短編1
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後ろの正面

これは、ある介護施設で働いていたときに話です。

私は、高卒ですぐ働き出したのですがやっと慣れてきて夜勤をするようになった日のことです。

その施設は、四階建ての建物で私は二階で勤務していました。夜勤はよっぽどのことがない限りは他の階には行かないのですが、その日は先輩に頼まれてものを取りに行きました。

四階は、デイサービースになっているため夜勤の時間は無人で電気もついていなのです。

物をとって帰るため階段の方へ向かっていると、

思いっきり背中を押されました。

私は、「誰?危ないな!」と叫びました。

しかし返事はありません。

当たり前です。

誰もいない時間帯ですから。

宿直の人もまだ巡回しない時間、誰も来ないはず。

もしかしたら他の階の人かな、などと思ったりしました。

でもそんなわけないんです。

だって。

私は、男の人の大きな手に背中を押されたのですから。

そして、その日の勤務の人は全員女性でした。

先輩に相談したら電話で確認してくれたのですが、

宿直の人を含め誰も4階にはいってないそうです。

私は、よろけただけで済みましたが。

あと一歩前に出ていたら私は階段から転げ落ちるところでした。

背中を押した誰かはいまだに誰かわかりません。

Concrete
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