夜、自室で寝ていると、夢を見た。
真っ赤な鳥居がトンネルのように立っていて、その中を走っている。
何かに追われている感じ、とても気持ちが焦っている。
必死で走っていると鳥居のトンネルが途切れ、大きな社が目の前に現れた。
そこで体が動かなくなり、ずっと社の閉じた扉を見ていると、
動いているか分からないくらい、ゆっくりとその扉が開き始めた。
そこで目が覚めた。
目を開けたら、
顔のすぐ前にお面が浮かんでいた。
次に気づいた時は、いつもの天井が見えた。
外は明るい。
気持ち悪い夢を見たと思いながら、窓の障子を開けた。
不快感とは裏腹に、爽やかな夏の朝、青空があった。
部屋は2階で窓の下に庭がある。
その庭の真上、
私の目線と同じ高さに
お面が浮いている。
作者すず