中編3
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ラジオの謎チャンネル

ラジオに存在する謎チャンネルをご存知だろうか?

謎チャンネルとは本来は繋がるはずのないチャンネルのことである。

たまたまカーソルが合ったから?周波数を拾ったから?

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原因は様々あるし、害のないチャンネルもあるが危険性の高いものもあるため気をつけた方がいい。

今回はそんな謎チャンネルで起きた怖い話をお伝えする

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これは地方大を卒業して東京に就職をしたサラリーマンに起きた話だ。

彼はアパートで一人暮らしを始めた。

東京にしては家賃が安い物件だったが、別に事故物件ということは無い。

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彼は営業の仕事をしており、会社の車を使って営業に回っている。

会社に寄らずに帰ることもよくあるため、日常的にもその車を使っていた。

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営業先は都内の日もあれば隣県の時もある。

営業先に向かう途中の車内でラジオを聴くことが習慣となっていた。

マップを開きながらラジオを聴くことが安全運転に繋がるし効率的だと考えていたためだ。

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営業から帰っている時のことだった。その日は隣県で仕事をして車で直帰していた。

うまい具合に仕事が進み、つい多くの営業先を回ったため帰りは夜遅くになっていた。

ふと車の時計を見ると時刻は10時を回っていることに気づいた。

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次の日は休みであるため、ゆっくりとラジオを聴きながら帰ることにした。

慣れた手つきでカチカチッといくらかチャンネルを回した。

ザザザッザザ、いくらかの雑音の後に音声が流れ始めた

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「あっはっはっは!それでね、私ったら振られちゃったのよ〜!」

と若い女の声が聞こえた。どうやら恋愛の話のようだ。

「へー、それで彼とは終わっちゃったんですか?」

これは年配の男性の声らしかった。

「そうそう!でも私諦め切れなくってぇ。彼に電話かけたの」

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「それで相手は出てくれたんですか?」

「それがね、鳴らしても鳴らしても出てくれないから伝言だけ録音しておいたわ」

「それはなんと言う風に?」

「私はいつまでも好きだから、また付き合いたいな!って言ったの。キャー恥ずかしいこれ」

「なるほど、相手が聞いてくれてかけ直してくれたら良いですね」

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「うん!信じて待ってみるわ!」

「それではまた進展があったら話に来てくださいね。カナコさんが上手くいくことを願ってますので」

「ありがとう、また話に来るわね!」

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「はい、お待ちしております。お聴きになってくださいました皆さまもありがとうございました!

人気コーナーの『カナコの恋愛話』はいかがだったでしょうか?

また進展があり次第、同時刻にて放送させていただくのでよろしくお願いします。

この番組では一般の方をゲストとしてお迎えしております。出演していただける方はTel○○○-○○○○までおかけ下さいませ!本日もありがとうございました!!」

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司会が番組の挨拶を終えて終了した。次の番組に移るだろうと思っていると

ザーーー!ザーーー!と雑音しか聞こえない。

彼はチャンネルを回して他の局を聴くことにした。

そこでは普通のニュースを放送していた。

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適当に流し聴きしながらアパートに帰った。

ドアを開け玄関に入り、下駄箱の上にある固定電話を確認した。

営業という仕事柄、電話はチェックするようにしている。

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履歴のボタンを押した。

「プープー、一件です」と機械がアナウンスをした後、録音が再生された。

「私はいつまでも好きだから、また付き合いたいな!」

ラジオで聴いた女の声とセリフだった。

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恐怖を感じた彼は慌てて電話の線を抜き、机に置いてある新聞を手にした。

急いでラジオ欄を開き隅から隅までチェックした。

どのチャンネルにも「カナコの恋愛話」というタイトルの番組は無かった。

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彼はそれ以来、営業車のラジオは聴かなくなった。

自前のボタンでチャンネルを回すタイプのラジオに変えたと言う。

皆さんもラジオの謎チャンネルにはご注意を

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