俺の名はムゥ…死神代行をやっている。
分かり易く言えば呪術師の様なモノだ。
今日ココに来たのはお前らに俺の存在を晒しめる為だ。
俺が相手にするのは『殺したい程憎い相手』がいる奴だ。
実際に自分で手を下すヤツは稀で、憎しみを抱えながら生きてるヤツは少なくない。
そんなヤツらの代わりに俺がいる。
まず、俺の相棒を紹介しよう。黒猫のカイとオカメインコの幸子だ。
…念の為に言っておくが、友達が居ないとか、寂しいヤツとかでは決して無い。
コイツらは特別な能力を持った大事な相棒だ。
カイは俺の代わりに客を探す役目をする。
憎しみの念が強い人間を匂いで嗅ぎ分ける能力を持っている。
カイがターゲットを探すと、その相手に幸子が特殊なカードを届ける。
このカードは俺の魔力が篭った特殊なカードで、これを持った人間だけが俺の元に辿り着ける様になっている。
このカードを手にした人間は必ず俺の処に来る…
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コンコン……どうやら今日の客が来たようだ。
客「あの、此処に来れば誰にもバレずに嫌なヤツを消してくれるってこのカードに…」
俺「えぇ、まぁ取り敢えず座って話を聞きましょうか?」
客は名前を村山美嘉と名乗った。
俺「俺の仕事は、殺したい程憎い相手を代わりに始末する事だ。勿論、貴女が関わった証拠など残す事は無い。それなりの覚悟は持って来られましたか?」
美嘉「はい、アイツをこの世から消してくれるなら、お金は幾らでも払います。アイツを奥村真吾を消して下さい。」
美嘉は拳を握りしめながら吐き捨てる様に言った。
俺「まず、理由を聞いてもいいかな?」
美嘉「分かりました…奥村は私の彼氏でした。一年程前に知り合いました。私には美里と言う三つ下の妹がいるのですが、奥村は私が留守の時に家に行き
妹にまで手を出しました。私の彼氏だと知っていた美里は何の抵抗も無しに家に迎え入れ、奥村に襲われました。美里は妊娠して、私に対する罪悪感で自殺しました。私がそれを知ったのは美里が死んだ後、私宛に残された遺書を読んだ後でした。
奥村は美里から誘って来た、俺の方が被害者だ。アイツ普通に楽しんでたぜ…と私や美里に謝るどころか、死んだ美里のせいにして…」
美嘉は怒りと哀しみで涙を流しながら言葉を詰まらせた。
俺「理由は分かった。妹の復讐をしたいんだな?」
美嘉「はい…私があんな男に出会わなければ美里は…奥村は美里の葬儀にも来ないでそのまま連絡も無しに消えました。せめて一言でも謝罪があれば…」
俺「分かった、依頼は引き受けよう。ただ、俺の報酬は金では無い。貴女の五感の一つを頂く、それが条件だ」
美嘉「五感?ですか?」
俺「そう、人間の持つ五感『視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚』そのうちの一つを頂く。耳が聞こえなかったり、目が不自由な人間がいるだろう?あの連中の中には俺の客だったヤツもいる。人を殺したいと思うヤツは自分にも重い罰を与えたがる、俺は嗅覚か味覚位をオススメするがな。」
美嘉「選べるんですか?」
俺「あぁ、俺にとってはどれも変わらない。貰った報酬が魔力に変わるだけだ。まぁ、釣りはやれないがな。その代わり、奥村は貴女の手で殺させてやる。安心しな、貴女は夢を見るだけだ。好きな様に殺せばいい。現実の奥村は貴女が手を下した瞬間その場で死ぬ。寝てようが、起きてようが関係ない。だから、貴女に疑いもかからず復讐が出来る。報酬は終わってから貰いに行く。」
美嘉「分かりました、宜しくお願いします。」
俺は美嘉に小瓶を渡した。
俺「寝る前にこれを飲めばいい。夢の中に奥村が出て来る、勿論何の抵抗もしない様になってるから安心しな。後は好きにすれば良い。」
美嘉は頷くとお礼を言って帰って行った。
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さて、そろそろかな?カイ、幸子仕事だぞ。
薬を飲んだ美嘉に夢を見せるのは幸子の役目、そしてカイの役目は…
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翌朝、男の惨殺死体が発見される。遺体は室内であるにも関わらず、獣に引き裂かれた様にズタズタの無惨な姿だったと言う。
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俺の名はムゥ…死神代行だ。『殺したい程憎い相手』が居るならいつでも歓迎する。
まぁ、ココに俺の客は居そうに無いな。
作者むぅ
はい、創作です。厨二病では有りません( 'ω' ;)
初創作なので許してやって下さい…I˙꒳˙)
短編予定なので、期待しないで下さい:( ;˙꒳˙;):
素人作品にいつも怖い評価をして頂いてありがとうございますm(_ _)m