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中編3
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髪の毛を掴む

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どうも。足立です。

仕事の関係で仕事が朝早くからではないので、少し昼夜逆転気味です。今回は大人になってから思い出して少し背筋が凍った話です。

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俺には祖父母といわれる方々が4人いるが、父方のおじいちゃんは俺が小学低学年の頃に亡くなり、

おばあちゃんも大阪の方にいるがずっと入院している状態だ。

今一緒に住んでいるおじいちゃんおばあちゃんはまだまだ元気に暮らしている。

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大阪に住んでいるおばあちゃんおじいちゃんに会う機会はなく、

大人になるまで4回しか行った事がない。

最初に物心がついてから会いに行ったのは

おじいちゃんが危険な状態だと大阪に一緒に住んでいる父の妹から連絡が入ったからだった。

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確か、初めて行ったのは小学1年の頃で、

初めて行く土地と会うおじいちゃん達にワクワクしながら新幹線に乗っていた。

しかし、いざ行ってみるとそこそこ大きな新しい病院に連れていかれ、管だらけの人と会う事になった。

俺はこの人がおじいちゃんだよと周りから聞かされ、

幼心にもうすぐいなくなってしまうのかなと感じていた。

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その頃、おじいちゃんは白内障で光しか感じる事ができず、口も動かないのかアウアウ言うだけだった。

ひどい腎臓病で透析やらなんやらで側からみてもボロボロの状態だった。

俺はなんとか元気付けたいなぁと思い、おじいちゃんの横に駆け寄り身を乗り出し挨拶をしようと考えた。

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その時、おじいちゃんの腕が伸びて俺の髪をくしゃっと掴んだ。

力が全くなく痛くはないが、

周りからは撫でたいけど思い通りにうごかないんだよねと言われ嫌がる訳にはいかず、

アウアウ話すおじいちゃんにそのまま話しかけ続けた。

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おじいちゃんと会う時間は30分ほどで終了。

俺らはその後、一泊だけ大阪の父の実家に泊まらせてもらい次の日には東京に帰って来た。

おじいちゃんが亡くなったのは帰ってきてから一週間ほど経ってからだった。

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休日の昼頃に訃報が届き、明後日には学校と会社を休んで大阪に行くと決まった。

俺はこの時、亡くなる事がよくわからず、正直あまり悲しいとは感じなかった。

訃報が届いた日の夜、俺はある夢を見た。

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目を開けると真っ暗で俺は動く事が出来なかった。

目だけは動かせるのでなんとなく暗闇をキョロキョロするが月の光も、一緒に寝た母や弟の息遣いも聞こえない。

なんとなくキョロキョロしていると何やら前から白いものが伸びて来る。

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俺はそれが白い腕だと気づいたのは、

俺の髪の毛に触れてからだった。

俺はなんとなくあのおじいちゃんだと思い、安心しきっていた。

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しかし、前に握られた力よりはるかに強く髪を握られ引っ張られる。

心の中では痛いよ!!

と叫びたかったが口を動かす事も出来ない。

すると、髪が何本かプチプチっと抜け、その手は何処かに行ってしまった。

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俺は大きくなってからもこの夢を覚えている。あの手の感じは多分おじいちゃんなんだが、あれは頭を撫でに来たのではなく、

俺ごとあの世に連れて行こうとしたのかも知れない。

あの時、髪を鷲掴みにされ引き摺られていたら、、、

想像したら怖すぎるのでもう忘れてしまおうと思っている。

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