作中用語
ノーマル……旧人類。ごく普通の「人間」を示す。何の能力も持たない上に、手足は各二本ずつ、目は二つ、口と鼻はひとつといった無個性な外見が特徴。
ミュータント……新人類。個性的な外見が特徴。どんな理由でどのような個性が現れるのか、原因ははっきりしていない。
ニュータイプ……ミュータントの中でも特殊能力と呼べる力を持つ者を示す。千里眼、念動力、不老不死など。
ゾンビ……旧人類の慣れの果て。この世界にはゾンビウイルスが蔓延しており、生まれながらに抗体を持つ「ミュータント」には何の影響も無いものの、抗体の無い旧人類「ノーマル」はいずれウイルスに感染し知性を持たないゾンビとなり果てる。
「ゾンビ」と化した旧人類は、新人類「ミュータント」の社会では邪魔になるため、駆除の対象となっている。
【ノーマル】
明日香……ミュータントとゾンビのみで構成された町、サクラ市に越してきた少女。しっかり者。ノーマルが迫害される時代を生きてきたためか、年の割に冷静で十代の少女らしさはあまりない。友達を作って勉強するという、ごく普通の学園生活に憧れている。
勇……明日香の弟(?)だが、血はつながっていない。見た目は十歳前後。生意気で反抗的なところがある。
阿方……明日香と勇の父親代わりだが、やはり血はつながっていない。しかし、二人のことを実の子供以上に大切にしている。長身で体格も軍人のようであり、ゾンビとの戦いにも慣れている。
竜二……明日香と勇の兄のような存在だったが、現在は行方不明。
【サクラ市第二東校・学生】
ミホ……見た目はセーラー服の女子高生。両目に重篤な奇形があり、赤い帽子を目深に被って隠している。『ニュータイプ』であり、千里眼の力があるため、他人の目をまともに見ることで相手の過去・未来を覗き見ることができる。勉強のできる優等生。
優……ミホの親友。茶髪にピアス、わき腹に刺青のあるヤンキー少女。酒と煙草が好物。『ニュータイプ』であり、ものに触れなくても動かすことのできる念力の持ち主。その代わり四肢は生まれつき欠損しており、古いデパートの展示にあったロボット人形の手足をもぎ取って義肢代わりに装着している。
信也……ミホのボーイフレンド。精神は完全に男性だが、身体は中性。従来のIS(性別が無い)とは異なり、男性・女性が完全に半々であるという、本来ならあり得ない構造をしている。『ニュータイプ』ではないが怪力の持ち主で、喧嘩慣れしている。顔が中性的なので短髪が似合わず、仕方なく武士の髷のようにポニーテールを結っている。学ラン着用。学校の番長でもある。
【サクラ市警備隊】
幸也……サクラ市の治安維持(主にゾンビの駆逐と食糧確保)の為に存在する警備隊の隊長。生まれつき手足が無く、腰骨の辺りから生えた触手で身の回りの世話をする。巨大な眼球が顔の真ん中にあり(単眼)、声帯が無いため声も出せないが、リーダーシップがあり優秀。
晃……幸也の相棒。お調子者。両腕のあるべき部分から足が、両足のあるべき部分から腕が生えている。
圭介……ミホの兄。過保護。警備隊のエース。腕の数が多い。片方は肘から、もう片方は手の甲から分離しており、更にはわき腹から第五の腕が生えている。見た目は歪だが、どれも問題なく動く。高身長で筋肉質、両目に奇形のある妹と異なり顔立ちはかなり整っている。
竜一……優の恋人。一緒に暮らしている。竜二とは過去に色々あったらしい。眼球が首筋についており、顔には目というものが存在しない。細身で長髪、ウツボのような尖った歯を持つ。首筋の両目は潰れており、攻撃用も兼ねた鉄芯入りの白杖を持ち歩いている。執念深く粘着質で、優以外の人間は基本どうでも良い。
【その他】
ジェームズ・D・ベルフェゴール……かなり昔に、海の向こうの国からやって来た科学者。金髪碧眼。サクラ市では医師として活動。不老であり、外見は二十歳前後だが実際は百年以上生きている。消化器官が弱いため、流動食しか食べられない。現在もミュータントやノーマルについての研究をしている。
あきこ……優たちの住むアパートの管理人であり、ジェームズ医師の相棒でもある。時折、『ネズミ』の肉を干したものを食用として売りに出かけている。綺麗に生えそろった足が四本あったが、一本はノーマルによって切断された。
作者林檎亭紅玉
注意!!
今更ですが、車猫次郎さんのコメントを受けて、登場人物の簡単な解説です。どこに載せるべきか迷いましたが、とりあえずここで。
まだお読みでない方はここを読んでから『日曜日は最高の終末』本編へ行っても良いし、すでにお読みになっている方は、逆にここを読まなくても良いかもしれません。