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行く車怪(しゃかい)、来る車怪

短編2
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行く車怪(しゃかい)、来る車怪

さて、年末や此処数日に掛けて、車輛であちこち走らせていたら、変な体験をしたりして、「怖い怖い怖い怖い、勘弁して勘弁して勘弁して」と余計に怪奇現象を調子づかせるので無く、「ひゃあ、ネタが出来た、ネタが出来た。さあもっと変な体験させてゾクゾクさせてくれたまえ」なんて、体験させる側がむしろ不愉快な感情を抱かせる感じで、ハンドルを握っていたりします。

前置きが長過ぎた。

秋口に頻発したのが、夜な夜な、遠出の帰路を急いでいると、大型トラックが後ろから、私の軽自動車にピッタリならぬビダっとした感じで、煽り運転に近い、酷く眩しいライトで照らして来ると言うもの。

「さーて、そろそろ曲がってやり過ごすか」────そんな風に考え始めた矢先に、急に跡形も無くトラックが消えたなんて事が起きた。

本当は消えたのでは無く、私が気付かない内に、トラックが曲がって目的地に急いでいたのかも知れないのだけど、私からすれば、いきなりハイビームみたいな酷く眩しい明かりが消えたので、「え?え?」と急に巨大な塊が消えたも同然なので、忽然と姿を消したと認識させられた訳である。

次は、直近で少し遠出をしていた時の話。

隣県に程近い土地にのんびり車輛を走らせていた際に、信号待ちをしていたら、いきなり助手席との間の隙間から、ラジオのFM放送の様な、音楽再生機のクリア音声の様な感じで、若い女性の声が聞こえた。

歌なのか放送音声か分からないけど、1~2秒程度隙間から聞こえてすぐに消える。

ポケットラジオを落とした覚えも無ければ、音楽再生機を隙間に落とした記憶も無いから、一瞬ゾワっとしたが、又不気味なネタが来てくれたと、暫く熟成出来る事に喜んでしまったが………

ちなみに、車内でラジオ放送を掛けてもいた為、二重音声が短い時間、車内に響いた事になる。

Concrete
コメント怖い
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