中編4
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バスの運転手

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この話は、実際のお話ですので、

名前は、仮名にさせて頂き­ます。

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これは、

高校時代の、仲良しグループの1人である、

ナオから聞いた話。

ある日の朝、私が教室に入るなり、

慌ててナオが、私に駆け寄って来た。

「どしてん?」

「いや、、

ヤバいんやって!

アキも、ヒロコも、まだ学校に来とらんし、

あー、

アキとか皆にも、後から話すけど、、、!

K ( 私の事です ) が、

1番早く、教室に来たし。

ねぇ!!

聞いてくれんけっ!?」

何だか尋常じゃ無い様子だ。

とりあえず、

「まぁ、落ち着きなさい、友よ。」

私は、これからナオが話す、

話の内容を知らなかったので、

かなり、冷静に言ったのだか、

ナオの興奮には、勝てなかったようだ。

「だって、だって、

気味悪過ぎるし、イヤやぁ〜」

半泣きのナオを見て、

「どうしたん?何があったん?」

と、真剣に聞いた。

ナオは、涙目で頷くと、

話し始めた。

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ナオは、バスで高校に通っていて、

部活後も、

大体、同じ時間のバスで帰っていたそうだ。

( ナオはバレーボール部 )

いつもの、バスに乗る。

いつもの、運転手さん。

大体、20分くらいで、家の近くの停留所に

着く。

いつも、ナオの他には2、3人乗客がいて、乗客の少なさは、

ナオの家が、田舎の方だったと言う事もあるのかも知れない。

停留所に着き、

ナオは、バスを降りる。

「気ぃ付けてなぁ〜」

バスの運転手が、声を掛ける。

ナオはいつも会釈をし、バスを降りていたそうだ。

まぁ、顔見知りになるのは、当然の成り行きだろう。

それが、、昨日、、、

たまたま、

他の乗客が、途中の停留所で、

みんな降りて行ってしまい、

バスの中の乗客は、

ナオしかいない状態になったらしい。

そうして、

( 次が、降りる停留所だし、)

と、ナオは前の方の席に移った。

確かに、

降りる停留所が近づけば、

前の方の席に移動するのも分かるし、

何ら不自然も無い行動だ。

すると、

ナオが席を移った瞬間、

バスの運転手が、

後ろを振り返って、ナオに言った。

『やっと、、、

二人きりに、、なれたね、、、。

ククク、、、嬉しいなぁ、、

この時を、どれだけ待ってた思う?

ね? な・お・ちゃん?』

そして、

満面の笑みで、ニタァと笑ったそうだ。

ナオは、

パニックになった。

何故、自分の名前を知っているのだろう?

私は、どうなるんだ?

しかし、その運転手がバスを停めない限り、

降りる事が出来ない。

もちろん、当時は携帯も無いし。

(ヤバい、ヤバい、、

何かされるかも知れん、、、)

ナオは、焦りまくっていた。

しかし、パニックになってて忘れていたが、

ふと、気付く。

( 私、、、

" 降車ボタン " 押してない、わ、、)

すぐ様、降車ボタンを押した。

《 …つぎ、とまります …》

女性の機械音の声が聞こえた。

そして、ナオは後ろの席で、

果たして停留所でちゃんと停るのかと、

怯えてたそうだ。

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少し後、バスは、

ちゃんとナオの降りる停留所で停った。

運転手の横にある、バスの扉が開く。

ナオは運転手を見ない様に、

通学定期券を見せ、

一目散にバスを降りようとした。

すると背後から、

『チッ、もう少しだったのに、、、!!』

と、声が聞こえたような気がしたそうだ。

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その後、無事に家に辿り着き、

さっきのバスで起きたことを、親に話したらしい。

その話を聞いて親が激怒し、

(そりゃ、そうだ)

バス会社に抗議の電話をした、との事だ。

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「それで、、

その、クソ運転手はどうなったん?」

私が聞くと、

「クビになったらしいんやけどね、

次の日に、バス会社の偉い人が、謝りに来たみたいやし、、、」

「そうなんや、、

あんた、大変な事になっとったんやねぇ、

でも、無事で良かったわー!

ほんと、良かった!!」

私は、親友が無事だった事に、

心から安堵した。

「Kー!怖かったぁー!!」

私はナオを抱き寄せて、

「うん、もう大丈夫や、

ほら、アキとヒロコも来たよー?

みんな、おるし、な?」

「うん、、、ありがと。」

ナオは泣いていて、よっぽど怖かったんだと思う。

当たり前だ。

その様子を見て、心配そうにアキ達も来た。

「ナオ、どしたーん?何かあったんか?」

ナオは、ちょっと泣きながら、

でも、少しホッとした嬉しそうな顔で、

みんなと話していた。

私は内心、はらわた煮えくり返り状態だった。

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あっ、スミマセン。

ここからは、暫く

私の、汚い言葉炸裂の、心の声ですので、

お読みになりたい方だけ、どうぞ。

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( このクソがっ!!変態ブタ野郎だな!!

『神様、、、

僕は、女にモテたいんです、、

僕は、、カッコよくなりたいんです、、』

願っても願っても、

その、願いは届かず、、、。

そりゃそうだ。

あら〜、お気の毒に、、、。

だから、あんな手口を使うんだろーがっ!!

とてつもない異常者? つーか犯罪者!?

、、、しかし、

前科が無ければ、謹慎処分で済んだだろう、、

だが、他のバス会社に、って可能性も、

無きにしも非ず。

じゃあ、、今度は、

この、私が、、、

代わりに、そのバスに乗ってやろうか!?

あんたを、

終点までお連れしてってやるよ!?

お前の事は、

しかと脳裏に焼き付けておいてやろう。

ぜってー、許さん。

バスで会ったら、命は無いものと思え。

死ねっ!!クソがっ!!)

私は、怒り心頭だった。

大切な友達が、恐ろしい目にあったんだし、

かなり腹が立つ。

しかも、やはり手口が汚い。

、、、、、、。

しかし、、、

私は、肝心な事を忘れていた。

私は、、、チャリ通だ、、。

バスに乗る機会も、無論、無い、、、。

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