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短編2
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誘う墓

僕は山道の散歩をすることが日課である。散歩は昼の3:00ごろから始めて、夕方の鮮やかな色の空を堪能しながら家に帰る。

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日々山道を歩いていて、目に飛び込んでくるものがある。どこへ続くのかもわからない階段、草が生い茂っていけなくなった道、木々の間からうっすらと見えるため池...........

「行ってみたい」

僕はそれらの場所に行きたいと思うようになった。

しかし、散歩をしているだけなので、そう思うだけで足を踏み入れることはなかった。

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そんなある日、いつものように散歩をしていると、あまり目立たない小道を見つけた。気になって仕方がなくなった。普段感じている「行ってみたい」という気持ちとは違い、何か異様な空気を感じた。「何かがある!」というような気持ちになった。

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幸い、その小道はあまり草に覆われていなかったので、「少しぐらいいいか」と進んでみることにした。

小道は特に変わった様子はなく、木々の奥に続いていた。でもやはり、異様な空気が漂っている。胸騒ぎがする。

「絶対何かがある」

僕は、この先に存在するであろう「何か」を追い求めてズンズン進んでいった。

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しばらく歩いていると、急にプッツリ小道が切れた。ここから先は木と草に覆われている状態だ。

そんな中、僕は生い茂る草木の間に何か奇妙な物があることを見逃さなかった。苔の生えた人口の石のような...

ここまで進んできてその「奇妙な物」がなんなのか確かめないわけにはいかない。生い茂る草をかき分けてそれに近づこうとした。

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必死で辿り着こうとするも一向にそれとの距離は縮まらない。

もう辺りは暗くなり始めていた。

「諦めて引きかえそう」

そう思って振り向くと

その奇妙なものの正体であろう物がそこにあった。

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それは、

墓だった。

その墓はこの草の中にポツンとひとつだけ存在していた。

「やはり何かがあった」

僕は君が悪いので今度こそ帰ろうと振り返った。

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………………………

言葉を失った。

さっきまで歩いてきた小道がなかった。

もう空は暗い青色に変わり始めていた。気温も下がりだした。

そして、辺りの草むらからしわがれ、震えた男の低い声(坊さんがお経を読むときみたいな)が、何かをぶつぶつ呟き始めた。

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気づくと僕は自分の家の庭に突っ立っていた。

「僕はここで何をしてるんだ?」

何も思い出せない。

「まあいいか」と僕はいつもの日課である散歩に出かけた。

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しばらく歩いていると、あまり目立たない小道を発見。異様な空気を感じた僕はその小道に足を踏み入れた………

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