「だるまさんがころんだ」という都市伝説をご存知だろうか。
風呂場で髪を洗っている最中に「だるまさんがころんだ」と念じると、姿がだるまさんがころんだをしているように見える事と水場である事から、怪異が発生するというものだ。
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この話を知ってから何日か後、私は風呂場で髪を洗っていた。
そしてその時ふと、その話を思い出し、ダメだと分かっていても頭の中で「だるまさんがころんだ」と念じてしまっていた。
なんだか怖くなってきたので早々に洗い終わり、薄目を開けて前の方を見た。
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目の前には洗い場の鏡があるのだが、曇ったその中から知らない日本髪を結った女が出てきており、手を伸ばしてもう少しで私の頭を掴もうとしていた。
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私は驚き後ろへ飛び退いた。するとその女は吸い込まれるように一瞬で鏡の中へ消えた。
だるまさんがころんだだから後ろから来ると思っていたが、目の前の鏡の中から徐々に近づいて来ていたのだろうか。
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だとするとあのままもう一度でもだるまさんがころんだを念じていたら、捕まって鏡の中に引き摺り込まれていたのかもしれない。そう思うと恐ろしくなった。
作者༻ 𝓜𝓲𝓼𝓪𝓰𝓲 ༺