中編4
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朝起きると胸の辺りに違和感があり、ふと見ると赤子位の大きさの頭が付いていた。

何だコレ?と思い触ろうとすると、頭が喋った…

『久しぶりだね、元気だった?』

顔を此方に向け普通に話し掛けてきたソレは、中学までの同級生だった小牧と言う友人の顔だった。

…あぁ、俺まだ寝てるのか?夢の中で夢だと自覚出来る夢みたの初めてだなぁと思い、大して恐怖等は感じる事なく小牧の顔を眺めていると、また普通に話し掛けて来た。

『なぁって、聞いてる?久々会ったのにシカトかよ?』

少し頬を膨らませながら小牧は俺を見ている。

「小牧だよな?久しぶりってか、お前何?頭だけってw何してんの?」

『いや、俺も分からんのよ。気付いたらここにおったんよ、お前と会うのも10年ぶり位やろ?俺生きてるんかな?

何でお前んとこに来たんかも分からんのよ。』

「頭だけで普通にされてても、お前死んだんか?

てか、化けて出るなら俺やないやろ?しかもこれ多分俺の夢やからな、用があるなら起きてる時に普通に会いに来てくれや」

そんな話をしてると、スマホのアラームが鳴った。

俺は普通に目覚ましを解除して時計を見る。いつも起きる時刻だった。

何か妙にリアルだな、てか普通目覚まし鳴ったらそこで目が覚めて、てのが普通なんじゃないの?え?何これ現実?

俺は改めて胸元に視線を落とした。

やっぱり頭だけの小牧が俺を見つめていた。

一気に鳥肌が立ち、振り解こうとしたが、俺の一部のようにくっついて離れない。

『痛えよ、もちっと優しく扱えよボケ』

会話だけなら昔と変わらないやり取り、だがこの現状は何なんだ?俺に一体何が起こってる?頭でもおかしくなったのだろうか?

「お前何なん?俺に恨みでもあったんか、普通に怖えから消えてくれよ。」

『俺だって分かんねぇよ、死んだ覚えも無いし、お前に恨みなんてねぇよ。』

言葉が続かなかった、え?俺今日からこのままなん?てかこれ他の人にも見えるやつなら即病院送り?お祓いと手術はどっち優先?

色んな考えがぐるぐる回って混乱していると、

『なぁ、俺の家に行ってみてくれないか?俺の生死だけでも確認したいんだ。気付いたらここに居たからさ。』

と小牧が話し掛けて来た。

それもそうだと思い、出掛ける準備をしようとTシャツを着る…小牧のせいで左胸だけCカップになってしまう。

仕方なく季節外れの革ジャンを羽織る事にして小牧の家に向かう事にした。

『なぁ…』

「ちょ、外では話し掛けんな、俺がヤバい奴に見られるだろ。もうすぐお前ん家着くから暫く黙っててくれ。」

『分かったよ、俺も怖いんだよ』

暫く無言で歩き、ようやく小牧の家が見えて来た。

俺はインターホンを鳴らすと応答を待った。

『はーい、ちょっと待って』

と声がしてすぐに玄関の扉が開いて出て来たのは小牧だった…

『おぉ、いきなりどした?めっちゃ久しぶりやんか。』

「へ?いや、あのちょっと近くに用事があって元気かなぁって顔見に来ただけなんですけど…」

俺はそっと胸元に手を置いてみた、まだ膨らみはある。

本当に頭がおかしくなりそうだ。

『何訳分かんない事言ってんだよ、たまたま居たからいいけどよ、連絡位して来いっての。取り敢えず上がってくか?』

俺は悩んだが、「すまんな、居なかったらすぐ帰ろうと思ってたからよ、お邪魔します」

小牧の部屋に入ってみたが、昔来た時とさほど変わりは無く普通だった。

「あのさ、最近何か変わった事とかないか?体調悪いとか何かさ」

『へ?いきなり何だよ、見ての通り普通に元気だよ。お前何かあったん?中学卒業してから全然だったのに、急に来て俺の心配?キモいぞ』

俺はどうしていいか分からなくなった、このまま帰るか、こいつの目の前でシャツを脱ぐか、何が正解か分からない。

「いや、すまん最近ちょっと色々あってさ、元気ならいいんだ。いきなり来てすまんな、やっぱ俺帰るわ。」

俺はそのまま小牧の家を飛び出し走り去った。

後ろで小牧が何か言っていた気がするが、もう聞こえなかった。

家に帰り服を脱いだ、まだ頭だけの小牧がこっちを見つめていた。

「お前は何なんだよ、小牧は普通に元気で生きてたぞ。やっぱり俺が病気なんか?」

小牧は俺を見るだけで何も喋ろうとしない。

「なぁ、聞いてんの?俺はどうしたらいいんだ?生霊ってヤツなんか?何か言えよ。」

すると、頭だけの小牧の顔がだんだん歪んで行き変わって行く、その顔は俺だった。

『まだ分からんのか?俺はお前だ、お前は自分が何をしたのか覚えて無いのか?』

何だ?本当に何が起こってるんだ?俺が何をしたか…

…あぁそうか、俺は…そうだったな。

俺は台所に行き、包丁を取り出すと俺の顔をしたナニか諸共左胸を突き刺した…

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「なぁ小牧知ってるか、アイツ自殺したってよ。」

『あぁ、この前いきなり俺んとこ訪ねて来てさ、たいして話もせずすぐ帰ったんだけどよ、俺普通に会話したけど正直すげぇ怖くてよ、アイツ家族全員滅多刺しにして殺して何年も行方不明になってたって話だっただろ?俺あまりに久しぶりだったから顔見るまで忘れててさ、通報しようか迷ってたらこれだろ?結局何で俺んとこ来たのかも分かんねぇし、何だったんだろうな。』

そう話すと小牧はその場を離れ去って行った。彼の左胸は何故か不自然に膨らんでいた。

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ふふふ、むうお兄様。はるか昔、僕の無茶振りの餌食になったmamiお姉様をおぼえていらっしゃいますか?
当時、読み専だったマミお姉様はリレー小説を期に(たぶん)、その眠っておられた才能を開花されたのですよ?
むうお兄様。それではそろそろお時間です…ひ…

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