中編4
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昔思い

俺は最近友達と旅行に行った。ある旅館に泊まった。友達は一人で仮にУとしよう。

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日も暮れかけ始める頃、俺たち二人は旅館ののれんをくぐった。と同時に懐かしい田舎の香りを感じた。旅館の者に案内され、自分たちが泊まる部屋へと向かった。部屋へ入るとこれまた懐かしい香り。たたみの香ばしい?ような匂い...

涙が出そうな程懐かしい。床に座るなり欧陽菲菲の「雨の御堂筋」をiPadで流した。

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すると友達が

「なんだよ渋いなぁ」

と俺に言ってきた。彼もiPadを取り出して吉幾三の「おら東京さ行くだ」を流し始めた。

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彼も十分渋渋だと思う。しかし、今はそんなことをじっくり考えるよりも、音楽と音楽が混じって別の曲が出来上がっているこのカオスな空間を元に戻したかった。

せっかくの「雨の御堂筋」が聞こえにくい。「おら東京さ行くだ」も好きなのだが...

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これまた懐かしい夕飯も平げ、風呂にも入り満足した俺たちは布団に潜り込んだ。

そこでふと、こんなことを思った。

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昔にまた戻りたいな今の時代なんて面白くないし音楽も昔が断然良いし...

む か し に も ど り た い な. . .

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するとУは「昔はたしかに楽しかったよ。でも戻ることなんて出来ないしどうせなら今を楽しもうや」

とつぶやいた。俺は納得できなかった。

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こんな懐かしいのになんで?

shake

昔の方が良いし

shake

今なんて楽しいことなんてない

shake

全て昔が良い絶対に絶対に!

shake

ああ戻りたい!戻りたい!!!!!!!!!

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!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

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いつのまにか寝ていた様だ。なんとなく起き上がり、隣のУを見た。ぐっすりと眠っている。。。

まだ時刻は深夜2:00だ。おれはふたたびねむりにつこうとした。

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!!!

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が、へやのすみにおかしなけむり..いや、もやがかかっていた。そのもやは、なんともいえないにおいをはっしていた。

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がっこうのちょーくのにおい

いーしやーきいもーのにおい

やたいのにおい

おばあちゃんちのにおい

やまでたきびをしたときのけむりのにおい

............

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おれはもやにすいこまれるようにして入った。怖くない。むしろえきさいてぃんぐだ。

つぎのしゅん間、うたがってもうたがいきれないす晴らしい光けいが目にとびこんできた。

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なにかさわがしい建物内にいた。なぜここに?おれはりょかんにいたはずなのに。

わけもわからずばぶる時代にとばされてしまったようだ...

なんだか楽しい...なぜだろうか?

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ふふーん♪わかった。楽しさこの、なつかしさにあるのだと。

おれはりょかんのことも忘れて建物内をあるきまわった。しばらく歩いているとディスコのようなだんす会場についた。もちろんおれは踊った....

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まてよ?さっきまで旅館にいたのにここにいるのはおかしいじゃないか。ここにはいつまでも居られないし戻らなければ行方不明扱いだ。俺は時間と共に冷静になっていった。

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確かにУの言う通りだ。ここにはずっと居られない。だから「今」を楽しむ。もう昔には戻れない。

wallpaper:5483

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「今」へ帰らなければ!!

俺はそう決心し、足を一歩踏み出した時だった。

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shake

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shake

ガシャーン!

凄まじく大きな音と共に頭上の巨大な照明が落下してきた。

視界も急にフェードアウト。俺の身に一体なにがおこったのだろう...か.......

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wallpaper:5484

被害に遭われた方々、ご冥福お祈りします...

Concrete
コメント怖い
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ネタバレ注意
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95年は出版業界黄金期でしたっけ?
ジャンプが600万部台達成した時代かな。
僕も古屋兎丸にはまってました。

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自分は1995年の出版業界黄金期が好きです。この時代のマイナーな漫画作品(よしもとよしとも、古屋兎丸)をとても気に入っています。

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