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どのご家庭でも、
特に、夏場などに、
ハエやコバエに悩まされた事は、
無いだろうか。
そうして、
ジェット型式の殺戮ガス。
あと、
巧みな心理作戦で、対象者を誘き寄せ、
粘着テープで拘束、監禁した挙句に、
じわじわと、死ぬのを楽しむ、
サイコパス的な殺害。
この、サイコパス的な監禁所は、
比較的に、
高い所に設置されているパターンが多い。
( 田舎では、大体そうなる。)
要は、部屋の上部などに監獄がある、
と言う事だ。
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ある夏の日、
私は、主任看守から、
監獄の取替えを、依頼される。
部下の看守である私は、
イヤだなと思いつつも、椅子の上に乗り、
鍵を開けるかの如く、天井のフックから、
監獄を外した。
中の囚人達を、見たくはないが、
見てしまう。
( かなり、投獄されたんだなぁ、)
まだ、微妙に動いてるヤツもいて、
私は、主任看守に訊ねる。
「あのー、
まだ生きてる方が、
いらっしゃるのですが、、、」
主任看守は、鬼の形相で言う。
「ガスを、撒きなさい?」
その主任は、
他の監獄でも噂される程の、冷酷人間だった。
私は、至近距離だった為、
ガスマスクを口に当てて、殺戮ガスを放った。
すると、主任がキツい口調で言う。
「そのまま、、、
何事も無かったように袋詰めにして、
捨てなさい?
良いわねっ!?」
「はいっ、分かりました。」
看守の私は、
主任には逆らえず、
そのまま、袋詰めにしていた。
しかし、
あれっ?と、気付く。
( 天井からの監獄に、
なんで、、、
こんなにも、髪の毛がくっついてんだ?)
主任は、髪は短いし、
私も、こんな黒くて長い髪などしていない。
主任の旦那は、、、論外。
まぁ、
1、2本なら、分かってやっても良いが、
その数は、それより多かった。
しかも、
その、大量の髪の毛の中で、
絡まってひしめく様に死んでる囚人が、
かなり多い事にも気付いた。
( 何これ、、、
かなり気持ち悪いんですけど、、、)
私は、主任看守を呼んだ。
「主任っ!これ、何ですか!?」
それを見て、少々驚いた様子だったが、
「捨・て・な・さ・い」
無表情の主任を見て、
私は急いで、彼らを袋詰めの刑に処した。
大半は死んでしまっているのだが。
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それから1週間程、経っただろうか。
私は気付く。
( 天井の監獄から、
何か、ぶらさがっている、、、)
私は、蜘蛛か何かかと思い、椅子に乗って、
中の囚人達の様子を見てみた。
( 、、、っ!?)
囚人達は、またもや髪の毛に絡まれている。
そして、黒い髪の毛にまみれて、
ひしめいている姿は、
そこいら辺の、B級ホラー映画以上だった。
そうして、
監獄から垂れ下がっていたものは、
その、黒くて長い髪の毛だった。
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私は、その日から、
囚人達を、今まで以上に監視する事にした。
髪の毛を持ってくるとすれば、
これから投獄されるヤツらの他に、
誰もいない。
( しかし、あの囚人達に、
そんな事が出来るか?
髪の毛なんて、持てないだろう?
生物学的に考えても。)
そうして、何故に、、、
囚人達は髪の毛の束に集まり、死を迎えるのか。
その頃になると私は、
立派で勤勉な、看守の務めを果たしていた。
夜、「異常無し」と叫び、床に就く。
翌朝、「異常無し」と叫ぶ。
夜、「異常無し」と叫び、床に就く。
翌朝、「異常あり」と叫ぶ。
( 、、、いつだ?)
私は考える。
ありとあらゆるパターンを想像し、
そうして、考える。
、、、答えは出ない。
( 何故、一晩の間に、髪の毛が、、、?
ここん家って、、
呪われとるんじゃねぇの、、、?)
とか、思いつつ、
私は、主任看守に、連絡報告をした。
「主任、報告致します。
髪の毛が、また付いております。
囚人が群がり、死亡しております。」
主任は、暫く沈黙だった。
その後、
「袋詰めにしろっ!」
そう言い、去って行った。
看守の私は、その通りにしたが、、気になる。
( この髪の毛は、、
一体、誰のものなのだろうか、、、?
しかも、なんで、
誰も手の届かない、天井の監獄に、
こびり付いているのだろうか、、、?)
、、、袋詰めにしつつも、
やはり、髪の毛の方に目が行く。
長いからかも知れないが、
かなりの本数のように感じた。
( うん?)
私は、気付いてはいけないものに、
気付いてしまった。
それは、
汚い髪の毛と、囚人達、
もとい、蝿の死骸の中にあった、
変な色の塊だった。
そこから髪の毛も生えている、ようだった。
( これって、、、
皮、膚、、、?
つーか、頭皮、、か、、、?)
私は、その事を主任には報告せず、
袋詰めにした。
そうして、
恐る恐る、主任に訴え出た。
「、、、、、、。
、、、天井の監獄は、、
閉鎖に、、しませんか、、、?」
「、、、。
、、良いだろう、、、。
天井からの監獄は、閉鎖しよう。
しかし『ジェット型式、殺戮ガス』は使う。
良いなっ!!」
「はい、、、
私は、天井からの監獄が無くなれば、
それで、、、」
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私は、最近、頭が痒かった。
お風呂に入っても、市販の薬を塗っても。
次の日に、頭皮に瘡蓋が出来てる程だ。
私の髪色は、
黒では無いし、あんなにも長くは無いが、
知らぬ間に、頭皮ごと髪の毛を、
むしり取られているのでは無いか、、、?
夜中に、
沢山の蝿が、私の髪の毛の中に、
集っているのでは無いか、、、
と、根拠の無い妄想で、精神的に参った。
( しかし、結局、
私の頭の痒さの原因は、
その年、仕事などで、夏のキツい直射日光を、
外で浴びることが多かった為、
それ故の、頭皮の炎症だったらしい。
病院に行ったら、すぐに治った。)
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人間と言うものは、
ちょっとした、何気無い事でも、
想像を膨らませ過ぎたり、
何でも、自分に引当ててしまうのだなぁ、
と、感じた。
ただ、以前に投稿させて頂いた話で、
自分の部屋に、まつわる話があるのだが、
( お読みで無い方へ。
ざっくり言うと、私が住んでいる場所は、
昔から、飲み屋街で、遊郭など、
色々とありまして、
そんな中で、
当時、そのような店で働いていた、
女性の方に関係する?私が体験した話です。)
しかも、
丁度、私の部屋は、
その監獄の真上にあった。
昔の女性は、髪が命だと聞いた。
しかし女性が、そこから逃げようとして、
捕まり、
だからと言って、商売道具である、
顔や身体に傷は付けられない。
なので、門番や店の連中は、
女の髪の毛を掴んで、引きずり回したそうだ。
幾本も、幾千本も、、、
それは、数え切れぬ程の髪が、
抜けた事だろう。
勿論、頭皮ごと、もがれたかも知れない。
いや、頭皮ごと、もがれたのだろう。
しかしながら、
客にとっては、お相手の女性の、
髪の毛が少し少なかろうが、関係は無い。
肌が、絹の様にキレイであれば、
それで良い。
髪は、女の命なのに。
私は、、、
彼女達を、気の毒には思うが、
あの監獄に絡まっていた髪の毛とは、
関連性が0に等しく思われる。
我が家の、粘着式ハエ取りとは、
何ら関係は無い、と。
変な関係性を持たれても困る。
あの監獄に絡まっていた、髪の毛の理由が、
本当に、未だ分からないし、
天井からの監獄が、私の一言で、
閉鎖に追い込まれてしまったので、
今となっては、その理由を知る由も無い。
今更、また、
監獄を吊るす気にもなれないし。
ただ、私は、
それ以上の事に、深入りしたくなかった。
ただ、君の悪さと恐怖心だけが、
心の何処かに、
何処か片隅に、残っているだけ。
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理由や訳など、分からない時がある。
こんな所に、在るはずは無い、
こんな所に、居るはずは無い、
そんな、世間一般の常識と言うのは、
時として稀に、覆される。
作者退会会員
虫、愛好家の皆さん、
ハエなどの、愛好家の皆さん、
この度、この話で、
この様な表現をしてしまいました事、
大変に申し訳ありません。
苦情、受け付けます。