東京の知人から聞いた話です。
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俺の友達の学芸員が怪異を現実に具現化出来る筆というものを手に入れた。
学芸員は悩んだ挙げ句、あの有名なクソデカ羅生門を召喚する事にした。
まとめ記事からクソデカ羅生門を筆写している最中背後にただならぬ気配を感じた。
振り向くとそこには黒い影の様な存在が立っていた。
怪異は学芸員から筆を奪い取ろうと襲い掛かって来た。
学芸員も文化財でもある貴重な筆を取られまいと必死の綱引きが始まった。
何とか筆は守り抜いたがクソデカ羅生門の原稿はぐちゃぐちゃにされてしまった。
その後も学芸員がクソデカ羅生門を執筆しようとする度にこうした怪異の妨害が続いた。
彼曰く怪異の世界にも物理法則の限界があり彼等は世界の均衡を保とうとするのだろうとの事だった。
作者退会会員