祝詞の人とある晩電話で話していて
私「前世の記憶ってある日突然戻るものかな?」
祝詞『気になるの?』
私「うん」
祝詞『なら思い出させてやろう……~~(よく分からない言語でまじないみたいなの呟いてた)
これで、今夜夢を見る筈だ』
私は半信半疑だったが夢を見た。夢の中の私は髪が白く目が赤い七歳前後の少女の姿をしていた。
周りから「忌み子」「鬼の子」っと言われ泣いていた。親に売られ、やっていない盗みの罪を着せられお侍に腹を斬られて雪の上に捨てられる。
その上に再び雪が降ってきた時、一組の夫婦が現れた。そして、旦那の方が私を抱き上げると
旦那「私の娘になるか?」
そこで目が覚めた。祝詞の人に電話をして
私「お父さんって呼んだ方がいい?」
祝詞「やめて、今は俺のが若いから」
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ちょっと話が変わるのだが、私にはたった一人だけ真友と呼べる友がいる。いつも
私「真友ちゃん、大っ嫌いで大好きよ」
真友「私もだよ」
みたいな会話をガチでしてる。(メンヘラカップルみたい。とか言わないでね)
実はこの真友ちゃんも霊感が強いのだが、怖い話が本気でダメ。聞くと気分悪くなるらしい(拒絶反応)
で、この真友ちゃんが中学時代に体験した話。真友ちゃんの親戚が亡くなり、お葬式に行って帰ってきた後だ。
真友ちゃんの家で、ポルターガイストが起こったらしい。最終的には、檀家になってる寺のお坊さんを呼ぶほどの騒ぎになったらしい。
そして、真友ちゃん宅に来た住職さんが一言
住職「では、これから始めますが……娘さんは別室に行ってて下さい。
取り憑かれやすいですよね?」
と言われたらしい。それからはずっと怖い話など避けて来たらしい。
県外に就職した彼女、去年の一、二月頃に家帰る時。姿のないピンヒールの音が着いてきたと言っていた。
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でも、私はこの真友ちゃんにだけは隠し事をしたくなくて、祝詞の人と出会ってから体験した話を全部教える事にした。そして、電話をしていると砂嵐が……昨年は、真友ちゃんと電話する度に砂嵐がなるようになっていた。
しかし、その日はいつにも増して砂嵐の音が酷かった。その砂嵐が次第に人の話し声に聞こえてきて、私にはその話し声が私に対する罵詈雑言に思えた。
それは、前世の夢で私を「忌み子」「鬼の子」と言った村人たちの声に聞こえた。
私「ねぇ、私があんたらに何をしたっての?いい加減私の邪魔をするのはやめてよ……」
真友「声が……き、えない…………」
ザァーーーーーーーっと砂嵐の音が一気に大きくなった。そして、切れる瞬間。
一瞬だけ砂嵐が止まり、年配の男性だと思われる低い声で
男「鬼の子に不幸を」
って言われた。悲しみで胸が苦しくなり私はそれから暫く真友ちゃんに電話しなくなった。
その話を祝詞の人に言うと
祝詞「なら、俺も通話に誘ってよ」
三人のグルを開き通話を開始すると、砂嵐がならなかった。まぁ、砂嵐がならないのが普通なんだけどね。
私「真友ちゃんの声がクリアに聞こえる!」
って、感動してしまった(笑)祝詞の人の凄さを改めて感じた瞬間だった。
作者林檎