「俺君、おはよう!」
「あ、おはよう」
僕はいたって普通の高校生だ。
部活は剣道部に入っている。
成績は中の下くらい。
そう、いたって普通の高校生なのだ。
しかし、強いて特徴、いや、悩み?を挙げるとするならば・・・
「俺君、今度の文化祭、もしよかったらさ、一緒に回らない?」
僕は、とてもモテるのだ。さながら恋愛漫画の主人公のように。
もちろん他に悩みもあるのだが。
「い、いいよ!?お化け屋敷をやってるクラスもあるし、そこなんてどうかな?」
「ちょっと怖いけど・・・俺君となら行ってみたいな♡」
「頑張ってエスコートするよ」
「ありがとう♡楽しみだな〜」
・・・ふふふ
なんて良い人生だ。僕の今後の高校生活は夢に溢れている。
その後、夕暮れの陽がさす下校時に「銀髪の謎の少女」に出会い、魑魅魍魎たちと戦うことになったりしたが、新たな美少女たちと出会い、絆を深めていくことになる。
しかしだ・・・
「ねえ、みんな・・・」
「「「「「なに? 俺君♡」」」」」
「なんで、僕のことを、「俺」君って呼ぶの?」
・・・・・・・
「主任、これ見てもらってもいいですか?」
「ん?ああ、いま開発中のやつな。ゲームのジャンルは恋愛モノだろ?」
「そうです。しかし、私はこの手のゲームの良さって分からないんですよね。鬱ゲーとか、トラウマ系って呼ばれるんでしたっけ?」
「最後はヒロイン達から中世の拷問を何度もかけられるオチだろ?しかも生き返らされてはまた繰り返されるやつ。」
「自分で製作しておいてなんですけど、本当に救いが無いですよね。こんなのを楽しんでやるユーザーってどんな人なんですかね?」
「それが、まだ開発中なのに、もう予約を入れてる人もいるんだぞ。」
「ええ?相当いかれてますよ!」
「なんでも、参考にしたいらしいぞ」
「こわ・・・なんですか「参考」って。今のうちに警察に通報しといたほうがよくないっすか?名前とかわかってるんです?」
「ああ・・・ダメだ、おそらく偽名だな。」
「そうですか。なんていう名前なんです?」
「えっとな・・・【ボヘミアン】だ。」
作者退会会員
ゲーム実況したいそうです。