短編2
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ひいた黒犬

ノラは、昔はバカでした。

小さな事故は、まぁ多い方だった。

無茶苦茶な運転をしていた。

歩道走ったり、逆走したり。

でもね、運良く誰も跳ねてない。

人以外は、、、

犬を車で跳ねた事が、1度有る

動物は、基本は飛び出して来ても余程余裕が無いと避けない。

運転は上手くないのと、避けて事故になる確率が、高いから。

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夜だった。

片側2車線の大きな道路。

スピードは70キロくらい、歩道からイキナリ

デカい黒い犬がダッシュして出て来た。

気づいたのは、車の前に来た時。

アクセルから足を離すくらいしか出来なかった。

「ドンッ!!」

犬「キャイン!」

同時に聞こえた。

ノラ

(あ〜、跳ねちゃった、、、死んだかな、)

そんな事を考えてた。

すると、走っている車の横で

「キャイン、キャイン」

鳴き声がする。

跳ねて2、3分も経ってる。

巻き込んだと思い、車を路肩に停めた。

下を見る、

居ない、、、

車を停める迄、隣で鳴き声が聞こえてた。

周りを探しても、犬は居ない。

バンパーを確認する、社外品のファイバーで作られた硬いバンパーの真ん中が割れてる。

ぶつかったのは確かだ。

ひいた犬を探す。

50メートルくらい辺りを探す。

反対側の車線まで、見て来た。

犬は、ドコにも居なかった。

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その晩から1年近く、その黒い犬はノラにくっついてた。

ノラは、霊感なんて無いので分からない

体に異変も、何もナイ。

友人Sと合った時に言われた。

「ノラ、黒い犬が憑いてるけど、、、、、(笑)」

ノラ

「あ、昨日ひいた」

「はぁ?ひいたの?」

ノラ

「ひいた、でもさぁ、ひいた後その犬探したけどドコにも居なかったんだけど」

S「何か知らんケド、なついてるんだよな」

ノラ「ひいたのに、懐かれても、、、」

S「害は無いから、弾かないのか、、面白いなこの犬」

ノラ「なんか、気味が悪いんだけど、、、」

S「懐いてる理由は、分からないけど、害も無いし、放っていて大丈夫だよ」

それから、しばらくしてSは県外に出稼ぎに行ってしまった。

旧盆に帰って来たSと飲み屋で呑んでたらSが

「犬まだいるなぁ、変な犬だよな」

ノラ「まだ、憑いてんの?」

S「うん、まだ居る、お前の右側でお座りしてるよ」

ノラ「線香でも、あげた方が良い?」

S「そうだな、タブン喜ぶだけと思うけどね」

ノラ「なんで、成仏しないんかな?」

S「お前、犬飼ってるだろ?」

ノラ「うん、チビ助が居る」

S「そのせいかも、仲間意識が有るのかも」

ノラ、生きている犬と幽霊の犬の仲間意識?

そんなん有るかなぁ。

それから、半年後にSに合った。

黒い犬は、いなくなっていた。

霊感ゼロのノラでも、害が無いのは良いが憑かれるのは、いい気はしなかった。

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ネタバレ注意
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スンマセン、この犬とは、ソレっきり何も無かったです。

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