中編3
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前世

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        前世

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ある日、コンビニの前で、アイスを食べていた。

友人が、真剣な顔で聞いてきた。

前世の記憶が、有ったらどうする?と。

前世の記憶が、有る人は結構いる。

ただ、変に見られるから言わなくなる。

ノラ

「参考にして生きれば良いんじゃない?」

友人

「ソレが、殺人を犯した人ならどうする?」

ノラは、何でいきなりそんな事話し出してるのか不思議だった。

ノラ

「殺人かぁ、キビシイね、自分なら忘れる」

友人は、少し笑って言った。

「首をしめて、喉を潰した感触が忘れられないんだよ、ソレが快感だった」

ノラ

「おい、何を言ってんだ?」

友人

「オレの前世のハナシだよ」

友人

「空手の○○流を破門された人で、○○と言う名字で、ヤクザの裏仕事や、潰し屋だった人」

ノラは、友人が頭オカシクなっているのか、と思って

「精神科行けよ」

と言った。

友人は、最近から少しづつ思い出したらしい。

ノラ

「ん、じゃ〜、型やって見せて」

友人

「こんな所でか?アホか?」

アホはお前だとツッコミどころだが、辞めた。

夜に、人目が無い漁港でなら、と言うので約束して、別れた。

友人と別れて、パソコンて、流派を調べた。

出て来ない、、

ヤッパ、アイツ頭オカシクなっているのか?

念の為、空手やってる知人に聴いてみた。

驚いた、、、、、知っていた!!

逆に、何故その流派を知っているのか聞かれ、友人の話しをした。

知人は、絶句して、フザケているにしても度が過ぎている、と自分も型を見たいと言ってきた。

その流派は、表に出せない、つまり裏では有名な流派だった。

手加減出来ない型、相手をいかに効率よく壊す事に特化した流派。

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夜になっている、、、

何だか、余り気乗りしない、、、

知人は近くから観たいと言ってきたので、友人に了解を取り、会わせた。

漁港で、3人集まった。

友人

「ん、じゃ〜やろっか!」

知人

「お願いします」

ノラ

「、、、」

友人の型は、空手をやって無いノラが見ても分かる位のキレ、動きだった。

知人

「、、、、、」

友人

「どうですか?」

知人

「君は、○○流派の門下生じゃないんだよね?」

友人

「はい、習っていませんよ」

知人

「本当に前世の記憶かい?」

友人

「はい」

知人

「それじゃあ、その破門された方の最期は分かるかい?」

友人

「多分、毒殺ですよね?」

知人

「あぁ、そうなる、殺された理由も分かるかい?」

友人

「仕事を広げ過ぎて、欲を出し過ぎた事」

知人

「君は、これからどうするの? 彼と同じく裏稼業をするのかい?」

友人

「やるつもりは、ナイですよ。仲間に毒殺とか、ゴメンです」

知人

「わかった、この話はココだけの話しで終わりにしよう、本家も門下生でも無い君をどうこうしないだろうしね」

知人いわく、本物らしい。

多分、自分では、勝てないだろぅとも言っていた。

本当に本当なんだ、、、

でも、昼間にコロした感覚云々は、大丈夫なのか?

ノラだけ不安だった。

しばらくして、この前世の記憶を持っている友人は、県外に行った。

それから、3年間、音沙汰ナシ。

5年後には、都心部にキャバクラや飲み屋で成功している。

彼とは、それっきり会ってイナイ。

ノラ達が、35の時に、亡くなっている。

死因は、酔った時にケンカでの刺されて失血死、何回も腹を刺されたらしい。

地元での通夜は、簡単なモノで、呆気ない最後だった。

連絡もつかなくなり、最後に会う時は、骨となった壺。

たが、亡くなっている歳は、前世と同じ。

最初から決まっていた事なのか、分からない。

前世よりも良い人生を生きたと思いたい。

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