俺の友人であるタルパさん。
そんなタルパさんが期待している若手の清麿君。
彼も怖い噺が好きで自身の体験談を語ってくれました。東京のとある夜の街での噺です。
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清麿君はね。
東京のとある夜の街に住み、そこで働いていたんですよ。
男性従業員のみでね。お酒を提供するお店だったそうです。
そのお店ね。寮として、マンションの1室を借りて使ってたんですよ。
問題はね。
その寮、幽霊が出るって清麿君の先輩が言ってたんですね。
清麿君はね。そういった幽霊やらに興味はあれど、先輩が暮らしてる部屋にお邪魔は出来なかった。
そして月日が流れ、先輩が辞め寮も使われて無かったんですが、A君って後輩が入って来たんですよ。
A君は上京して来たんで、寮に入ったんです。
数日経った後、清麿君がそれと無くA君に聞いたんですよ。その部屋幽霊が出るって話し聞いてるんだけどどうかって。
A君からは、何も無いって返答がありました。
A君ね。清麿君が気にしてるもんだから、寮に招いたんです。
清麿君の知り合いに、自称霊感があるっていうB美さんって娘が居るんですよ。
彼女に写メ撮って送りました。
B美さんの回答は
B美「良く分からないけと、ヤバそう」
でした。
清麿君は期待してた答えを得られなかったので、気にしない事にしました。
そんな状況に転機が訪れたのは、新しく入ったC君が寮に入った時でした。
C「先輩。なんかあの部屋おかしいんですよ。俺が1人で居る時、ノックされるんですけど、外出ても誰も居ない事あるんですよ。何か知りませんか?」
清麿「あー、俺も先輩に聞いたんだけど、幽霊出るらしい。でも、Aは変わった事無いって言ってたけどな」
C「マジすか?今までは何も無かったのになぁ」
清麿「とりあえず、様子見てみたらどうだ?」
その後は特に何も無かったんですね。
そして、暫くするとC君が顔を真っ青にして出勤して来ました。C君の体験談です。
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C君が寮に居た時の事です。
その日はね、A君はお休みて出かけていた。
夜、1人でC君寝てたわけだ。
するとね。
玄関のドアが空いた音はしなかったんですが、
ぎぃ、ぎぃ、ぎぃって足音の様な物が聞こえる。
C君はA君が帰って来たのかなって思ったのですが、それをすぐに否定した。
玄関のドアにはベルが付いてるんですよ。
玄関のドアが開くとベルの音が鳴るはず。
それが無かった。
玄関からキッチン。
ガチャ。ぎぃぃぃー。
キッチンから今自分がいる部屋に入る前の扉が開く様な音が聞こえる。
C君怖くなって寝たふりをしてる。
その入って来た何かが目を閉じているC君の目の前に居る気配を感じる。
そこでC君。目を開けてしまった。
するとね、そこには目が赤く、凄い形相の女が居た。
C君が悲鳴を上げると、その女、C君の首を絞め始めた。
苦しさのあまり気を失い、出勤前のアラームで目を覚ました。
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C君ね。寮に1人で居るのが心細いって事で、清麿君に寮に来てもらうお願いしました。
2人で居れば何も起きないと思ったんですね。
A君の了承を得たので、暫く寮にお邪魔してたんです。
何事も無く日々を過ごして居たのですが、そんなある日の事。
その日はA君が不在。清麿君は彼の部屋でテレビを観ていました。ふとベランダに出る窓を見ると、影の様な黒い足が歩いている。
清麿君怖くなってね、B君に言った。
清麿「外、外、誰か居る」
B君慌てて窓開けても誰も居ない。
C「先輩、やっぱこの部屋おかしいですよね」
その後ね、自宅に居た時、清麿君にB美さんから連絡が来た。
内容はね。写メで送って来た部屋にまだ居るのかって
なんでもB美さんの彼氏の友達に幽霊に詳しく、霊感が強い人が居るみたいで、その友達に視て貰ったんです。
するとね。その友人か言うには、そこに住んでる人つまりはA君ですね。
彼は幽霊を退けるタイプで彼が居たからB美さんは感じ難かった。
そこに居るのは女性の霊で首吊りのイメージが視えたらしいのです。
清麿君そこまで聞くと自分の体験談を話しました。
B美「ねぇ。それおかしくない?外暗いのに、外の影見えるわけ無いじゃん」
清麿君ねそれを聞いて気付いちゃた。
そう。その足ね。外で無く、部屋の中に居たんですね。
俺が聞いたのはこんな話しでした。
作者蘭ユウジ
タルパさん期待の若手君の体験談です。