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短編1
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日常怪談「鏡」(続・蛇口)

後日私はその蛇口について、双子の妹に電話で話してみた。

妹は私と同じ顔なのに、私と違って美容に凝っていたから、ちゃんとした化粧水を使え!みたいなお叱りの言葉が飛んでくると思っていたが、話し終えた後の電話の奥はしんと静まりかえっていた。

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やがて口を開いた妹は、

「本当に、赤色の蛇口を捻ったの?」

となぜか怪訝そうな声色できいてきた。

そうだよ、と答えて私は、赤色の蛇口だから赤色の水が出たのかと思った。

それなら青色の蛇口を捻れば、青色の水が出るのだろうかと考えていた時、

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「赤色の蛇口を捻ったら、出てくるのは熱湯だよ!お姉ちゃん、熱湯で顔を洗ったの?」

妹は今にも泣き出しそうな声でそう言うのだ。

それを聞いて私はたしかにそうだと思ったが、あの時は熱さなんて感じなかったし、化粧がよく落ちたことを鏡で確認した時にも何も異常はなかったはずだった。

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何も言わない私に妹はついに泣き出してしまった。

私はもう一度鏡を見てみようと思い、スマホを耳に当てたまま洗面所へと走った。

鏡を見てみると、白目を剥いた私が、スマホを持っていない方の手で私の顔を指差して笑っていた。

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電話の奥の泣き声も、いつのまにか笑い声に変わっていた。

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