短編2
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テレビの世界は怖い

千葉の友人から聞いた話です。

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超能力と言っていいのか単なる妄想遊びだったのか記憶が曖昧だが俺は子供の頃テレビ番組の世界に入って遊びやイタズラをし放題だった。

親に叱られた時などはドラマの世界やバラエティ番組の世界に入り込んでやり過ごした事が何度かあった。

入り込んだ世界の登場人物は俺に話し掛けられても何故かみんな支離滅裂な返事しかしなかった。

だから自分の都合の良い様に解釈してた。

イタズラもやりたい放題だった。

だけど子供の癖にアニメの世界や特撮の世界は大嫌いだった。

なぜかヒーローキャラは言葉が支離滅裂にならなず思い通りに出来なかったからだ。

「ここに居ると二度と現実に戻れなくなるからすぐに帰りなさい」等と逆に叱られる事が多かったからだ。

今にして思えばその指摘は正しかったと思う。

もしかしてアニメキャラは常識人が多いのだろうか?

それを思い知る事件が程無く起こった。

近所の野良猫ちゃんと一緒にテレビ入った事が一回だけあったのだ。

俺はテレビから出て来れたけれど猫ちゃんは出られずにテレビ画面を内側からガリガリと引っ掻いてニャンニャン鳴いていた。

「ごめんね今度出してあげるからね。今日はもうママが帰って来るからごめんね」と言った途端バラエティ番組の芸人や俳優の顔付きが厳しいものとなりが猫ちゃんに近付いて来た。

今度こそイタズラを咎められると思って思わずテレビの電源を切った。

5分位して恐る恐る電源を点けると猫ちゃんは腹が裂かれ内臓が露出し首と四肢を切断されていた。

芸人や俳優は何食わぬ顔で番組に出演しているが奴等全員の口許が血塗れだった。

食べられちゃったんだ!

大人って怒ったら怖いんだ!

イタズラがバレるのが怖くて誰にも相談出来なかった。

その罪悪感からテレビの世界に入る事が減り幼稚園で友達が沢山出来る頃にはテレビに入る方法を完全に忘れてしまっていた。

ちなみに今でも我が家のテレビには内側から引っ掻いた傷跡が残っている。

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