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これは
私が独り暮らしをしていた頃の話・・・
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深夜、携帯電話の着信で目が覚めました。
電話に出ようと思い、
躰を起こそうとしたのですが
できませんでした。
金縛りです。
着信音だけが
闇の中で流れ続けていましたが、
突然、通話ボタンが押された音が・・・
数秒のノイズ音の後、電話の向こうからの声。
「・・・ママ・・・」
幼げな少女の声でした。
通話はその一言だけ。
そのまま電話は切れ、
後には闇より重い沈黙が訪れたのでした
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「彼女」がなにを伝えたかったのか、
それは知る術もありません・・・
作者塵