中編4
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 「行けない場所」

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    「行けない場所」

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県外で、短期のバイトが終わりただ帰るのも面白くない。

どうするか?

隣の隣りの県にSが働いてる。

行ってみようか。

Sに連絡を取る、

「田舎で何も無いよ」

と言われたが、久しぶりに会いたかった。

駅からまた駅へ、電車はヤハリ苦手だ。

Sは、夜勤なので、アパートまでタクシーを使った。

郵便ポストに鍵が、置いて有った。

Sの部屋はキレイ。

彼女がいたせいか、几帳面なのか、

勝手に上がり、ビールを飲みながらAVを見て、飽きたらテレビを見ながら寝ていた。

朝、帰宅したSに起こされ、散らかすなよと小言を言われた。

Sとメシ食いに行こうと言われたが???

メシ屋なんて見なかったけど、取り敢えずついて行く。

アパートの裏手に1軒有った。

チェーン店かな?ミタイな店だ。

話しながら朝からまた、ビール!美味い!!

久しぶりに会う、やはり10代の自分に戻った感覚、最高に楽しい!!

ノラ「来て良かったよ」

S「ノラは相変わらずバカだな」

ノラ「イヤイヤ、アナタも同じくダョ!!」

週末に、祭りが有るからSと彼女、ノラで行く事になった。

祭りで、初めてSの彼女に会った。

多分、地元の娘だろう。

イチャイチャしだす。

オレは空気か、、、、叫びたい程、ムカついた。

花火が、上がり始めた。

ノラは、二人のアホカップルと居たくないので、夜店回ってくる事にした。

屋台も見飽きて、階段に座り飲んでいた。

ん?屋台の裏に鳥居が有る。

鳥居を隠すように並んでる屋台。

屋台の裏に回ろうとする。

「お兄ちゃん!!ダメダメ!祭りの最中は鳥居に近づかないで!!」

屋台のオッチャンが、コッチ来いと手招きしている。

ノラ「何でダメなんですか?」

オッチャン

「祭りの最中は、中に入ると出て来れない、実際に有った事だから入らないで!!」

ノラ「分かりました。んじゃぁ、ついでに焼き鳥2つとビールも、下さい」

(入ったら出られない鳥居かぁ、)

ノラは、ちょっと酔っていた。

(ははは、ヒマ潰しに丁度良い!!)

屋台を大回りして、鳥居まで来た。

狐の像が有る、見た感じ綺麗に管理されてる。

鳥居の前に縄が有った。

縄の前には、看板が有り、立入禁止、、、

さて、行きますか?

縄を飛び超え、鳥居をくぐる。

何とも無い、上まで登ってみた。

上から見たら良く分かる。

ヤッパリ、不自然に屋台が並んでいる。

後でSに聞こう

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下の騒音も聞こえない、静かだ。

ビールを飲みほした。

中段で、下が騒がしいのに気付く。

下に降りて、鳥居から出た途端、アナウンスで、ノラが呼ばれてる

はぁ? 何で???

電話すれば良いのに、何故に、アナウンス?

恥ずかしい。

電話でSに掛けようと画面を見た。

ゾッ!!とした。

ズラッと同じ番号から、20件以上の着信履歴がある、、、、、気持ち悪い。

全部Sからだ

急いでSに電話した。

「ノラ、、ど、何処にいる?」

ノラ

「鳥居の下」

「どうやって入った?」

ノラ

「焼き鳥屋の裏からだけど、何でアナウンスなんか、子供じゃ無いのにさぁ」

「マジで、お前ふざけんなよ!!取り敢えず焼き鳥屋の前に来いよ?」

ノラ

「分かった、行くよ、行くから怒るなよ?」

「分かったから、早く来いッ!!」

Sが、来る前に、焼き鳥屋の屋台のオッチャンに見つかり怒られ、また、ヤッパリSにしこたま怒られる。

パトカーまで来てるの見て事の大きさに気付く。

連行は、され無かったが、やはり怒られた。

一通り怒られたかな、と思い。

ビールを買いに行くと、どの店も売ってくれない、、、、、。

「もう、祭りドコロじゃない。明日、神主さんと、祭りの主催者に謝りに行くから、もぅ飲むな」

ノラ

「ハァー、散々だ、疲れたよ」

「ノラ、お前が悪い、よその人から見たら、変な規則でも、その土地の人達には大事な規則だからな」

翌日、朝からビールの缶開けた途端、寝ていたSが、「アホウかッ!!」と怒鳴りながらビールを取り上げたのにはビックリした。

神主さんと主催者が、神社の前に待っていた。

神主さん

「あなたが、ノラさんですね」

ノラ「すいませんでした」

神主さん

「まぁ、あなたが無事で何よりです」

ノラ

「ありがとうございます」

神主さん

「ですが、もうこの町には、入らないで下さい」

ノラ「???」

神主さん

「祭りの広場は元々、私達の境内なんですよ、

現在は、祭りの間だけ貸して頂いている状況なんです。

貸してあげてる上に自分の土地に迄、しかも土足で踏み込むと主は、当然怒りますよね?

今回は、偶然あなたは助かった。

ですが、二度目は有りませんから」

神主さんからは、以上だった。

主催者からは

「早く、出て行って下さい」

の一言だった。

公には、道に迷っていた事に成っていた。

S、Sの彼女も他言無用で、許して貰えた。

まぁ、元々S達は、関係ないから。

ノラは、行けない場所が出来てしまった。

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