短編2
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海と糸

ノラの最後

ノラは、ウツと診断され、その2年後にソウウツと診断された。

巷で評判の良い心療内科は、ダメ医者だった。信用出来ない、まるで、実験的な扱いに気付く。

ノラの県で、大学附属病院が有る。

そこに移った。

女性の医者だった。

一言目で、信用した。

「ノラさん、この薬は毎日飲む物では有りませんよ?」

以前の心療内科で、ハイになる為に飲んでた薬た。

その女医は、何と言うか、話しを聞き出すのが、上手い。

「カッコ良い!!」

診察が終わった後、素直に感じた。

コレからの治療、自分の病いとの向き合い方、知りたかった全ての疑問に答えを示してくれた。

まず、再発率は、9割。

生まれからの物、つまり先天性。

若い頃は、ハイに対応出来る体力が有ったが、今、体力が無くなって、ソレに身体がついていけない。

充分納得出来る。

確かに高校の頃、寝れない日が有った。

そんな日は、酒を呑んで、音楽聴いて、朝方に寝るパターンがあった。

先天性なら、理解できる。

2箇所目の心療内科で、ソウウツと診断され、体力が以前の様には戻らないと言われ、

実際、消毒した時、以前の3分の1も出来なかった。

体を使う仕事しかやった事の無いノラにとって、その事実、現実は、受け入れる事が難しかった。

悩んでいた。

コレからの事、将来の事、何が出来るのか、

全く分からなくなっていた

何気無く、港に来ていた。

何隻かの小さな船が、波に揺れてる

干潮だった。

月明かりは、ほとんど無い。

昼間の明るく陽気なエメラルドグリーンではない。

時折、港の黒い海面を照り返す

黒く光る海、

吸い込まれそうなフシギな感じ

楽かな?

今、ここでなら誰も見てない。

じっと、汚れたオイルの様な黒い海面を見て動けない、動かない自分がいる。

「ハッ」と我に返る

今、死んだら、、、

生きて行く理由が探せ無かった

また、前かがみになり夜の海を覗く、2、3分動け無かった。

両親の顔は、浮かばなかった。

愛ちゃん(当時の彼女)は、泣くんだろぅな、

そこからは、ノラは冷静になれた。

愛ちゃんは、泣かせたく無い。

自殺すると死んでも又繰り返す。

良い事無いじゃん。

愛ちゃんが、居なかったらノラはあの時で終っていたと思う。

ノラが助かったのは、ノラと愛ちゃんを繋いでた糸だったのかもしれない。

見てくれてありがとうございます 多謝!!

                  ノラ

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