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私が、まだピチピチの頃、
諸々の事情で、
キャバクラで働いていた、のです、よ。
(やはり、キャバクラでは年齢が高い方でしたけどね。)
あの、、、あの、あひるがっ!?
そう思われても、
当然で、す、、うぅ、、、
む、昔は、昔は、、可愛かったんですぅー
たぶん、、きっと、、、
うん、きっと、、、。
そして、
この話は、実話なのですが、
(一部、私が、
かなりの人気者だったとの脚色あり)
そして、
あひるが、キャバクラ、、、
『イメージが繋がらない無い = ウソ臭い』
そう言った方程式が、
成り立ってしまう、、けれども、
実際のお話です。
そこんとこ、シクヨロ (また、古い) です。
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この仕事は、
クリスマスや誕生日、年末など、
そう言った時は、特に忙しい。
『にっぱち』
と言われるが、2月、8月はちょっとヒマ。
でも、2月は、
バレンタインデーがあるから。
ゴディ〇の、チョコレート1つで、
( あと、ネクタイなんかもついでに )
それだけで、欲しいブランドが手に入る。
結局は、そんな世の中。
買ってあげる方も、優越感を感じる。
( 中にはギリギリの人もいるけど )
それを遊びと思えるか、
真剣に恋をしてしまうのかは、
客次第で、
ストーカーまがいは、毎日の様に通い続ける。
私達キャストが、
その娘に彼氏がいると知ってても。
痛客も、大勢いるし。
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そんな年末のある日、
その日も、忙しかった。
ふと、
顔馴染みの客が来ている事に、気付いた。
3人で来ていたようだったが、
私は私で、
自分のお客で、手一杯だった。
その馴染みの客には、
本指名の、葵ちゃんと言う娘がいたが、
葵ちゃんも、私を慕ってくれてて、
その客も、
私を可愛がってくれてたのもあり、
場指を入れてもらったようだ。
少しの間だか、
その席に着く事になった。
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席に向かう途中に、
その中の1人の男性が、席を立った。
(うん?
トイレかな、、?
じゃあ、おしぼりを頼まないと、、、)
そう思いながら席に着き、
場指のお礼を言いつつ、
「もう1人の方は、おトイレ?」
と聞いた。
残りの2人の客は、キョトンとしている。
「えっ?お1人、席を立ったでしょ?」
「いや、、、
オレら、2人で来たけど、、、。
ちょっとー、Kちゃん、
(私の事です。
私は、源氏名を使ってませんでした。)
怖い事、言わないでよー!」
「いやいや、
怖い事なんて言ってないよ。
あ、でも、私の見間違えかも。ゴメンね。」
すると、
その客が聞いてきた。
「ねぇ、その人ってさ、どんな人だった?」
「あー、えっと、、、
背は高くて、細くて、黒い服着てた。
顔は、、うーん、、
色白で、顎にかけてシュッとした感じ?
切れ長の目だった気がする。
髪は黒いけど、ボサボサな、、、」
一瞬、客の顔色が変わった。
「えっ?なに?
どうしたの? 私、変な事、言った??」
暫くして、
その客が話し出した。
「いやぁさ、オレら2人は、
高校ん時の同級生なんだけどね。
その頃からの付き合いで。
でも、本当はさ、
オレらは3人でつるんでたんだよね。
でも、ある日さ、その内の1人が、、、
まぁ、、、死んでさ。
事故でね。
それが、、
Kちゃんが言った容姿にそっくりなんだよ。
一緒に飲みたくて、帰って来たんかな?
、、、、、、。
Kちゃん、悪いけどさ、
もう1つグラス持って来てくれる?
そいつとも、一緒に飲みたいんだ。」
私はすぐにボーイに、グラスを1つ頼んだ。
その後は、昔話で盛り上がり、
お客が、私と同じ世代と言う事もあって、
楽しい時間だった。
私は、
その後、席を離れたが、
お見送りの時に、連れの客が、
「今度はさ、
オレが、Kちゃんを指名するから、
こいつが入れ込んでる女の子、、、
葵ちゃんだっけ? と、4人で盛り上がろうよ!」
と、言ってくれた。
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それから数日後、
2人は、また来てくれたのだが、
その日は大晦日で、うちの店は予約OKだった。
「Kさん、3番テーブル、指名です。
3名様。」
私は、3番テーブルに向かう。
あれ?
2人しかいない。
とりあえず挨拶を済ませ、聞いた。
「あのさ、ボーイから、
3名様って言われたんだけど、、ね?」
「あー、Kさん、
私も、そう言われましたよー」
葵ちゃんも、そう言った。
「いや、いや、
オレら今日は、予約取ってきたし、
2人で行くって、電話で言ったよ?
でもさ、
オレらが店に入った時に、
『〇〇様、お待ちしておりました。
3名様ですね。こちらへどうぞ、、、』
って言われてさ、
2人で不思議がってたんだよね。」
「ねぇ、何か気になるよね。
〇〇さんの電話受けた人に、聞いても良い?」
「うん、オレらも気になるし、、、」
私は、すぐにボーイを呼び、事の流れを説明した。
すると暫くして、
「Kさん、
確かに『3人で行くから、』と聞いたそうです。」
私は言って良いのか悪いのか分からず、
困っていたが、思い切って話した。
「この前の事もあるし、、
しかもさ、
『ふたり』と『さんにん』って、
普通、聞き間違え無いよね、、。
いや、しかし、、、
電話に出たヤツは、耳が悪いのかも知れませんぞ。
補聴器を買ってあげよう!
何故なら私は、お金持ちだからです。
ウソです。
しかも、更に、痴呆とか?若年性?
聖母マリアのような私でも、
さすがに、介護はねぇ、
介護は大変らしいし、、ね、、
つーか、その電話番の事、知らんしっ!
や、ヤバすぎる、、、
うちの店も潰れるな、、。」
「アハハハ!!
やっぱ、Kちゃん、面白ぇな!!」
「Kさ〜ん、面白過ぎですよ〜!」
「葵ちゃんまで、笑わないのっ!!
私は、顔で勝負出来ないので、
話術を学んでおりますデス、はい。」
「またまたー!
でもさ、さすがに立て続けに起こると、
気味悪ぃよなぁ。
しかーし、今日は大晦日だっ!!
とことん飲むぞーっ!!なっ?」
客の、優しいその言葉で、
場の雰囲気は和み、
楽しい一時となった。
それからも、そのお客は来てくれたが、
2人が3人に増える事は無かった。
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若かりし頃の、思い出話です。
この話を読んで下さった方、
お付き合い頂きまして、ありがとうございました。
しかし、
あれから十数年、、、
歳をとった自分を、鏡で見ると、
ハァー、、、と、
ため息しか出ない今日この頃、、です。
話を戻しますが、
3人目の客が、
2人の昔の友達だとしたら、
何故、あの2回だけ、飲みに現れたのでしょう?
『飲みたい時もある!』分かるような気もします。
私も、お酒好きですし。
(最近は、糖質70%OFFの発泡酒が、恋人です。)
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追記
この話は、
かなりコメディタッチで書いてしまいました。
あまり怖くないと思います。
(じゃあ、
怖話に載せんなよ、と言われそうですが。)
しかし、
あの時、あの店で、あの空間で、
その出来事を真実にしてしまい、
怖がり、
そのせいで、場の空気を白けさせてはいけない、
そんな世界の中での、出来事です。
なので、忠実に書きました。
今となると、正直、怖かったですよ。
いくら夜の店は、
そう言った類の者が集まりやすいとは言え。
作者退会会員
すみません。
自分のキャラが出過ぎたあまり、怖くないと思います。