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中編3
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寝取り連鎖

「はぁはぁ、あなたのじゃ満足できなくてぇ、彼の方が良いの!彼のはあなたのより大っきくて気持ちいいの!」

これは彼女から電話がかかってきて言われた言葉だ。

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おそらく他の男とセックスしているのだろう。

わざわざ行為中に電話をかけて背徳感とやらを得たいのだと察した。

よくAVなんかで見るシチュエーションをまさか現実で見られるとは思わなかった。

「悪いな、お前よりもおれの方が良いってよ笑」

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「はぁー」おれは心の中でため息が出た。

それは女を取られた悲しみによるものではなく、今必死にあの女に腰を打ち付けている男が哀れだからだ。

おれが純粋な男で女を取られた時に悔しそうにすれば、男も彼女も喜ぶのだろうが全くそんな気になれない。

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おれはたった一言「お幸せに」そう言って電話を切った。

もちろん、連絡先はブロックして削除した。

おれは彼女との出会いを思い返してみた。

あれは大学が夏休みに入りサークルの合宿をしている時だった。

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一人の女の子と仲良くなり、みんなから隠れて二人でイチャイチャしていた。

その子には同じサークルに彼氏がいたが、おれのことが好きだと言うので構わず交わった。

わざとその彼氏がいるところで抱き合ったり、キスしたりもした。

元の彼氏は冷めた目でおれたちを見ていた。

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おれは男から女を取ってやったと思い込み快感を得ていた。

冷めた目で見られている時も「悔しいのを必死に隠している、かわいそうなやつだ」と優越感に浸っていた。

しかし、それは間違いだった。

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合宿が終わった後、正式に女の子と付き合い始めカップル生活を送った。

男から女を奪ったという快感や自分の方がモテるという優越感に浸りながら交際していた。

しばらく経ってから彼女は他の男と仲良くするようになった。

おれと付き合っていながら彼女はその男と手を繋いだり抱きついたりし始めた。

おれの目の前で、、、

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そうして先ほどあのような電話がかかってきた。

何となく、今度は自分が奪われる番だと思っていた。

元々、自分自身だって寝取って付き合い始めたのだから。

電話の向こうにいた男も今は優越感に浸れて快感があるだろうが、しばらく経てばおれや前の男と同じ目にあうだろう。

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あの女は彼氏という「裏切ってはいけないもの」を「裏切る」ことで快感を得る生物なのだろう。

だから彼氏をわざわざ作り、別れていない状態で他の男とセックスする。

そもそも「彼氏」であるかなんてそれぞれの思い込みでしかない。

自分が友達だと思っていても相手からはそう思われていないことがあるように

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おれはあの女が他の男とイチャ付き始めてから自分の彼女だとは思っていない。

おそらく合宿の時の元カレもそんな心境だったのだろう。

おれはアイツの目から見てさぞアホに見えたことだろう。

どうせ寝取られる女を取って優越感に浸っていたのだから、、、

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もしかすると、合宿の元カレ自身もあの女を寝取って獲得したのかもしれない。

まぁ今となってはどうでも良いが、今もあの女に騙されている男がいると思うとため息が出る。

Concrete
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