中編3
  • 表示切替
  • 使い方

「防衛本能?」

separato

      「防衛本能?」

separator

以前、同窓会が有った。

前々から呼ばれてはいたが、高校、中学と周りに関心が無くて、同級生にも関心が全く湧かない。

中学の同窓会で、バーベキューやるから顔ぐらい見せなよ、今度は皆来るかワカラナイからと、、、

separator

ノラの同級生は、30代で3人亡くなっている。

病気、事故、

皆、あっけなくこの世を去っていった。

会えるのは最後かもしれない。

会うだけあっとくか、軽い気持ちでOKした。

separator

行って直ぐに後悔する。

周りの同級生に興味が全く無い。

コチラから話す事もナイ。

1人で飲んでたノラの前に1人座ってきた。

ノラ(誰?)

「ハルだよ、わからんか?」

ノラ

(あぁ、番長かぁ、面倒くさいなぁ)

ハル

「ノラ、お前今何やってんの?」

ノラ

「車の修理工場に居るょ」

ハル

「へぇ〜、普通に働いてるんだな、俺はてっきり、、、」

ノラ

「ん?何?」

ハル

「いや、何でも無い、肉食うか?」

ノラ

「そうだね、肉食べなきゃ損だ」

separator

肉を焼きながら、ハルが、昔の話しをしている。

ウチの中学と中の悪い中学のケンカバナシ。

まぁ、暇で力がありあまった不良のケンカ自慢バナシ。

聞く分には楽しい。

ハルが、意外な事を言った。

「ノラ、お前二年の時にアッチの中学の奴とヤッタだろ?」

ノラ「え?ノラが?何でまた?」

アッチの中学で、お前に手を出すなと評判だっただろ?

ハッキリ言ってケンカなんてして無いし、そんな噂も聞いた事なんてない。

ハル

「二年の陸上大会の時、お前1人の時に5人に囲まれた時だよ、」

ノラ

「あぁ、あの時初めて殴られたわ〜、痛かったよ」

ハルは、焼いた肉持って来て、一緒に食べてた。

ハル

「あの時からだよなぁ、あの中学のメンバーがお前いる時には、手を出さなくなったのは」

ノラ  ?

「何で? 何があったん?」

ハル

「ヤッパ覚えてないのかよ!!」

ノラ

「ん? 何か面白い話し?」

ハル

「お前さぁ、アッチの番長グループ5人に囲まれて殴られまくった後、イキナリ立ち上がって、1人の指折って、ソイツの耳チギッて、後4人!!って言ってたらしいぞ」

ノラ

「覚えてない、それノラの話し?」

ハル

「ノラ、お前の話しだょ、間に入って止めたの俺達だし、ハッキリ言って、別人ミタイでマジ怖かったッ!!」

ノラ

「そうなんだ、殴られてる所までしか、記憶無いなぁ、、、痛かったなぁ」

ハル

「アッチの番長さんは、お前との事は、これでチャラにしてくれと頼まれたよ。

頭オカシイ奴に狙われるのは、流石にキツイからなぁ」

separator

ノラ、何にも覚えてない。

ハル

「あの時からだよ、お前が追い詰めるとひょう変するから、俺等も、あの中学も避けてたよ」

ハル

「俺等のケンカはさぁ、力比べみたいなもんだろ? でもなぁ、お前のケンカは、相手を壊すってか、下手したら一生消えない傷を付けるケンカのやり方なんだわ」

ノラ

「何となく分かる」

ハル

「俺等は、お前はヤーさんになると思ってたよ」

ノラ

「いくらなんでもソレは無いだろ〜?」

ハル

「なんで、俺等の同級生にヤーさんになったヤツ居ないか分からんだろ?」

確かにいなかった。

ノラ

「たまたま?」

ハル

「耳ちぎったお前の顔が、怖すぎたんだよ!

本職の裏の顔ミタイで、、表情なくなっててさぁ、目が開き放しだったんだょ」

ハルは、タバコ吹かしながら、笑って言ってた

「正直、お前を止めるのも怖かったょ」

ノラ

「この場合は、ありがとうカナ?」

ハル

「そうなるカナ、でも気を付けろよ!!

止める奴が居ない時は、タブン生き死にのゴタゴタになるから」

ノラは、散歩しながら一人で考える、、、コレといった対策が、見当たらない。

どちら側にも、なりたく無い。

  

  読んでくれて感謝!!                       

                ノラより

Normal
コメント怖い
0
4
  • コメント
  • 作者の作品
  • タグ