短編1
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黒い車輌

熊本の友人から聞いた話です。

(熊本に地下鉄は無いので熊本周辺での体験談では無いと思われます。)

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どの路線だったかは覚えとらん。

いつも通りのサラリーマンの帰宅ラッシュ。

俺は地下鉄駅の端っこでいつも読書。

ラッシュ時の車輌には極力乗らん。

3、4輌見送ってでも椅子に座りたい根性じゃし。

その日も3つ程車輌を見送った時に最後尾が一つだけ真っ黒い車輌があった。

それ以外は普通の電車。

初めて見る車輌に少し好奇心を抱き観察した。

影みたいな乗客がおって乗る気は失せた。

ホームで寝てた酔っぱらいのおっちゃんが車輌へと影に無理矢理引っ張られて行った。

流石に見捨ててはいけんと思って一輌前の異常の無い車輌に乗り込む。

異常の無い車輌には運転席があるだけで黒い車輌への連絡通路らしきものは見当たらなかった。

おっちゃん・・・・すまんな。

どうか成仏しいや。

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