これは私が子どもの頃にちょっと流行ってた遊び。
公衆電話で000-0000-0000
にかけると、霊界に繋がり、コールバックがきたら幽霊と話ができるという遊び。
もちろんかけても、どこにも繋がらず。
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ある学校帰り。
帰り道に公衆電話が一つ、ポツンとありました。
友達が、
「なあなあ蒼波、幽霊電話やってみねえ?なあ、なあ、やろうよ」
僕はなんとなく嫌な予感がしたので、
「そんなとこ遊び半分でかけるとヤバいよ。」
なんだかんだ押し問答してたが、友達の強引さにまけ、電話をかけることになった。
「じゃあ、かけるぞ。
000-0000-0000。」
電話をかけると、
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プーップーッ。もちろんつながらなかった。
友達はなぜかやけになって、かかるまでかけてやると何度も何度もかけている。
10回程かけたところで、
「あー、もうやめた。つまんねーなー。蒼波帰るぞ」
そう言って、帰ろうと電話BOXから出ようとした時。
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shake
リンリンリーン。リンリンリーン。
電話がかかってきた。
え?何?ヤバくない?電話かかってきたよ。絶対でちゃダメだ。
そんな事を思い、友達を止めようと思ったが、遅かった。
「はい、もしもし。」
そう受話器を上げ、何やら話をしている。
と、話す友達の顔をみると、みるみる青ざめていっている。
「もう、話すのやめなよ。」
そう言って自分は友達から受話器を奪い、電話をきった。
それからはコールバックはなかった。
友達の顔は青ざめたままで、何やらぶつぶつと言ってる。声は小さく、なんと言ってるか聞こえない。
「何?なんて言ってんの?」
と聞くと、一言。
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shake
「今日、遊びにくるって、俺んとこ。」
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そう言うと、家に走って帰ってしまった。
どうにも友達の事が頭から離れない。
僕は、友達のところに明日は朝、迎えにいこうと決めた。
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次の朝、ちょっと早起きして、友達の家に迎えにいった。
インターホンを押して、待っているとお母さんがでてきた。
「あら、蒼波くんおはよう。
迎えに来てくれたの?
ごめんね。今日は体調悪いらしいのよ。休むって学校。
せっかく来てくれたのに、ごめんね。」
「わかりました。あいつ、大丈夫ですか?」
「うん、なんか昨日から様子がおかしくて。誰かがくるから、今日は寝ないとかなんとか。昨日も遅くまで起きてたみたいで。しかも、なんか独り言で誰かと話してるのよ。
でも大丈夫よ。ほら、学校遅れるから行きなさい。ごめんね。」
「また帰りにプリント持ってきますね」
そう言って帰ろうとふと、友達の部屋の方を見た。
そこには窓越しに友達が手を振っていた。
僕も手を振りかえした。
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shake
?あいつの後ろになんかいる、、、
それは女の人?のようだった。
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shake
真っ黒なワンピースをきた、髪の長い女。
友達の肩に手をのせて、いや、しがみついてる?しかも、友達は手を振ってるんじゃない!僕に助けてって言ってるんだ!
僕は慌ててインターホンを押した。
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shake
ドンドンドン、おばさん、おばさん、早く開けて。
「蒼波くん。どうしたのよ。そんなに慌てて。」
「すみません。上がります。」
「ちょっと、どうしたのよ。」
階段を上り、友達の部屋へ。
「おい、大丈夫か?おい、おい。」
返事がない。しかも、扉も凄い力で内側から押さえられて、開かない。
そうしてるうちにおばさんがきた。
「おばさん、手伝ってください。
開かないんです。」
「鍵なんてないんだから。開かないわけないわよ。え?なんで開かないの。ねえ、ちょっと開けなさい。」
「僕も手伝います。」
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2人がかりで、扉を思いっきり開けた。扉は開き、そこには友達が倒れていた。
おばさんは救急車を呼んだ。すぐに救急車が到着し、友達は運ばれていった。
それから、3日ほどして、おばさんが訪ねてきた。
「蒼波くん、この前はありがとうね。息子なんか、かなり衰弱してたみたいで。点滴して入院したのよ。
これからお見舞いにいくの。会いたがってるから、一緒にきてくれない?」
「わかりました。」
おばさんに連れられ、友達のところへ行った。
「おー!久しぶり。大丈夫か?」
「蒼波、大丈夫。ありがとな。助けてくれて。おれ、おれ、あのままお前が行ってたら、連れてかれてた。」
「それって。あの髪の長い、黒い服の女?」
「そう。なんで知ってんだよ?
ああそうか。お前見えるって言ってたもんな。
そう、あいつ。あの日電話で、あの女に言われたんだよ。」
「なんて?」
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shake
「電話嬉しいわ。私、あなたのとこに遊びに行くわ。」って」
「まじか。」
「そう。で、夜寝ようとしたら、ノックされて、ママだと思って開けたら、あの女で。そっから覚えてない。」
なんて、話をしていると、友達のお母さんが
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shake
「あー、その女の人ね。あなたが入院してからも、毎日訪ねてきてるわよ。あなたがいるか聞かれるから、いないって言うと帰ってくのよ。」
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shake
僕と友達は見つめ合いながら、恐怖で体が震えていた。
作者蒼波