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前世
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ある日、コンビニの前で、アイスを食べていた。
友人が、真剣な顔で聞いてきた。
前世の記憶が、有ったらどうする?と。
前世の記憶が、有る人は結構いる。
ただ、変に見られるから言わなくなる。
ノラ
「参考にして生きれば良いんじゃない?」
友人
「ソレが、殺人を犯した人ならどうする?」
ノラは、何でいきなりそんな事話し出してるのか不思議だった。
ノラ
「殺人かぁ、キビシイね、自分なら忘れる」
友人は、少し笑って言った。
「首をしめて、喉を潰した感触が忘れられないんだよ、ソレが快感だった」
ノラ
「おい、何を言ってんだ?」
友人
「オレの前世のハナシだよ」
友人
「空手の○○流を破門された人で、○○と言う名字で、ヤクザの裏仕事や、潰し屋だった人」
ノラは、友人が頭オカシクなっているのか、と思って
「精神科行けよ」
と言った。
友人は、最近から少しづつ思い出したらしい。
ノラ
「ん、じゃ〜、型やって見せて」
友人
「こんな所でか?アホか?」
アホはお前だとツッコミどころだが、辞めた。
夜に、人目が無い漁港でなら、と言うので約束して、別れた。
友人と別れて、パソコンて、流派を調べた。
出て来ない、、
ヤッパ、アイツ頭オカシクなっているのか?
念の為、空手やってる知人に聴いてみた。
驚いた、、、、、知っていた!!
逆に、何故その流派を知っているのか聞かれ、友人の話しをした。
知人は、絶句して、フザケているにしても度が過ぎている、と自分も型を見たいと言ってきた。
その流派は、表に出せない、つまり裏では有名な流派だった。
手加減出来ない型、相手をいかに効率よく壊す事に特化した流派。
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夜になっている、、、
何だか、余り気乗りしない、、、
知人は近くから観たいと言ってきたので、友人に了解を取り、会わせた。
漁港で、3人集まった。
友人
「ん、じゃ〜やろっか!」
知人
「お願いします」
ノラ
「、、、」
友人の型は、空手をやって無いノラが見ても分かる位のキレ、動きだった。
知人
「、、、、、」
友人
「どうですか?」
知人
「君は、○○流派の門下生じゃないんだよね?」
友人
「はい、習っていませんよ」
知人
「本当に前世の記憶かい?」
友人
「はい」
知人
「それじゃあ、その破門された方の最期は分かるかい?」
友人
「多分、毒殺ですよね?」
知人
「あぁ、そうなる、殺された理由も分かるかい?」
友人
「仕事を広げ過ぎて、欲を出し過ぎた事」
知人
「君は、これからどうするの? 彼と同じく裏稼業をするのかい?」
友人
「やるつもりは、ナイですよ。仲間に毒殺とか、ゴメンです」
知人
「わかった、この話はココだけの話しで終わりにしよう、本家も門下生でも無い君をどうこうしないだろうしね」
知人いわく、本物らしい。
多分、自分では、勝てないだろぅとも言っていた。
本当に本当なんだ、、、
でも、昼間にコロした感覚云々は、大丈夫なのか?
ノラだけ不安だった。
しばらくして、この前世の記憶を持っている友人は、県外に行った。
それから、3年間、音沙汰ナシ。
5年後には、都心部にキャバクラや飲み屋で成功している。
彼とは、それっきり会ってイナイ。
ノラ達が、35の時に、亡くなっている。
死因は、酔った時にケンカでの刺されて失血死、何回も腹を刺されたらしい。
地元での通夜は、簡単なモノで、呆気ない最後だった。
連絡もつかなくなり、最後に会う時は、骨となった壺。
たが、亡くなっている歳は、前世と同じ。
最初から決まっていた事なのか、分からない。
前世よりも良い人生を生きたと思いたい。
作者サンタ…まりあ