中編6
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空 (くう)

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神社では、" 禰宜 " と言う、

神職があるらしく、

" 宮司 " の次の位である、" 権宮司 " の、

その次の位にあたる神職だそうです。

一般の会社に例えると、

部長といった感じらしいのですが、

しかし、権宮司のいない神社では、

禰宜が宮司の次の地位になり、

宮司の補佐役を行います。

禰宜の定員は、普通一人とされていて、

大体の神社では、

一人しか存在しないのですが、

しかし、神職が多い大きい規模の神社などでは、神社本庁の統理で承認してもらった場合に限り、3人~5人程度の禰宜が奉職していることもあるそうです。

宮司や権宮司の指示で、社務や祭儀を行うことから、「経験を積んだ人」が、なれる神職

なんだそうです。

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今回のお話は、

私の今までの話とは全く違い、

性的描写が酷いです。

" あひるのイメージ " 型崩れ。

( いや、今までも、

良いイメージは、特に無かった気が、、、)

しかし、これは実際に私が体験した、

本当の話です。

この話については、脚色は一切ありません。

今回、私自身でも、

書き込むのを躊躇してしまいました。

このサイトで、

残酷でグロテスクなお話はあっても、

性的描写のお話を読んだ事が無かったからかも知れません。

( これで、" 怖話追放 " になったら、

どうしよう、、、)

とかも、本気で思いましたし 笑。

でも、今回の不可思議な体験は、

どう頑張っても、不可思議な体験であり、

それを皆さんに知って欲しかった、と言うのが1番の理由かも知れません。

ですので、そう言った、

性的描写が含まれるお話が不得意な方は、

お読みになられない方が良いと思います。

しかし、それを理解した上で、

読んで下さるのであれば、

是非、読んで頂きたいと言う、忠告とお願いです。

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忘れもしません。

私が大学時代、私が一人暮らしを始めたボロアパート。

それまでに、不可思議な事は山のように起きましたが、住み始めて2年半ほど経った頃でしょうか。

夜中に、身体が動かなくなりました。

( あー、いつものヤツかー )

と、身体を動かせるように色々と試行錯誤をしていた時、

突然、私は両手首を掴まれました。

男の人の手でした。

すごい力でした。

そして、私の身体を触り始めました。

いやらしく胸を触ったり、、、舐めたり。

それは、まさに性的行為でした。

( 誰?この人、、、)

と思いながらも、

私は、フワフワとした感覚でした。

気持ち悪いのに、気持ち良い、、、

何だか、そんな自分がイヤでしたが、

そのうち、

男のものが挿入されてきました。

そして何故か、射精をした事も感じ取れるんです。私の中に、ドロッと大量の精液が流れ入ってくる、それも分かります。

その瞬間に、パッと男は消えました。

私は、( 本当に犯されたんじゃ!?)

と、驚いたのと同時に、

誰も居ない部屋を見て、

( 人間じゃ無いのか、、、) と分かり、

まだ身体に、生々しく残ってる、

男の感触が気持ち悪くて、すぐにシャワーを浴びに行きました。

それから、2、3日に1回は、

その男が私を犯しに来ました。

そのうち、いつも同じ男だな、と、

何となく感じました。

顔はあやふやな、ボヤけたようにしか見えませんでしたが、" 髪が短髪 " と言う事だけは分かりました。

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友人達に話してみましたが、

「本物の男なんじゃないん?」

「欲求不満だろ?」

「あんたさ、本当に面白いよね。

マジで、一緒にいて飽きないわ。

あんたみたいな人間と出会った事なんて、

今までで1度も無いし。」

「あー、オレもそう思う!」

( ※ ちなみに私は、イジメられてはいません。)

などと、軽く流されまして、

( クッソー!死んだら呪ってやるー!!)

とか思いましたが、

これは何とかしなければ、と。

『色情霊』と言うものを調べてみました。

" この世に性的な未練を残して、

亡くなった方の魂か、

もしくは誰かの性的な思念が、生き霊となったものが 『色情霊』。"

( 前者の方は霊媒体質の方に多く、一般的には後者の、誰かの思念であることが多いようです。)

との事でした。

盛り塩が効くと書かれていましたし、

私もそれ以外には、思いつかなかったので、

試しにベッドの脇に、盛り塩をしてみました。

1日目、何も無し。

2日目、何も無し。

3日目、何も無し。

4日目、、、来た。

私は ( えっ、、、?

盛り塩したのに、、、何で!?)

心の中で焦りました。

するとその男が、初めて喋ったのです。

かなりの荒い息遣いで、

とても低い声で。

その低音が、私の身体中に響き渡りました。

からかう様な言い方で、

私のすぐ耳元で、その男は言いました。

『そんな事しても無駄だよ』

私は、その声にゾッとしましたが、

その男は、いつもの行為を済ませると、

また消えていきました。

その後も、何度も男は来ましたが、

相手が人間じゃないので、

毎回、毎回、私の中で射精されても、

当然、妊娠などもしませんでした。

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それから3週間近く経った頃でしょうか。

ある夜に、また身体が動かなくなりました。

( あー、、、)

と思っていると、

いつもと、手首の掴み方が違います。

そして、いつもとは違い、

相手の顔がハッキリと分かるんです。

彼は、神社にいる様な、

神職の格好をしていました。

髪は長くて、後ろで1つに結んであり、

その髪の色は、灰色がかった水色をしていました。肌は白くて、とても綺麗な顔立ちでした。

( あれ、いつもと違う人だ、、、)

しかし彼もまた、いつもの男と同じように、性行為をし、そして私の中で射精をしました。

そうして、彼は最後に、

『 私以外の男と、

性的行為をしてはいけない。

その契約を結べるなら、

私はまた、あなたに逢いに来ます。』

その声は、私の頭の中に直接入って来るような、そんな感じでした。

私は、

( 分かりました、契約します。)

と、心の中で思いました。

そして、更に思いました。

( あなたは、誰?)

『私は、禰宜です。』

( ね、ぎ、、、?)

急に、彼の身体が薄く透け始めて来たので、

咄嗟に私は、心の中で聞きました。

( あなたの名前は?)

そう思った瞬間に、

彼が天井の方へと、

背中で弧を描くように滑って行き、

『私の名前は、くう、、、

と聞こえたかと思うと、そのまま消えてしまいました。

私は何故だか、その時、

" くう " と言う名前が 、

" 空 " と書くのだと確信していました。

そして、上に昇っていった時、

彼が来ていた神職の服の裾が、汚くボロボロになっている事に気が付きました。

1つに結んでいた長い髪の毛先も、同様に。

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『空』と契約を結んで以来、

あの男は、1度足りとも来なくなりました。

それと同時に、彼も、、、

『空』も、私の前には、2度と現れていません。

私は、自分自身、こう思うのです。

彼が契約を結んでくれたから、

他の者は近寄れなくなったのでは、と。

そして、その契約を結ぶには、

私と1度だけ、

身体の関係を持たなければ、ならなかったのでは無いのか、と。

都合の良いふうに考え過ぎだと思いますが、

そう思うしか無いのです。

でも、、、何故、

『空』は、私を助けてくれたのでしょうか?

何処で、私を見付けてくれたのでしょう?

今でも彼の事は、鮮明に覚えていますが、

彼の存在、彼の行為、

それだけが、今でも謎なままです。

しかし、とにかく、

『空』に、ありがとうと思います。

" 今でも、何処かで見守ってくれてたら、"

などと、これまた都合の良い事を思っている毎日です。

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