最近仲良しのタルパさん。
実は彼ね、かつては友人の友人って感じの皆さんから心霊相談を受ける事もあったそうです。
今回は友人からの紹介で受けた相談の噺を聞かせてくれました。
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タルパさんの地元にね、『横向温泉ロッチ』って言う地元じゃ有名な心霊スポットがありましてねぇ。
なんでも、オーナーが自殺したとか、外のボイラー室がヤバイとかの噂がある所でして、この噺をしてくれたタルパさんもね、夜には行けなかったそうです。
あそこは、何が出てもおかしくない。幽霊どころか、文字通りお化けが出そうだ。そう話してましたね。
タルパさんね、そんな心霊スポットに4人で肝試しに行った人から相談を受けたんです。
その4人は友人同士で1台の車で温泉ロッチへ行きました。
心霊写真でも撮れるかもって言ってカメラを持って行ったわけだ。
特に何かあったわけではなかったみたいでね。
3階の大きな広間みたいな所で持って来たお菓子やジュースなんかを食べて少し休憩してた。
そこね。天井が少し抜けていて月明かりが入ってくるもんだから、少し幻想的だなんて言う。
そして、帰ろうと車に乗り込んだ所でカメラを忘れた事に気付いた。
出発前に気付いて良かったなんて話しながら帰った。
その時撮った写真をタルパさんに見せてる。
特に何か写ってるわけでは無かった。
でもね。ある写真で、タルパさんの手が止まった。
タルパ「これって3階の広間みたいな所だよな?」
相談者「そうです。そこで、少し休憩してたらカメラ忘れたんですよ。何か写ってますか?」
タルパ「いや。特には写って無いよ」
相談者「良かったです。問題はその後の写真なんですよ」
そう言われて最後の写真を見た。
4人が車に乗り込む所が写ってる。
相談者「僕達の他に誰も居なかったんで、そんな写真撮れる訳無いし、僕もこんな写真撮って無いんです。
これ、持ってたらヤバイですか?」
そう。彼等はこの写真をどうすれば良いか悩んで居たのです。
自身も霊感があるタルパさんはこの写真持ってると良くないと感じた。
でもね、タルパさん自身でこれに対処は出来ない。
そして、ある事を思い出すんですよ。
タルパ「青葉山にある○○寺って所に持って行くと良い。あそこの坊さんは本物だ」
そう。タルパさんが太鼓判を押せるその坊さん。
昔、タルパさんその坊さんに助けて貰ったんです。
タルパさんはその時の噺も聞かせてくれました。
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ある夜の事。ふと脇道を見たら、手向けられた花を見てしまったんです。
いわゆる交通事故があった所ですよね。
花が手向けられてるって事はどなたかが亡くなっている。
その日家に帰るとラップ音が鳴り響く。
普段はそんな事無い。
友人にそれを話すと、良い寺を知っているって事でその寺に行く事にした。
その友人も付き添ってくれたんです。
その寺の庫裏を訪ねました。
チャイムを鳴らすと、甚平を来た住職さんが出て来て。
住職「お前ら…。とりあえず、入れ」
って言われ居間に通された。
居間に通されると、お茶を出してくれたんですけど、友人がね、タルパさんに気を利かせて言った。
友人「最近運が悪くて、御祓的なもの受けたいんです」
住職はそんな友人に目もくれず、タルパさんに言った。
住職「で、お前。そいつは夢にまで出てくるのか?」
タルパ「夢には出て来ないです。」
住職「お前はそいつの姿、特に顔は見たか?」
タルパ「いえ、顔はおろか、姿すら見てないです。あの…、僕はどうしたら良いですか?」
住職「まだ、間に合うな。なんとかしてやるから明日お前だけまた来い!護摩焚いたる。今日はもう帰れ」
タルパさん一つ気になった事を聞いた。
そう。料金ですね。
お坊さんは除霊の際料金を定めている方も居るわけですが、その住職さん違ったんです。
住職「そうゆうのは、気持ちだ、気持ち」
タルパ「その気持ちの相場が分からないんですが…」
そしたら、その住職さんね、面倒臭いって感じで言った。
住職「5千円で良い。お前ら、若いし、金も無いだろ。明日5千円持って来な」
そして、次の日。タルパさん1人でそのお寺を訪ねました。
袈裟を着た住職さんが出迎えてくれて、今度は本堂に通された。
本堂はね、タルパさんはどの仏様か分からなかったみたいですが、本尊として立派な仏像があり、護摩を炊いてる仏具もありました。
タルパさんね。本堂に入った瞬間、吐き気に襲われた。
帰りたいって思った。
それを察してか、住職さん
住職「兄ちゃん、気合い入れろ。その姿は見せかけか?」
と言って喝入れた。
なんとか、本尊の前に居る住職さんの前に座り、住職さんがお経あげたあたりから、何故か涙が止まらない。
タルパさんが覚えてるのは、住職さんが不動明王真言を唱え、自分の気持ちがスッキリした事だった。
住職「兄ちゃん、良く頑張った!茶でも飲んでけ」
また居間に案内され、お茶をご馳走になった。
持って来たお布施の5千円を渡して、住職さんに聞いた。
タルパ「一体どんな霊が取り憑いていたんですか?」
住職「あんなモンは見ない方が良い。気にしないこった」
口は悪かったけど、良い坊さんだったって話してくれました。
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でね、この噺。タルパさんが気になった事があるそうで、相談者が撮った写真。
カメラを忘れた所ですね。
タルパさん見たそうなんです。
壁一面に赤と黒で描かれた怨念めいた顔した女性の落書き。
でもね、彼等が撮った写真にはそんなモノ無かった。
アレは俺にしか視えて無かったのかなぁ。
そんな風に話してましたね。
俺が聞いた噺はこんな噺でした。
作者蘭ユウジ
タルパさんがまたまた話してくれました。
今回の噺は少し、複雑ですが、よろしければお読み下さい。