えっ?帰って来たでしょーよ?

中編6
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えっ?帰って来たでしょーよ?

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これは、以前に投稿した、

「母が呼ぶ」の話に酷似しています。

全て実話です。脚色は一切、ありません。

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私は、おかんと台所にいた。

いつもの光景。

私は、最近、

孤独な老人かのように、植物を育てており、

まぁ、唯一、

本物の年寄りと、違う所と言えば、

年金暮らしじゃあ、無い所と、

ネットで、

育て方を調べる、、と、言う所だけだ。

( いや、しかし、

最近のお年寄りも、ネットとかしてるなぁ)

そんなご時世だ。

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今は、

7人、人種の違う植物達がいる。

各々に、名前を付けて、

(ちなみに、全員、

戦国時代を生きた人達の名前が付いている。

何故なら、

そう、何故なら、、、

男女問わず、私のツボにハマる、

カッコイイ名前、ばかりだから!!

、、、まぁ、

それだけの事、、なんですがねぇ。)

毎朝、

「幸村さん、おはよー」とか、

毎晩、

「お市の方、おやすみー」とか、

声を掛けて、可愛がっている。

、、、、、、。

( 今、こんな事を、書きながら、

自分で、自分が、ちょっと怖くなった、、

、、私が、本当の、『怖話』か、、?

、ヤ、ヤバすぎる、な、、

、、きっと、私は、

もう時期、死ぬんだ、ろう、、、)

そうして、

私が、そんな可愛い植物達の事を、

せっせと、ネットで調べている時だった。

おかんが、

「ちょっと、銀行行ってくるわー」

と、何気なく言う。

私は、植物達の調べ物に夢中で、

「、、、う〜ん、」

と、生ぬるい返事をした。

そうして、

おかんが出掛ける音が、

聞く気は無いが、耳に入ってくる。

どうやら、

おかんは、チャリで行ったようだ。

銀行までは、

歩いても5分はかからない。

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暫くして、

家の犬ちゃんが、

顔を上げて、急に唸り出した。

私は、携帯など放り出し、

「どしたん?」

と、この世で1番、

大好きで、大切な、犬ちゃんに駆け寄り、

声を掛ける。

目に入れても、痛くない程の溺愛ぶり。

( いや、、、

到底、目には入らないだろうし、

実際の所、痛いだろうし、、。

私の阿呆ーっ!!

この期に及んで、

そんな冷静な考えは要らんのじゃあー!!

とにかく、とにかく、

そのくらい、大好きと言う事なんですぅー。)

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そうして、

玄関の開く音がした。

家の玄関のドアには、鈴がついている。

私が、

アジアンテイストな店で買ってきた、

200円くらいの鈴。

レジの所に、大量に置いてあって、

「この鈴って、何か意味あるんすか?」

と、私が聞くと、店の人が、

「鈴は、魔除けの意味があるから〜」

とか、何とか言ってた鈴。

『チャリン、チャリーン、、』

微かに、鈴の音が聞こえる。

そうして、

「よっ、こらっ、しょと、、」

おかんの声と共に、

自転車の後部にある、

スタンドを立てる音がした。

「ガッ、チャ、ンッ」

( あ、おかん、帰って来たんかな、)

家の犬ちゃんは、おかんが大好きで、

おかんが帰ってくると、

いつもなら、

しっぽを、これでもかと振りつつ、

おかんを出迎える、の、だが、、、。

いつの間にやら、唸り声も止んでいて、

知らんぷりして寝ていた。

( 、、、? 変やな、、)

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それから、暫く経つが、

おかんは、台所に入って来ない。

( 何か、しとるんかなぁ、、、。)

最初は、

気にも留めていなかったが、

しかし、あまりにも遅い。

私は、自転車がいつも止めてある、

玄関の土間の方へ、見に行った。

( 、、、あれ、?)

自転車は、無い。

おかんも、居ない。

私は、おかんにLINEを送った。

『 ねぇ、今、帰って来たやろ?

そんで、また、どっか行ったんけ?』

返事は無い。

すると、その5、6分後に、

『チャリン、チャリーン、、』

「あー、疲れた、銀行混んどったぁー」

私は、すぐに玄関の方に向かう。

急に、犬ちゃんが嬉しそうに、

しっぽを、これでもかと振って、

玄関へ駆け出す。

「よっこ、らっ、しょ、と、」

おかんは、

自転車のスタンドを立てていた。

「ねぇっ!おかん! LINE、見た!?」

「あぁ? LINE、、、?

ほんなもん見てないわねー、

だって、おかん、

携帯、持ってっとらんもん。」

「おかん、1回、帰って来たやろ?

そんで、

また、どっか行ったやろ?」

「またって、あんた、、

どこ行くん?

行くんやったら、

そこにも行ってから、帰ってくるわね。

そんな2度手間な事、する訳無いやろ?」

、、、。

確かにそうだ。

そうして、

おかんに、LINEを見せた。

確かに、LINEのメッセージは、

送られていたが、

その時間は、銀行に居たと言う。

おかんは、番号札を持ち、

イライラしつつ、時計を見ていたそうだ。

「、、、えっ?

おかんじゃないんやったら、

じゃあ、

あん時、誰が帰って来たん?」

私は、おかんに、

素朴な疑問を投げかけた。

「そんなん、

おかんに聞かれても、知らんわ。

よく分からんけど、誰か来てんろ?」

「そう言えば、、、

家の犬ちゃん、

おかんが帰って来る時、

いつもは吠えんのに、

誰かが来る前に、唸り声あげとったわ。

その誰かさんが家に入った途端、

知らんぷりになったけど。」

おかんは、

かーなーり、不機嫌に言った。

「あー、おかん、

そう言う話は、嫌いやからー、

あんたも知っとるやろ?

やし、おとんにして。」

「、、、はいよー。」

私は、軽くいじけながら、

( ちぇっ、おかんめ、

チャッキー人形がカワイイって、

言うとったのにっ!!

おまけに、チャッキーの花嫁まで!!

実際に、映画を観てないから、

そんな事が言えるんですよ。

あんなのが、カワイイなんて、

信じられませんがねっ!!

神経、疑いますがねっ!!)

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その後、私は、

再び、携帯を見出した。

おかんは、昔から植木が好きで、

色々と育てていたので、聞いた。

「ねぇー、おかーん、

肥料って、もう、あげて良いんやよねー?」

すると、おかんが、

「私は、おかんではありません。

『ママ』です。

これからは、『ママ』と呼んで下さい。」

、、、、、、、、、。

( 、、この人、とうとう、

頭が、おかしくなったんか、、、?

脳みその皺が、、減ったの、かい、、?

、いや、、待てよ?

よぉーく、

考えてみるんだ、私。

もしも、

1度目に、帰って来たのが、

本物のおかん、やったとしたら、、、

今のおかんは、偽物、、か、?

『ママ』って呼んで、とか、

意味不明な事を、言い出すし。

、、私よ、、、どうする、、、?

本物か、どうか、

確かめる方法って、あるのか、、?

、うーむ、、、

、、本人しか、知らん事、、、)

そうして、

考えた挙句、私は言った。

「はい、

では、ママに、質問です。

家にいる、

私のパキラ ( 観葉植物 ) の名前は、

な〜んだ?」

「、、、えっ、

何や?急に、、、。

あんたの植物、多すぎて分からんし。

前から、

名前の看板、立てといてって、

言うとるやろー!」

私は、急かす。

「は、や、くー!!」

おかんは、、、

ママは、焦る。

「ちょっと待って!

今、思い出すし、急かさんといて!

、、、、、、、、、

、、、、、、

っ!!

分かったぁー!! 分かった!!

『帰蝶』やろっ!?」

「はい、正解です。おめでとう。」

「ほんで、何なん?」

「別にー。」

おかんは、

訳が分からない顔をしていたが、

しかし、私は、

自分を慰めるかのように、

犬ちゃんに言う。

「だって、

本当に誰かが、来たんやもんねぇ?

今のおかんが、本物やよねぇ?

、先生、、どう思う?」

先生は、こっちをチラっと見て、

私の手を舐めてくれた。5分くらい。

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その後、おとんに言ってみたが、

「あー、聞きたくないわー、

おとんも、歳取ってきたら、

そういう怖い話が、ダメになって来てん、

もう、言わんといて!」

( くそぅ、、、

私が、5歳くらいの時から、

毎晩の様に、ホラー映画を見せてたのは、

どこの、どいつですかねー?)

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そう言った事があり、

鈴を、玄関に付けていても、

魔除けにはならないと言う事が、

私の家では、立証された。

そうして、、、

おかんが2人いると言う、都市伝説。

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