短編2
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水没

これは、私が中学二年の頃の話。

私の家は、母・姉・姉・兄・私の五人家族だ。

そのころ住んでいた家は三階建てで

一階は玄関、お風呂、三畳間。

二階はキッチン、リビング。六畳間。

三階が10畳間、ベランダという造りになっている。

当時私は三階で寝ており、長女が一階の三畳間で寝ていた。

するとある日、長女が

「三畳間で寝ていると嫌な夢を毎日見る」

と言い始めた。

好奇心旺盛な私は面白がって、

「まじで⁉面白そうじゃん。じゃあしばらく俺が寝るよ」

と言い、部屋を交換してもらった。

部屋を交換してもらい数日がたったある日、夢を見た。

夢は水の中から始まる。

だんだんと呼吸が苦しくなるが、顔を水面に上げることができない。

誰かに頭を押さえつけられているようだ。

段々と苦しさに耐えられなくなり意識が薄れていき、目が覚めた。

起きると全身汗でびっしょりだった。

姉が言っていたのはこのことか。

その後もその部屋で寝続けたのだが、段々と夢の内容が変わってきた。

最初の頃は水の中から始まっていた夢が、段々と水面が見える段階から始まるようになった。

やはり、この夢は誰かに殺される夢だ。

またその部屋で寝続けたある日、水面以外の景色も入ってきた。

愕然とした………

夢の舞台になっている場所は自宅の風呂だったのだ。

夢であるとはわかっていても、その夢を見続け何かしらの決定的な物を見てしまったら嫌だったから

そのことに気が付いてからはその部屋で寝ることは止めた。

その後、その家はマンションを建てるということで立ち退くことになった。

後から聞いたことだが、マンション建設の整地作業(?)を行っていた際、地面を掘り返すと骨が出てきたらしい。

この夢には何か意味があったのだろうか。

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