「ふぅ。今日も疲れたな」夜9時まで残業をして帰宅したケイジはそう呟いた。
リビングに置いてあるソファに座り缶ビールを開けた。それとほぼ同時にテレビをつける。
いつもやっていることだ。
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テレビは動物番組をしていた。可愛らしい犬が画面に映った。
「あの犬かわいいなぁ、飼う余裕があったら飼うのにな」ケイジはそう心の中で思った。
ビールを飲みながら適当に眺めていた時、「ワンワンワンワン!」家のどこかから犬の鳴き声が聞こえた。
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「犬が家に潜り込んだのか?」疑問に思いながらケイジは鳴き声のする方へ足を運んだ。
どうやら奥にある寝室で鳴いているようだ。ドアをそっと開けて明かりをつけてみた。
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なんと先ほどテレビで見た犬がいた。ケイジは犬を撫でようと手を差し出すと、犬は尻尾を振りながらケイジの手を舐めた。
「かわいいなぁ」とケイジは思いながら犬を撫でてみた。
犬は喜んだ様子でケイジに懐いてきた。あまりにも犬が可愛らしいのでしばらく遊んでいた。
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いくらかの時間が経った頃、犬はいつの間にかスッと姿を消した。
目の前で消えたのでケイジはいささか驚いた。「アルコールが回ったのだろう」と納得して再びリビングに戻った。
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テレビの番組表を見ると「人気グラドル!夜の水泳大会!」というタイトルが目についた。
番組の詳細を見てみるとケイジの好きなグラビアアイドルも出るようだった。
ケイジはチャンネルを回し、水泳大会を見ることにした。
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やがて番組は始まりケイジの好きなアイドルも出てきた。過激な映像を見ながらケイジは「あの子がいたら幸せだろうなぁ」と思った。
ケイジは番組を見ながら好きなアイドルとの交際を妄想していた。
ケイジの妄想は加速して女とキスするところまで来ていた。そんな時のことだ。
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「ピンポーン」
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インターホンが鳴った。「なんだよ良いところだったのに」そう思いながらも玄関のドアにある覗き穴を覗いた。
ケイジは驚いた。なんと先ほどテレビで見ていた自分の好きなアイドルがいたのだ。
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ケイジはドアを開けて動揺しながらも「どちら様ですか?」と聞いた。
名前もあのアイドルと同じだった。家に入れてくれと頼まれたケイジは喜んで迎えた。
「こんなことがあるのか?夢でも見ているんじゃないのか?」そうケイジは疑問に思ったが、
「きっと酒に酔っているからに違いない夢だとしても良い、あの子と話せるなら」
ケイジは今起きていることを受け入れることにした。
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そうしてケイジはアイドルと酒を飲みながら話すことにした。
どうやら芸能界やファンのことで悩んでいることがあるらしい。
ケイジは悩みの相談に乗った。話しているうちに良い雰囲気になってきて再び寝室に足を運んだ。
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ケイジは「こんなに幸せなことがあって良いのか?」と思いながらも、彼女との行為に酔いしれた。
体を重ね終わった後、アイドルは先の犬と同様にスッと姿を消した。
ケイジはシャワーを浴びて寝ようと思い寝室を出た。
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風呂場に向かう途中にリビングを横切った時のこと。
「ウゥーンウゥーンウゥウーン!!」鈍い金属の音が聞こえた。
どうやら深夜の映画で「13日の金曜日」が始まるようだ、、、
作者カボチャ🎃
実はこの話を思いついたのにはちょっとしたエピソードがあります。
昨日、兄がYouTubeでハチの養蜂を見ていましたが、その時にハチっぽい虫が部屋にいました。
それで今回の話を思いつきました