安室ちゃんよ、ありがとう、、、

長編10
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安室ちゃんよ、ありがとう、、、

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ある神社で、

ある女性が、

まるで、神隠しに遭ったかの様に消えた。

家族が目を離した、

たった、30秒くらいの間に、

忽然と姿を消したそうだ。

それは、事件になった。

未だに、行方不明。死体も見付かっていない。

本当の話と言うか、本当の事件。

( あまり話すと、バレるので。)

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大学時代、

恒例の『心霊スポットツアー』。

みんなで案を出した挙句、

1番、みんなが行きたくない場所に、

決まった。

例の神社だ。

大学からは、車で30分ほど。

何やかんやで、車3台で行った。

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神社に着く。

全員で14人。

( いつも思う。人数が多過ぎるだろ、、)

みんなで、彷徨く。

「えー、でもさ、

ここで神隠しがあったんだよねー?」

不意に、誰かが言った。

後輩達が、、、

いや、その場の雰囲気が、、、

何となく、脅え始めた。

( 阿呆か。)

私は、そう思いながら、

「みんな、怖いんなら、もう帰ろ?

" 怖くて楽しい、"

じゃあ、無くなったんなら、

そんなの、居ても仕方無いでしょーよ?

はい、撤収ー!」

周りが、車に向かう。

すると、

ある後輩が叫んだ。

「、、Mちゃん、?

Mちゃんがっ!!

Mちゃんが!いない、、、!」

その後輩の、

勘違いかも知れないし、人数を数えてみる。

13人。

1人足りない。

みんなで、すぐ様に探す。

いない。

そうして、緊迫した雰囲気の中、

先輩達と相談する。

「どうする?

やっぱ、警察に連絡した方が、、、」

そうして、誰かが携帯を手にした時に、

私は言った。

「ちょっと待って!

30分だけ、待って。

みんなは、車の中に居て!

あと、、

『交通安全』のお守りでも、何でも良いから、

みんなが持ってるお守り、全部、頂戴っ!!」

「おぃ、K!

何するつもりなんだよ!?

警察、呼んだ方が良いって!」

「お願い!」

私は、早くしなきゃと思っていた。

警察が来る頃には、もう遅い。

警察が来た所で、Mちゃんは見付からない。

そんな気がした。

その後、

色々なお守りが、10個ほど、集まった。

誰かが身につけていたお守り、

勿論、車の交通安全のお守り。

そうして、

私は、10個のお守りを持って、

神社のある暗闇に、走って行った。

「おぃっ!Kーっ!!」

そんな先輩の声が、後ろから聞こえた。

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神社の左側を歩く。

周りは真っ暗だし、懐中電灯も無い。

強気な私が、

何故だか、慎重に歩いていた。

( 何だか、良くない、、、)

私は、急に叫んでみた。

「どこにいるのー!」

敢えて、名前は言わなかった。

私は、

『昔、この山にある沼で、

2人ものお姫様が、悲運な死を遂げた。

そのお姫様達は、沼の主となった。

この神社に参拝した女性の願いは、

必ず、叶うとされているが、

他にも、この山では、

悲しい出来事が、色々とあったらしい、、。

( 書くと長くなるので、省略する) 』

と、言う話を、

以前に、ネットで見た事があった。

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( うーむ、、)

いつもなら、即行動の私が、

何故だか、行動出来なかった。

と、言うよりかは、

どう行動して良いのか、分からなかった。

( Mちゃん、ねぇ、、、。

どんな子だったっけ?

さすがに2個下は、良く分かんねー。

、、、、、

、、あ、

Mちゃんって、新歓コンパの時に、

私の隣に、座ってた子か?

そう言えば、

『わたし、

安室ちゃん、大好きなんですよー!!』

って、言ってたなぁ、、、。)

、、、、、、

、、、、

( くそぅ、

何で、私が、こんな恥ずかしい思いを、

しなきゃいけないんだっ!!)

そう思いつつも、

私は、

歩きながら、歌い始めた。

「、、、きょうもためいきの、つーづきー、

ひとり、まちをさまよってるー

えすけーぷ、、、

きのーからずっとしてるー

へやででんわをまつよりもー、、、」

( 我ながら、

よくちゃんと歌えたなぁ、と、

自分を、自分で褒めたいですっ!

何故に、歌ったのか、

あと、何故に、

この曲をチョイスしたのか、

それは、未だに謎に包まれている、、)

私は、歌いながら、

お守りを、1つずつ落として行った。

それが何故だかは、

私自身も分からなかった。

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もうそろそろ、

神社を1周する頃だっただろうか。

手持ちのお守りは、後2つ。

( うーん、、、

さすがに、ヤバい、か、な、、、)

ふと、

目の前に、人影が見えた。

「、、っ!!」

その人影は、

辺りの暗闇よりも、更に暗く、

黙ってゆらゆらしている。

よく見ると、

人影は、1人じゃあ無い、みたいだ。

今回、

" いつもの私と違う所 その1 "

今までみたいに、

強気では、無かったと言う所だ。

しかも、、、

軽く怯んでいる。

(私 A : おぃ、どーした、私。

頑張れよ、ここまで来たぞ?

私 B : いや、いや、

分かってんだけどさー、

あんまり、、

関わりたくない?って言うか、、、。

私 A : Mちゃん、助けんだろーが!?

私 B : そうだねー。

私 A : てめぇ、頑張れよっ!

ヘタレてんじゃねーよっ!!

私 B : 確かに。)

私は、自問自答の末に、

腹をくくって、みた、、、。

「ねぇ、あんたら誰?」

ゆらゆら動く人影は、返事をしない。

私は、何となく、

その人影達が、笑っている気がして、

ちょっとだけ、、、

いや、かなり、イラッと来た。

「お、く、ち、が、無いんですかー?

お返事はぁー?

この、クソったれがっ!!」

私の経験上、

そう言った類のものは、

ボロクソに馬鹿にすると、

挑発されて、何かしらの反応を示す、、、

場合が、ある。

( あくまで、場合、、)

暫く、待機。

すると、

ゆらゆらした人影が、近づいて来た気がした。

( よぉーし、もっと来い!)

近づいて来て、気付いた。

人影は、4人、、だ。

( 4人て、誰と誰と誰と誰っ!?)

そうして、キツいお香の匂い、

何がを引きずって、歩いてる様な音。

、ズズぅーっ、、、ズズぅーっ、、、

( 、、臭過ぎるんですけど、、、

お香の量を?考えたらどうだろうかっ!?」

、、私は、

そこで、初めて名前を呼んだ。

「、、、M、ちゃん?

そこに、いる、、、?」

微かに、

『、あ、、』と、言う声が、聞こえた。

私は、

手持ちのお守りを、思いっきり投げつけた。

「1個、足りないけど、

あんたらで、何とかしろっ!!」

( 今、思うと、意味が分からない。)

そうして、神社へ駆け込んだ。

「ガラン、ガラン、」と、

神社にある、

上からぶら下がってる、あの大きな鈴を、

思いっきり鳴らした。

鈴は、魔除にも効く。

そうして、デカい声で叫ぶ。

「Mちゃんをー!!

私の所へー!!返して下さい!!

つーか、返せっ!!

いや、帰って来るし、絶っ対に!!」

( 私の自論だが、

願望は、過去形な程、

より強い効き目を、発揮する気がする。)

そうして、頭を下げた。

私の後ろでは、

何やらが動く気配、何かの変な音、、、

色々な混沌が、ひしめいていた様に思う。

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暫く経ち、

急に静寂に包まれた。

私は後ろを、ゆっくりと振り返ってみた。

( 、、、ヤバい、、)

Mちゃんが、居た。

ボーッと立っている。

目の焦点も、合っていない。

( 、、こんな状態で、

Mちゃんを、返してくるんだ、、

やっぱ、

簡単には行かないんだなぁ、、

相手って、

この山の沼の主の、姫?なのかなぁ、、)

" いつもの私と違う所 その2 "

( 、、何か、

もう、どうでも良いや、、、)

と言う、諦め。

( 私が頑張る必要って、無いじゃんね、、)

、、、、、、、、

、、、、、

( あっ、)

その時に、気付いた。

( 、、、もしかして、、

、、私も、、、?

取り込まれそうになって、る、、、?)

すぐに私は、

出来るだけ、友達の顔、

いや、間違えた、

ムカつく奴の顔を、思い浮かべる。

( あのクソ女がっ!!

『 Kちゃん?

何かあったら、いつでも、H君 (私の彼氏)との事、

相談にのるからね? うふふ、、』

とか言って、

てめぇが、私の彼氏と浮気したんだろーが!?

その事も、

あんたに相談すりゃあ、良かったわけ?

100回、死ねっ!!

彼氏には、身体的苦痛を、

その、ゴミ溜め女には、

精神的苦痛を、与えては、みたが。

後は、、、

あの男、、、あっ、アイツも、、

あー、あの女も、、、

あの先輩も、

" お死にになって?トップ10 " の上位に、

めでたくランクインっ!!

、、後は、、ブツブツ、、、

、、、エンドレス。

うん!!

そろそろ良い感じだろう。

ムカつくヤツが、沢山いて、本当に良かった、

みんな!ありがとう!!)

そうして、、、

私は、思う。

( 一体、私は、何に脅えてた?

この、、? この、私がっ!?

脅える相手など、この世の中には、

1人としていないだろーが!?

あー、暴〇団とか、

マ〇ィアとかは、別にして。

世界的組織には、勝てませんから。

あと、、、

家のおかんも、別にして、、

あの人には、きっと、誰も勝てない、、、)

私は、

もう1度、鈴を、、、

鳴らさなかった。

この鈴は、既に、彼女達のもの。

私は、ゆっくりと、Mちゃんに近づいた。

Mちゃんの背後に、暗闇に、

何やら、何かの気配がする。

( 、、ふーん。)

私は、

自分が右手の中指に着けていた、

どーでも良い、安物の指輪を、

指から抜いて、暗闇の方へ放り投げた。

「はい、約束の指輪、、、。

あと、、

勝手なアドバイスですが、臭過ぎます。

モテないよ?

重たいなら、脱いだら良いし、

もう、誰も、

何も言わないし、何もしない。

身代わりなんて物も、必要無いから。

落ち着いたら、、?」

そうして、

Mちゃんの手をとる。

キレイなマニキュアがしてあった。

「ねぇ、Mちゃん!

このネイル、自分でしたの?

ヤバいくらい上手いじゃん?

あ、ピアスも可愛いー!

私さ、夏用のサンダル欲しいんだけど、

良いお店、知ってる?

教えてくれたら、Mちゃんにサンダル、

プレゼントしよっかなぁー、

ねぇ、ねぇ、Mちゃぁーん!!」

私は、駄々っ子の様に、

Mちゃんの腕を掴んで、振った。

「、、、、」

何か、聞こえた。

「、、くそくです、よ、?

サンダル、買ってくれるの、、、

約束ですよ!!」

見上げると、

涙を流しながらも笑顔の、Mちゃんがいた。

「あと、、Kさんの歌、

下手くそだったけど、聞こえました、、、

だから、

Kさんが居るからって、安心できました。」

( 私は、過去、

カラオケで100点を出しております、

Mちゃんは、きっと、耳が悪いんだろう。)

、、、、、、

古いヤツらには、、

新しい時代を、見せなきゃいけない時がある。

何故なら、

ヤツらの時間は、そこで止まっているから。

( ねぇ、

ファッションも、、

そうして、時代も、変わるのですよ?

既に、変わってますし。

だから、

私達の話に、付いて来れんだろー?

話の仲間に入れんだろー?

うん、元々、入れる気無いからねっ!

えへへっ!

、、でもさ、、、いつまでも、

囚われ続けるっつーのは、ツラいよ、

私も、そういうの、、少しあるけど。

今後、

どうするかは、自分次第だけど、

あんたらは、あんたらの役目を、、、

新しい事なんて、沢山あるから。

だから、偉そうにすんじゃねぇ、

あんたらだけが、ツラい訳じゃねぇよ!

そんな力、使うな!!

、、、、、、

、、、

うん、寄り添ってみたけど、

しかし、、、言わせてもらうわ、、、

バーカ!!)

そう思いながら、

ゆらゆら薄れて行く人影に、

中指を立ててやった。

( 非常識な発言を、すみません。

事実でしたので、、、

しかし、

その後、中指を突き上げなかっただけ、

私は常識人です。)

、、、、、、

、私は、その帰り道、考えていた。

( 、、ふーん、、

、、4人、ねぇ、、、。

1人は、Mちゃん、

後の2人は、憶測に過ぎないが、姫達、、、か?

じゃあ、、後の1人は、、、誰だ?

あと、、

『約束の指輪』って何だ?

私は、何も約束して無いが、、、。

そうして、

私はあの時、一生懸命、、

一体、誰に話し掛けていたんだ?

、、、まぁ、、知らんけど。)

separator

数日後、

「Kさーん!サンダルー!!」

Mちゃんの声に、私は、言う。

「 " サンダル " ?

それって、何だ?

食べ物か?

それとも、着る物なのか?」

「ちょっとー!

Kさんっ!!

バカなふりは、止めて下さいよー!」

「はい、はい、分かった、分かった、

今から買いに行こ!ねっ?」

私は、この夏、

余計な出費をするはめになった。

くそぅ。

separator

後日、、、

何となく気になり、

私は、

右手の中指に着ける指輪の意味を、

調べてみた。

『直感、霊感を表す。

守護神はサトゥルヌス。

人に憎まれたり、恨まれて起こる悪い出来事を止める力がある。

中指にはめる指輪には一度終わってしまったことを復活させる力がある。

中指に結びつく体の部分は、心臓、血管、肝臓などの循環器系。

自分の思ったとおりに行動したいとき、特にギャンブルを好む人に。

邪気から身を守る力強い指でもあります。

自分の意思のままに行動したい時やパワーが欲しい時につける指。

現実的な力が身につく指です。』

だと。

私は、信じてない。

そんな意味。

私の体験に、都合良すぎる話だし、

たまたまって事も、あるでしょ?

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