あとあなたがああいうものが見えるってことも。

私怖くって、あれには関わっちゃダメだって頭ごなしに否定しちゃってたけど、あなたがどう思ってるのか全然聞いてなかったよね。ごめんね」

いつの間にか彩香も、ルームミラー越しに私の方を見ていた。

「本当にごめんね。反省してるの。

でもやっぱり私には見えないからさ。どうしても怖くなっちゃうのよ。だから教えて欲しいの。あなたの方がきっとああいうもののこと分かってるでしょ。お婆ちゃんからも何か教えてもらっていたんじゃないの?」

彩香はずっとこっちを見て話を聞いてくれていた。

今すぐには話してくれなくても、私の気持ちは伝わったような気がしたので今はそれでいいと思った。

とそのとき、彩香が口を開いた。

  

「私の部屋のクローゼットの床にさ、床下収納があったでしょ。

あの白髪のお婆さんは、いつもは床下にいて夜になるとあそこから家の中に入って来てたの。

それで食べる物を探し回ってた」

彩香はゆっくりとした口調で話し始めた。

私は黙ってそれを聞いていた。

「だからお供物をしたの。

お婆ちゃんが教えてくれたから。

あれはお供物をすれば、それに満足して他の物は食べないし、探し回ったりもしないって。

前の家には、あの白髪のお婆さんほど大きなのはいなかったから、お供物一つで満足するか心配だったけど、大丈夫だったよ。

床下収納のすぐ横にお供物を置いたら、あのお婆さんはそれを食べて、家の中には入らずに床下に帰ってた」

彩香はあのお供物を、あの老婆を引き入れるためではなく、家の中に入れないために置いていたらしい。

「ずっとお供物で満足して帰ってたから、それでいいかと思ってたのに、

まさかお供物が無くなったからって、ママのところに行って、噛みついたりするなんて思わなかった」

私がお供物を捨てたから、あの老婆は怒ったのだろうか。

「だから、豆大福の中にさ、洗剤とか防虫剤とかを入れ込んでお供物として置いといたの。

ネットで調べたら、ああいうのって化学洗剤とか防虫剤に弱いって書いてたから、本当に効くか分からなかったけど、試しにやってみたんだ。

そしたら一発で死んじゃった」

  

………え?

  

意味がよく理解出来なかった。

「ちゃんと確認もしたよ。

床下収納を開けて床下を覗いてみたら、

あのお婆さん、床下で倒れて動かなくなってた。

また動き出すかも知れないと思って何度も確認したけど、お婆さん日に日にちっちゃくなっていって、最後の方はリカちゃん人形くらいの大きさになって、それで灰みたいになって消えちゃった」

この子は一体何を言っているのだろう。

何故か心臓の鼓動が早くなり、ハンドルを持つ手が震える。

彩香は相変わらず、ゆっくりとしたスピードで話し続ける。

「あんなに簡単に殺せるって知ってたらもっと早くやってたのにね。

と言ってもいろんな洗剤を混ぜて入れたから、どれが一番効いたのか分からないんだけどね。

でもいいよね、それはこれからいろいろ試していけば分かるから」

ルームミラーに映る彩香は、穏やかな笑顔で私の方を見ている。

「大丈夫だよママ。新しい家にまたあれが出たら、

私が全部殺してあげる」

その穏やかな表情は、お義母さんによく似ているけど、その目の奥に宿るものは、お義母さんのそれとは違っていた。

いったいこの子は誰に似たんだろう。

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@Y・Y さん
コメントありがとうございます!そして最後まで読んで頂きありがとうございます!
なるほど飢えて亡くなった人の霊ですか、そっちの方が悲しくて恐ろしさもありますね。何か考えただけで切なくなります。
最後のオチはいろんな意味での「台無し」感を出したいと思って書いていたので、なんだコイツと思って頂けたのなら良かったのかなと思います。

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@むぅ さん
コメントありがとうございます!
あと最後まで読んで頂き誠にありがとうございます!!
私もお化けって死なないって言うか、もう死んでる的なイメージがありましたけど、そう言えば昔話の山んばとかは死んでたなって。
意外性を感じて頂けたのならよかったです。

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@車猫次郎 さん
コメントありがとうございます!
そして長い話を最後まで読んで頂き本当にありがとうございます!!
長過ぎますよね。長いやろと、自分でも思ってましたが、やっぱりそうですよね。
今度から短く出来ないかもっと考えます。
ありがとうございます!

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