短編2
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こんな夢をみた 第一夜

こんな夢を見た

ここは、どこかの高校の校庭のようだ。

夕暮れだ

それなのにどうやら、ちょうど卒業に先立っての卒業写真を撮るところらしい。

写真屋が三脚を立ててカメラを構えている

女子高生達は、ひとクラス全員が写るように台に乗って上段中段下段の3列になっている。総勢40人程だろうか。全員黒髪ストレートのロングヘアーだ。

しかし、誰もがカメラを見ていない。

リングの貞子のように、顔を下に向けて髪の毛を垂れている。全員が。

誰もが微動だにしない。

不気味に思いながらも近づいてみる。

すべてマネキンだった。

なんだ、マネキンか。

振り返り、カメラマンの顔を見る。

やはりマネキンだった。

しかも、俺の顔写真を拡大してプリントアウトした簡易なお面をつけている。

なんて、陰湿な悪戯なんだろうか。

マネキンを蹴り飛ばした。

ふと、代わりに俺が写真を撮ってやろうと思った。

俺の方が良い卒業写真を撮れるはずだ

マネキンの代わりにカメラの前に立ち、

ファインダーを覗き、うつむき長い髪を垂れさせたマネキン達にピントを合わせ・・

「パシャッ!」

シャッターを押した。

ふふ、良い写真が撮れたんじゃないかな

なんてな

・・・ファインダーから目を離し、顔を上げる。

女子高生達が全員、満面の笑みで俺を見ていた。

「「「アハハハハハハ」」」

ケタケタと一斉に笑い出す。

たじろいでいると、

足下から、ゴロンゴロンっと音がした。

足下をみると、

さっき倒したマネキンが、ゆっくりと身体をねじり、寝転びながらこちらの顔を覗いている。

お面はもう外れていた。

その顔は、以前みた夢のなかで、俺がビルから突き落とした男の顔だった。

いつのまにかそれはマネキンではなく、転落死直後のように、腕も脚もぐしゃぐしゃに曲がった男であった。

そして口だった空洞がパクパクと開閉を繰り返している。

何を言っているのだ?

「「「卑怯者 卑怯者」」」

声の方をみると

女子高生達が眼を吊り上げて俺を罵っていた・・

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@車猫次郎 遅くなりましたが、コメントありがとうございます。まさにその、3列のマネキンを誰かが写真撮影している不可解さを描写したいがために書いた話です。

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