中編4
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たのしいゆうべ

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この話は、

幼い頃の記憶を辿りながらの、実話です。

霊的な恐怖では無いですし、

『怖い』と言う感覚とは、

違うやも知れません。

ただ、

この話と言うのは、

それから、ずっと後に起こる、

ある出来事により、

思い出された話なのです。

だから、敢えて投稿させて頂きます。

なので、

もし、お読みになられる方が、

いらっしゃったとしたら、

怖さは、求められないかも知れませんので、

ご注意下さい。

では、前置きが長くなりましたが、、、

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私が、保育園の時の話。

年長さんになると、

お泊まり保育と言う、保育園で1泊する、

『たのしいゆうべ』

と言うものがあった。

みんなで、夕飯を食べ、

( 確か、お決まりのカレーだった気が。)

みんなで、保育園で寝て、

次の日は、

さながら、文化祭の様な行事。

そうして夕方、

家族のお迎えが来て、家に帰る。

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保育園で1泊した、次の日の文化祭。

その中の1つに、お化け屋敷があった。

みんな怖いが、先生達と手を繋ぎ、

2、3分のコースを回る。

私も当時、

かーなーり、怖かった覚えがある。

急に、変なビニールの裂け目から、

手が出てきたり、

( まぁ、保育園の先生なのだが、

みんな、大、大、大絶叫っ!!

更に、涙を流す人、続出っ!!)

窓から、燦燦と太陽さんが、

差し込んでくれていると言うのに、、、

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夕方に、

おかんが、チャリで迎えに来て、

家に帰った。

そうして、私は、ふと気付く。

右の足首に、

5センチ程の、赤いものがついている。

「ねぇー、おかぁんー!!

なんか、赤いのついとるー」

「えー?」

私の声を聞いて、おかんが見に来た。

「ほんとやね、、」

赤い所を、濡れた雑巾で擦ってみた。

とれない。

おかんが言う。

「たぶん、、ペンキじゃないかね?

お化け屋敷で、ついたんじゃないかー、

手の跡っぽいし、

きっと、先生がつけたんやろ?

まぁ、お風呂入っとれば、その内とれるわ。」

私は、

その赤いのが、かなりイヤだったが、

お風呂に入ればとれるし、、と、

自分に言い聞かせた。

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それから2週間、

未だに、赤いものは消えない。

おかんが、保育園に聞きに行った。

『小さい子には、

ペンキなどは危ないですから、

水彩絵の具しか、使ってないですよ。』

そう、言われたらしい。

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おかんは、

私を、皮膚科に連れて行った。

色々と調べたみたいだが、

原因は、分からなかったそうで。

変な塗り薬を、出されただけだったらしい。

そうして、

おかんは、私を、

大学病院にまで、連れて行った。

検査の結果は、

刺青のように、皮膚に、

深く入り込んでいる訳でも、無かったようだ。

( 幼かった頃の事なので、

あまり、自分の置かれている状況は、

よくは分からなかったし、記憶も曖昧だが。)

しかし、

結局のところ、

医者から告げられた言葉は、こうだった。

『原因は分からない。

私達には、

赤い部分の皮膚を剥ぎ取り、

そこへお尻辺りの皮膚を、植皮する、

それくらいしか、出来ない。』

当時の私は、

泣きわめいて、それを拒否った。

( そりゃあ、そうだろうよー、

こんな、カワイイ、、、

、、?、、カワ、イ、イ、、、?、、

いや、いや、

とっても、カワイイ子供には、

とても辛すぎる、、、)

おかんは、

「少し考えます」と、医者に言ったらしい。

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それからと言うもの、

おかんは『皮膚科の名医がいる』と聞くと、

すぐに私を、その病院へ連れて行く。

幾つの病院に、行ったろうか。

しかし、全部が無駄だった。

おかんは、

赤い部分が見えない様に、包帯を巻き、

毎日、石鹸で洗ってくれた。

私は不安で、

「赤いのとれぇん、、とれぇん、、、」

と、毎日のように泣く。

もはや、私には、

『たのしいゆうべ』は、

『たのしくないゆうべ』と化していた。

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そんな日々を送っていた、ある日、

何となく、、

私は、包帯を外してみたくなった。

何故だかは分からない。

「あれっ、、?」

赤いものは、

1粒の砂くらいの大きさですら、

残っていない。

全く、消えていた。

「おかぁーん!!おかぁーん!!」

私は、叫んだ。

おかんが来た。

「どしたん?」

「赤いの、無くなっとる!!」

「えっ?

ちょっと見して?」

おかんは、じっと、私の足首を見る。

そうして、

「良かったー」

と言って、私を抱きしめた。

何となく、

「おかん、ありがと」

と、お礼を言った覚えがある。

結局、

赤いものが消えたのは、

赤いものがついてから、

3ヶ月を過ぎた頃、だったらしい。

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さて、

この赤いものの正体は、

未だに分からないし、

何故、ある日に、突然に消えたのかも、

全く以て、分からないのですが、、、

そうして、

それから、30年後。

また、

私の右の足首に、出来事が起こる。

次回にでも、

投稿できればと、思っておりますが、

その話も、全て実話です。

前置きにも書きましたが、

その出来事により、

今回の話を思い出しましたので、

私としては、今回の話も、

投稿しなければならないような気がしまして。

もし、次の話にも、興味を持たれた方が、

いらっしゃったとしたら、

是非、読んで頂けたらな、と思います。

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